どれだけ知ってる?ルテインやゼアキサンチン以外の様々なカロテノイド

ルテインやゼアキサンチン以外の様々なカロテノイド

ルテインだけじゃない!目の健康を保つ成分・カロテノイド

目の健康成分の代表とも言える「アントシアニン」や「ルテイン」。
これらは成分は、フラボノイドやカロテノイドという天然色素であることは、過去記事「▼ブルーベリーだけじゃない!目の健康を維持するオススメ食材」でもご紹介したとおりで、自然界にはおよそ700種類ほどの天然色素成分が発見されています。

その一部をご紹介いたしますと

・ニンジンに多く含まれるβ-カロテン(橙色)
・トマトに多く含まれるリコピン(赤色)
・ブルーベリーやナスに含まれるアントシアニン(紫)
・マリーゴールドに多く含まれるルテイン(黄色)
・多くの植物に含まれるクロロフィル(緑色)

などがその代表的なものとなり、それぞれのカロテノイドには、人にとって健康的な働きや効果が期待できることが分かっています。主な働きとしては、免疫機能の維持、血管系疾患の予防、骨密度の維持、がん予防、そして当コラムで幾多もご紹介している「目の健康」などが挙げられるところではあります。

上述のとおり、各種カロテノイドは植物特有の天然色素であり、

人に限らず動物は体内生成できない

ことから、食事から摂取するしかありませんが、幸い日常的に食べる野菜や果物などにカロテノイドは多く含まれていることから、摂取自体は決して難しくなく、習慣化も比較的容易です。特に中高年以降、

加齢によってその機能が低下してくる視覚機能を維持

するためにもルテインやアントシアニンといった目の健康成分の摂取を習慣化する必要があるのです。ちなみに、「▼目に良いとされる成分・アントシアニンとルテインの違いは?」でも取り上げていますが、同じ目の健康成分と言えど、アントシアニンとルテインとでは、その働き掛ける効果や作用は異なりますし、もうひとつの目の健康成分の代表格として挙げられるゼアキサンチンもまた、その作用は異なります。

そこで今回は、自然界に多く存在する天然色素成分のなかでも、

アントシアニンやルテイン以外の「目の健康を保つ天然色素」

という点にフォーカスし、そのカロテノイドの詳細や効率的に摂取できる食材などをご紹介。アントシアニンやルテインの摂取の重要性はもちろんですが、それ以外にも目の健康を維持するうえで摂取しておきたいカロテノイドの基礎知識を身につけておくことも大切です。フラボノイドやカロテノイドといった色素成分の機能や働きを知ることで、

習慣的な摂取のモチベーションにつなげる

ことが重要となりますので、この記事でしっかりと天然色素成分の効果を身につけるようにしましょう。

そもそも天然色素って?カロテノイドの働きと人体効果

そもそも天然色素って?カロテノイドの働きと人体効果

皆さんが日常的に口にしている野菜や果物。
もちろん動植物においては、それ固有の色素が存在していますが、例えば

・カニはどうして赤いの?
・マンゴーはなぜオレンジ色?
・ほうれん草はなぜ緑色?

なんて考えながら食べている人はほとんどいないと思います。

その色を構成しているのが天然色素であり、カニの赤さはアスタキサンチンというカロテノイド、マンゴーのオレンジ色はゼアキサンチン、ほうれん草はβ-カロテン、といった具合いにカロテノイドにも様々な種類が存在し、その役割や人体への働きも異なります。

そこで、まずは代表的なカロテノイドの種類と、それが多く含まれる食材についてみていきましょう。

≪黄色≫
α-カロテン:ニンジンやカボチャなど
ルテイン:ケールや小松菜など
カルコン:明日葉など

≪橙色≫
β-カロテン:ニンジンや柑橘類など
γ-カロテン:サツマイモやほうれん草など
ゼアキサンチン:とうもろこしやパパイヤなど
クリプトキサンチン:みかんや柿など

≪赤色≫
リコピン:トマトなど
カプサイシン:とうがらしなど
アスタキサンチン:カニやエビ、鮭など

こうしてみると、聞き馴染みのある成分から、初めて聞くような成分まで、数多くのカロテノイドがあることが分かります。なお、アントシアニンは明確にはフラボノイドであることから上記カロテノイドの分類には含んでおりませんが、天然色素という括りでは、同じ成分と言っても過言ではありません。

そして、これらのカロテノイドが

人の体に対してどのような効果をもたらすか?

という点が核心部分ではあり、さらには今回のテーマ「アントシアニンやルテイン以外の目の健康成分は?」という点も気になるところ。上記に挙げたカロテノイドのなかで、ルテイン以外の成分における目の健康効果について見ていきましょう。

≪ゼアキサンチン≫
目の網膜中心部付近の存在し、ブルーライトなどから網膜を保護している成分。ルテインが網膜周辺に多く存在しているのに対して、ゼアキサンチンは中心部に約1:2の割合で存在。ルテインと共に外部からの有害な光から水晶体を守る役割を担っています

≪アスタキサンチン≫
優れた抗酸化作用を持つアスタキサンチンは、紫外線による活性酸素の発生を抑制したり、免疫機能の低下の抑制、そして目の疲労感の軽減に有効な成分。食品から摂取したアスタキサンチンが血管を通じて目に届くことで、眼精疲労を軽減する効果が確認されています。

≪カプサイシン≫
唐辛子に含まれる代表的辛み成分であるカプサイシン。体温上昇による脂肪燃焼や食欲増進効果などが主に知られていますが、そのほかにも血流促進や抗酸化作用、疲労回復など様々な効果があり、目周辺の血流を促進することで目の疲労感の回復にもつながります。

これらのように、カロテノイドなどの天然色素成分の多くは高い抗酸化作用を持ち、

紫外線や老化による目の周辺組織の機能低下に役立つ

ことが分かっています。

アントシアニンやルテインのように、目に対する直接的な効果に乏しいカロテノイドでも、抗酸化作用や疲労回復効果が見込まれる成分であれば、当然目にも効果的でありますので、定期的にそれら成分も摂取すると良いでしょう。

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これらのように、様々な種類が存在するフラボノイドやカロテノイドの天然色素成分の一部は、目の健康成分としてその効果が明らかになっており、特にその中でも

アントシアニン・ルテイン・ゼアキサンチン

は、目の3大健康成分と言っても過言ではありません。

そして、これら3大健康成分を効率的に摂取するためには、アントシアニンならブルーベリーやナスなど、ルテインならケールやほうれん草など、そしてゼアキサンチンならパプリカやカボチャといった具合いに、こうした食材をまんべんなく摂取する必要があります。

ただし、これら食材は多岐に渡りますので、1食ですべての栄養素を摂ろうとなるとどうしても料理の品数が増え調理するだけでもたいへん・・・。もちろん、中長期で習慣化するという観点では、調理が大変になるほど続かなくなってしまいますので、

・昼食と夕食の2食で摂取するようにする
・3大栄養素のほか、ビタミンAを意識的に摂る
・抗酸化作用の高い栄養素を摂る

といった点を意識することが習慣化のポイントとなります。

アントシアニンやルテインの摂取に固執し過ぎてしまうと、どうしても摂る食材も偏りがちになってしまいますが、

ビタミンAは加齢に伴う視覚機能の低下リスクを軽減

する働きがあるほか、小さな子どもの視覚機能の発達に必要不可欠成な栄養素でもありますので、ご家族全員に役立つ栄養素でもあります。ビタミンAは、卵黄や乳製品に多く含まれており、比較的手軽に摂取できるので習慣化もしやすいでしょう。

また、抗酸化作用の高い栄養素の摂取については、黄斑変性など

中高年からリスクが高まる目の疾患の予防

につながります。
▼加齢性黄斑変性の詳細についてはこちら

もちろん抗酸化の効果はそれだけではななく、体の機能のすべての老化に対する老化防止にも役立ちますので、ビタミンCやビタミンEなどを多く含む食材のほか、赤ワインや緑茶などのポリフェノールを多く含む飲料もまた、高い抗酸化作用を発揮し、結果的に目の老化防止につながるのです。

このように、中高年以降に進行しやすい加齢を背景とした視覚機能の低下については、ルテインやアントシアニンの摂取だけでなく、

・これら栄養素の摂取を習慣化する
・抗酸化を意識した食生活を意識する

という点が重要なポイントとなります。

中高年以降の加齢対策においては、やはり「継続は力なり」であり、有効な栄養成分の摂取は短期的に効果が出るものではないという点を常に留意しておく必要があります。これを機に、カロテノイドをはじめとする多彩な栄養素とその効果を知り、習慣的にそれらを摂取できるような食生活を心掛けましょう。

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