食べ過ぎを防ぐ!そしゃく効果の大きなオススメ食材
時短や効率化の現代だからこそ見直す「そしゃく」の重要性
食事はよく噛んでゆっくり食べよう!
とは耳にしますが、みなさんは食事の際には噛む回数を気にしていますか?
現代社会においては、手軽に取れるファーストフードや、「とろ~り・なめらか」などの食感を味わえる加工食品の人気が高まり、するめなどの噛みごたえのある食品を口にする機会は減少傾向・・・、食事のたびに顎を動かし、積極的に噛み続ける頻度は、低下傾向にあることは言うまでもありません。
噛む=そしゃく(咀嚼)
皆さんも「そしゃく(咀嚼)」という言葉自体は聞いたことがあると思いますが、そしゃくとは、口に含んだ食べ物を細かく噛み砕くことであり、胃で消化しやすいよう形に変える役割があることはもちろん、健康を維持するためにも必要不可欠な行動なのです。
人間は、食べ物を噛むことによってその刺激が脳に伝わって唾液を分泌します。この唾液の役割には、胃腸での食べ物の消化吸収を促進するほか、唾液中に含まれる様々な物質により
・むし歯・歯周病予防
・体内への細菌侵入のブロック
などの働きがあるとされ、その他にも噛む行為によって
・脳を刺激して活性化させる
・ストレス解消や肥満防止
・強い顎をつくる
といった効果もあるのです。
そんな様々な効果が期待できる「そしゃく」のなかでも、今回特に注目したいのは、
食べ過ぎによる肥満の防止
人間は空腹になると食事を取ります。食事を取ることで血液に含まれる血糖値が上昇し、満腹中枢という脳の中枢神経が、食欲を抑制する指示を出すことで満腹感を得ることができますが、この満腹中枢は、
ゆっくり噛んで食べるほど刺激されやすくなる
ため、限られた食事の量でも満腹感を得やすく、結果的に食べ過ぎを抑えることができるのです。特に仕事や家事などで多忙な日々を送っている方は「早食い・ながら食い」になってしまう傾向にありますが、こうした食事の取り方は、そしゃくする回数が相対的に少なくなる傾向にあるため、
1度の食事の量が多くなってしまう傾向にあります。
そこで今回は、そしゃくと食べ過ぎについて焦点を当て、そしゃく不足による健康リスクと、噛むことを習慣化させる噛み応えのある食品の食べ方についてご紹介していきます。
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そしゃく不足は太りやすい?!そしゃくと健康リスクの相関性
上記でもご紹介したように、よく噛んで食べることで満腹中枢が刺激され、一定の食事量でも満腹感が得やすくなるというメリットをご紹介いたしましたが、次によく噛まないで食事を取ることのデメリットについてご紹介していきます。
≪そしゃく不足によるデメリット≫
・満腹感が得られにくく食事の量が増えやすい
・柔らかいものばかり好み偏食になりやすい
・胃に負担が掛かり上手に消化吸収ができない
・顎や歯、噛む力がが弱まってくる など
現代社会において、食事の時間が取れず、作業をしながらパンやおにぎりを食べたり、かけこむように食事を取ることは珍しいことではありませんが、こうした食事の取り方は、すぐに空腹になりやすかったり、食事を取ることの幸福感や満足感を得ることもできません。
その他にも、そしゃくによる唾液の分泌量も限られてしまうため、口腔内の各組織の代謝などの働きも限られてしまい、食べかすなどが残って細菌が繁殖し、虫歯になりやすくなったりする傾向もあります。
これらのように、そしゃく不足においては
1、太りやすくなる
2、栄養が偏りやすくなる
3、虫歯など口腔内環境の悪化
4、顎周辺の筋肉の衰え
5、胃腸の負担増
6、ストレス発散・解消不足
など、様々な健康リスクが高まり、多くのデメリットが内在しています。
日々の何気ない食事のなかで、そしゃく回数をあまり意識することはなく、その時は意識したとしてもすぐに忘れてしまうのが、この「噛む」ことの難しいところ。
「美味しいものほどよく噛んで味わいたい」と思う一方で、美味しいものほどたくさん食べたいというのも本音。特に現代社会においては、
・そしゃく不足による栄養の偏り、
・早食いによる血糖値の急上昇を背景とした肥満
食事と血糖値のお話は、過去記事「▼血糖値の上昇を抑える食事の摂り方で太りにくい体質を目指す」でもご紹介いたしましたが、その他にも慢性的な睡眠不足なども食欲が増す要因となりますので、特に仕事に追われる30代後半や40代男性などは、日常生活全体を見直すことで
食事に掛けられる時間を増やす
ことで、自然とそしゃく回数が増え、食事による満足感が得られることでストレス解消につながり、肥満や糖尿病などの抑制につながると考えた方が良いでしょう。
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そしゃく効果の大きな食材で「よく噛むこと」を習慣化しよう!
ここまで見てきたとおり、「よく噛むこと」は健康においてとても重要であることは理解いただけたと思いますが、実際にそれを習慣化して継続するとは意外と難しく、気付けば「あまり噛まないで飲み込んでしまった」ということも往々にあります。
一般的には「ひとくちあたり約30回、一食あたり1500回」のそしゃくを目標に、よく噛んでゆっくり食べることがベストと言われますが、こうした回数を食事中に意識し続け、そして実際にそれを何年と続けていくのはとても困難なこと。ここで重要なのは、
無意識に噛み続けられる食事と時間を設ける
ことで、自然とそしゃく頻度が高まり、またその時間を取ることで食事のペースも緩やかになり、心にも余裕が生まれてストレス解消にもつながるのです。よって、食べ物はそしゃく効果が期待できる
噛み応えのあるものをチョイスするのがポイント
しっかりと噛まなければ飲み込めない食べ物を選ぶことで、自然と噛む回数は増えていきますので、回数を意識することなくそしゃく回数が増える食品をいくつかご紹介していきます
≪噛み応えのある食べ物≫
●硬さのある食品
ナッツ類、リンゴ、ゴボウ、スルメ、フランスパンなど
●食物繊維の多い食品
ごぼう、たけのこ、切り干し大根、野菜など
●弾力性のある食品
干しシイタケ、こんにゃく、イカ、タコ、こんにゃくなど
例えば、朝食にパンを食べている場合には、食パンをフランスパンに置き換えるなど、いつも食べているものを噛み応えのあるものに置き換えてみましょう。また、ちょっと小腹が空いた時なども、ビーフジャーキーのような噛み応えのある食べ物なら、少量で満腹感が得られるため、摂取カロリーの抑制にも効率的です。
なお、そしゃく回数を増やすためには、下記のポイントも意識しましょう。
≪食材を大きく切る≫
食材を大きめに切ったり、形を不揃いにすると、噛む回数は自然と増えます。
カレーや煮物の野菜などは、あえて大きく切るようにしましょう。
≪味付けは薄めに≫
薄い味付けの場合、その味をもっと知ろうと脳が噛むように指示を出します。
よく噛んで、じっくり味わえるような薄めの味付けを意識しましょう。
≪飲み物は、食べ物と一緒に飲まない≫
食べ物が口のなかにある間は、スープや飲み物などを一緒に飲まないよう心掛けましょう。唾液の分泌が抑制されるだけでなく、そしゃく不足で胃の負担が大きくなります。
いかがでしたでしょうか。
よく噛むことは、食べ過ぎを防ぐだけでなく、身体全体の健康リスクの低減・改善にもつながると言っても過言ではないくらい大切なことなのです。
ゆっくりと食事を楽しむ習慣を、ぜひ身につけていきましょう。