コロナ禍における衛生概念の温度差と人間関係
新生活様式における新たな意識「衛生概念」
2020年初頭から世界的に猛威を振るった新型コロナウィルス。
日本国内においても生活面・経済面など、多くの人の日常生活に変化をもたらせました。
そんな未曾有の事態は、執筆時点の今なお継続している状況であり、三蜜回避のためのソーシャルディスタンスやリモートワーク、マスク着用や手指消毒、不要不急の外出自粛など、感染拡大防止に向けたできる限りの対策を講じ、徐々に「withコロナ」における新たな生活様式が確立されつつあります。
ところが一方で、新しい生活様式への意識へ切り替わると同時に
衛生概念における認識のズレ
という部分も顕著化しつつあり、メディアでも頻繁に報道されているマスク着用強要問題のほか、ご家庭内においてもその認識の違いによる家族間の不和という部分がクローズアップされつつあります。
・仕事での外出が多い夫への感染リスクが非常に気になる
・ちょっとした外出でも手洗い・うがいを強要される
・家の中でのマスク着用の強要や家族間の会話がなくなった
・在宅勤務で夫婦共にプライベートの時間がなくなった など
現代社会においては、様々な家庭環境、多彩な生活スタイルがありますが、コロナ禍による日常生活の変化によって、これまで当たり前のように過ごしてきた日常が抑制されたり、急激な変化に気持ちが追い付かなかったり、、
これまで気にすることもなかったことがストレス要因に
なったりと、心に余裕がなくなってきているのも事実です。
そこで今回は、健康面でも大きなリスクとなり得るストレスに焦点を当て、足元のコロナ禍における家族間の衛生概念の違いによるストレスや、ストレスから来る様々な肉体的・環境的な悪影響などについて考察してみたいと思います。
在宅勤務が増えて自由な時間がなくなった
という妻もいれば
家にいる時間が増えて妻の小言を毎日聞かされるのが苦痛
という夫もおり、ぎくしゃくした夫婦関係やご家庭の雰囲気を改善したいと悩む方が増えてきております。そんな状況を踏まえ、この状況をいかに健康的に改善していき、ストレスを軽減できるかを一緒に考えていきましょう。
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衛生概念の違いが生む家庭内での不和とストレス
上記でも触れましたように、全国的な緊急事態宣言の発令などで不要な外出機会が減り、家族間でも顔を合わせる機会や時間が増えてきている傾向にあります。これまで、夫婦ともにプライベートな時間は確保できていたもののコロナ禍によってそれが失われ、ストレスの発散機械を失った・・・、さらにそれがストレス過多の要因となり
夫や妻の行動一つひとつがイライラする
という状況に陥ってしまうことも決して珍しいことではありません。
特に衛生概念という観点では、個人差こそありますが夫婦共に共通認識を持つというケースは珍しく、認識のズレから不和に至りやすいのも事実です。例えば
・仕事帰りに飲んで来るなら外泊してきて欲しい
・子供への感染リスクがあるので手洗い、うがいは徹底して欲しい
・家族同士での会話はもちろん、料理のシェアなどもしたくない・・・
男女問わず、神経質な性格の方もいれば、大雑把な性格の方もおりますので、特に健康面での影響が懸念される感染症対策においては、さらにその認識の違いが大きく出てしまう傾向にあります。そうした認識のズレがストレスに直結し、イライラの頻度が高まることで、家族間の不和のほか、
体調不良や情緒不安定などにつながりやすくなる
のです。
ちょっと頭が痛かったり、疲れが抜けずにダルいといったことは日常的にはあっても不思議ではありませんが、こうした状態を家族に話しただけで
「感染したんじゃないの?」
「マスクなしで会話したくない」
という心理が働きやすいのも事実。
だからといって、本当に感染しているかもしれないリスクを考えれば隠しておくのも得策ではありません。こうした状況を招かないためにも、日ごろから健康意識を高めておくことはもちろん、衛生概念での不和が生じないよう、
家庭内では手洗いなどの除菌ルールを決めておく
ということも必要なのではないでしょうか。
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ストレスコーピングによるストレスの向き合い方も考えよう!
過去記事でも多数ご紹介しているように、特に中高年からのストレスにおいては、健康リスクを高める大きな要因でもあり、性格的な部分も大きいものの、ストレスを溜め込むことで、様々な身体の変調を来たす原因となることは言うまでもありません。
・仕事や対人関係でのストレス
・家事・育児に対するストレス
・疲れや睡眠不足など肉体的なストレス など
人は気付かないうちに様々なストレスにさらされていることは説明の余地がありませんが、足元の新たな生活様式においても、体や認識が慣れるまでは相当にストレスとなることは間違いなく、そしてそのストレスを発散・解消できる行動も、現状はある程度抑制されてしまっております。
・ストレス解消のための旅行や外食
・ストレス解消のためのショッピング
・ストレス解消のためのエステやヨガ など
足元のコロナ禍においては、存分にストレス解消ができていないという方が多いかもしれません。
こうしたストレスに対する
解消行動や能力をストレスコーピング
と言い、ストレスコーピングには、ストレスの元となっている要素を解消する問題焦点型と、感情をコントロールしてストレスを軽減する情動焦点型に分類されます。
現状では、ストレスの元凶となっている原因を解消することは難しいため、後者の感情コントロールを中心とし、
ストレスと向き合った生活
を余儀なくされる傾向にあるため、ストレス解消のための新たな行動や方法を見出す必要もあるのです。「withコロナ」と合わせて「withストレス」ということも考えていかなければならない状況と言っても過言ではありません。
対面による人と人との接触が避けられるようになり、非効率な会議や酒席の付き合いなどが減った一方で、新たなストレス要因が意識されるようになってきた現状において、
いかにストレスを解消し軽減できるか?
という能力が重要になってきています。
家庭内での衛生概念はもちろん、ご家族間における対人関係においても、これまでとは違ったストレスにさらされているという認識を常に持って、そのストレス解消・軽減のための能力を高められるよう心掛ける必要があることを覚えておきましょう。