頻尿で熟睡できない?!朝までトイレに行かずに眠るには
冗談交じりに言われることの多い中高年の「頻尿」問題
就寝中にトイレで目が覚めてしまうことは誰でも経験があると思います。
特に中高年以降はその頻度も高くなる傾向にあり、多い時には2度も3度も目が覚めてしまい、尿意を催すことで熟睡できない・・・というケースも珍しくありません。
一般的に言われる「トイレが近い」という状態は、
・一日に何度も排尿する方
・排尿の回数が多いと自覚している方
などが冗談交じりに「自分は頻尿だ~」という程度の認識かもしれませんし、実際に排尿の回数を他人と比較することはないと思いますが、一般社団法人 日本泌尿器科学会によると、
朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿(昼間頻尿)
※出典:日本泌尿器科学会
https://www.urol.or.jp/public/symptom/02.html
と定義しており、意外と当てはまる方は多いのかもしれません。
ただし、排尿においては
・水分を多く摂っている
・利尿作用の高いお酒やコーヒーを頻繁に飲む
・寒い冬などでの屋外作業
といった日常生活にも影響を受けますので、8回以上の排尿があったとしても、必ずしも頻尿に当てはまるという訳でもないかもしれません。ただ、実際にトイレが近いと自覚している方の多くは、就寝中にも尿意で目が覚めてしまうことが多い傾向にあり、
良質な睡眠を取る妨げになっているのも事実
そこで今回は、頻尿と睡眠に焦点を当て、夜中にトイレで目が覚めてしまう人向けの心掛けと対策、そして良質な睡眠が取るための環境作りについてご紹介していきます。
頻尿は代表的な加齢による老化現象のひとつではありますが、前立腺肥大や排尿障害など、何らかの疾患である場合も少なくありません。水分の摂り過ぎなどと安易に判断せず、頻尿に関する正しい知識を身につけ、そして日常的に手軽にできる予防法などもご紹介していきます。
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上記でもご紹介したように、頻尿においては具体的な定義こそあるものの、生活環境などに左右されやすく、自身での判断が難しい傾向にあります。また、上記では「頻尿は老化現象のひとつ」とご紹介しましたが、就寝中に尿意を催す頻度が高くなるのも典型的な症状のひとつで
40歳以上の男女約4,500万人が夜間1回以上排尿のために起きている
※出典:日本泌尿器科学会
https://www.urol.or.jp/public/symptom/03.html
のが現実。
夜間に排尿のために目が覚めることを夜間頻尿と言い、多くの中高年の方が尿意で睡眠が妨げられている実態があります。冒頭でご紹介したように、頻尿の原因においてはたまたま水分を摂り過ぎたり、お酒を飲んだりといった一過性の要因のほか
・緊張や不安といった心因性のもの
・膀胱炎や尿道炎といった疾患
・糖尿病などの内分泌疾患
などが挙げられ、心因性のものは寝てしまえば緊張もほぐれるので夜間頻尿はみられませんが、それ以外は言うまでもなく専門医での受診が必要になります。また、夜間頻尿によって十分な睡眠が得られなかったり、熟睡することができないストレス状態が続くと、過去記事「▼一番寝れない年代は40代?ストレスと睡眠時間の関連性」などでもご紹介しているように、
注意力や集中力低下など日常生活においても支障を来たす
恐れももあるのです。
一般的に加齢を背景とした夜間頻尿においては、老化によって膀胱自体の弾力性失われたり機能が低下することで、
膀胱に溜められる尿の量が減少する
ことから、シミやシワが増えるのと同じく避けることが難しい老化現象ではありますが、日常生活のなかで取れる予防法や対策がないわけではありません。
特に夜間頻尿は、頻尿の症状と同時に良質な睡眠が妨げられることも高い健康リスクとなりますので、朝までグッスリと眠るための対策をしっかりと講じることが大切なのです。
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朝までトイレに目覚めることがない自身でできる頻尿対策
これまでにご紹介してきたように、俗に言う「トイレが近い」要因については主に
1、水分の摂り過ぎなど生活的要素
2、不安やストレスなど心理的な要素
3、加齢による泌尿器の機能低下 など
こうした要素によって影響を受けていることを取り上げてきましたが、個人で取れる対策や予防法という観点では、1番の生活的要素を心掛けることが一番の対策になることは言うまでもありませんので、夜間頻尿を防ぐべく手軽にできる対策について幾つかご紹介していきます。
≪利尿作用の高い飲物や食べ物を避ける≫
利尿作用とは、排尿を促進するという意味で、カフェインが入ったコーヒーや緑茶のほか、ビールなどのアルコール類は利尿作用が高く、就寝前の飲酒などは夜間頻尿の大きな要因となります。その他、玉露やトマトジュース、食品ではカリウムを多く含む長芋やキュウリなども利尿作用が高い食材として知られています。
≪就寝前の入浴で心と体をリラックスさせる≫
就寝前の入浴は、体を温めることはもちろん、心を穏やかにリラックスさせるという心因的な要素もあります。夜間頻尿は、緊張や不安といった心因的な部分も大きな要因となりうるので、入浴によってその日の疲れやストレスを解放し、「またトイレに起きてしまうかも」といった余計なことは考えずに布団に入るようにしましょう
≪暖かで快適な就寝環境を整える≫
夜間頻尿における外部的な要因としては、寒くて目が覚める、目が覚めたついでにトイレに行く、というパターンも少なくありません。また、加齢と共に眠りが浅くなる傾向にありますので、寒さなどで目が覚めやすくなるのも事実。寝室の温度が一定に保たれるようエアコンをセットしたり、温かな羽毛布団などを活用して就寝環境を整えましょう。
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≪女性においては骨盤底筋の筋力低下を抑える≫
筋力が弱い女性においては、妊娠や出産、そして加齢によって排尿・排便をコントロールする骨盤底筋の働きが衰え、尿もれが起こりやすくなる傾向にあります。骨盤底筋を鍛えることで、尿道を締める筋肉の筋力アップにつながるほか、尿意を感じても我慢することで、膀胱に溜められる尿の量を増やすトレーニングも効果的です。
いかがでしたでしょうか?
加齢による頻尿は避けにくい部分ではありますが、それに合わせて生活スタイルや食生活を見直すことで、夜間頻尿を軽減することは可能なのです。
まずは、利尿作用の高い食べ物、飲み物を避け、入浴によって体を温め、そして快適な寝具といった就寝環境を整備して、最大限リラックスして寝れることを心掛けてみましょう。