強い眠気で仕事がはかどらない!妊娠症状と仕事の付き合い方
ちゃんと寝ているのになぜ?妊娠中の強い眠気のメカニズム
人間の三大欲求のひとつ「睡眠欲」。
歳を重ねると「寝るのも疲れる」とは言うものの、やはり現代社会においては慢性的な睡眠不足を自覚している人が多く、この睡眠負債問題については、勤勉な日本人気質ならではの課題なのかもしれません。
それはさておき、日常生活においては常に睡魔との闘いと言っても過言ではなく、学生さんなら授業中、社会人なら仕事中、専業主婦の方でもちょっと一息ついたら睡魔に見舞われた・・・なんてことは日常茶飯事。
ただし、過去記事「10分で回復!?短時間の仮眠で作業効率をアップしよう」でもご紹介したように、ちょっと仮眠を取るだけで脳の働きが活発化するため、15分~30分程度の仮眠で眠気を解消できるのであれば、
積極的に昼寝を取った方が効率的
なのはご承知のとおりです。
でも、夜もしっかり寝ていて、昼寝も取っているのにどうも脳がサッパリしない。寝ても寝ても眠い・・・なんて経験はありませんでしょうか?特に女性は「生理時に眠くなる」ということを男性も聞いたことがあるかもしれませんが、生理以外にも
妊娠初期の女性に多く見られる生理現象
であり、その背景には妊娠によるホルモンバランスの変化が要因として挙げられるのです。
妊娠初期くらいだと、まだ普通に仕事を続けている女性も多く、妊娠していることも周りの人にはあまり知られていない状況かもしれません。そんな妊娠初期に訪れる身体の変調のひとつ「眠気」。個人差こそあれど、一度や二度は経験があるという女性も多いはずです。
職場であくびばかりしていると不真面目だと捉えられてしまうかもしれませんが、本人は決して不規則な生活をしているわけではありません。生理中もそうですが、妊娠中は強い眠気に見舞われやすいということを妊婦本人はもちろん、こうした身体の変化が起こるということを
周りの人も知っておく必要があるのです!
そこで今回は、主に妊娠初期の身体の変調のひとつである「強い眠気」についてフォーカスし、その眠気が起きるメカニズムと、強い眠気に見舞われた際の対処法についてご紹介していきます。
外見上の見た目にあまり変化がなかったとしても、新しい大切な命を抱えている大事な時期。身体に無理をさせたり、ストレスを溜め込むのは胎児にとっても良いことではありませんので、眠気と言えど、しっかりとその知識を身につけ、自身の身体も職場も上手に対処できるようにしましょう。
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妊娠中に多く分泌されるプロゲステロンの働きを知ろう!
初めての妊娠ともなると、自身の身体にどのような変化が訪れるのか?、身体の変調に上手く対処できるのか?など、色々と不安になることが多くあります。近年では、インターネットによって様々な情報が共有されていますので、その不安を和らげるひとつの要因にはなっておりますが、実際に身体の変調を目の当たりにすると、
気持ち的に不安になったり不安定になったり
してしまうのが初産ならでは心理的要素。
つまり、どうしてそのような変調が起きるのかを知っておくだけで、不安な気分や精神的に不安定になってしまうことを多少なりとも避けられるのです。
冒頭でも触れましたように、妊娠初期に多い身体の変調のひとつである「強い眠気」。
個人差こそありますが、多くの妊婦さんで「やたらと眠い」ということを体験していると思います。妊娠初期の主な身体の変調については
・いつもの生理とは違った感じ
・胸に張りや痛みを感じる
・食欲がない~食欲があり過ぎる
・ニオイに敏感になる
・やたらと眠い~だるい
・イライラしやすい~情緒不安定
などが挙げられますが、特に眠気においては
女性ホルモンのひとつプロゲステロンの分泌が増える
ことが眠気の要因とされています。
このプロゲステロンというホルモンは
眠気を誘う効果もあり
このプロゲステロンの分泌量が増えることで、体温を上昇させて妊娠を継続させようとする女性ならではの本能が働くのです。女性ホルモンにおいては、エストロゲンとプロゲステロンの二つがあることは皆さんもご存じのとおりですが、それぞれの役割については
・エストロゲンは妊娠の準備
・プロゲステロンは妊娠の維持
という働きをそれぞれ持っており、生理中もまたこのプロゲステロン増えることによって強い眠気に見舞われたり、食欲が旺盛になったり、身体がむくみやすくなったりと、様々な身体の変調が見られるようになります。ここだけ話を聞くと、
プロゲステロンが増えるとデメリットが多い
ように聞こえますが、プロゲステロンが増えるのは当然理由があり、上述した妊娠の成立・維持という観点では、基礎体温を上げて受精卵が着床しやすいようにしたり、妊娠後は乳腺を発達させたりと、様々な役割を担っているホルモンだということを覚えておくようにしましょう。
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眠気はいつまで続く?寝れない状況での対処法
でも、実際にそんなに頻繁に強い眠気に見舞われていたら、日常生活に支障を来たしそう・・・
妊娠初期の眠気が、ホルモンバランスの変化によるものだと知ることで、多少の不安は解消されるかもしれませんが、実生活における日中の眠気はできることなら避けたいところ。
この眠気はいつ頃まで続くの?
という点も含め、知識として身につけておく必要があります。
実際に、眠気の有無については、個人差が大きな部分でもありますので、一概にいつまで続くかを判断することは難しいのですが、一般的には、
妊娠初期から中期に掛けて徐々に落ち着き
中期から後期に掛けて再び眠気が強まる
というケースが多いようで、プロゲステロンの働きは妊娠後期まで続くことが多いようです。もちろん、既に産休中ということであれば、寝れる時に寝ておくということも必要なので、無理にこの眠気に抗うこともないのですが、
寝てばかりだと運動不足になってしまう
ので、無理のない範囲で家事を行ったり、散歩をしたりと身体を動かすことを心掛ける必要があります。一方、出産ギリギリまで仕事をする妊婦さんも増えつつあり、特にデスクワークにおいて眠気は大敵。眠気は仕事でのミスを招きますし、周りの目も厳しくなってくるでしょう。
そんな時にオススメしたいのが糖分補給
ガムを噛んだり、飴を舐めたり、チョコレートを食べたりと、脳に栄養を補給する糖分を撮ることで脳の働きを活性化させることができます。また、可能であれば外の空気を吸ったり、軽く散歩してみるのも眠気解消には効果的。眠気解消の代表格と言えばコーヒーですが、ご存じのとおり
カフェインの過剰摂取は胎児の健康に悪影響を及ぼす可能性
があるため、お茶も含めてカフェインの摂取には十分に留意したいところ。
また、妊娠初期などは食欲も旺盛となりますので、眠気を解消したいがままにおやつなどを食べ過ぎてしまうと、あっという間に太ってしまい産婦人科の定期健診で、先生に怒られてしまことも・・・、仕事中にどうしても眠気が取れないということであれば、
トイレでこっそり5分程度仮眠する
というツワモノ先輩ママもたくさんいますので、自身でも試してみると良いでしょう(笑)
いかがでしたでしょうか?
妊娠中の強い眠気は、生理のときと同じように女性ホルモンのひとつプロゲステロンの働きによるもので、自身の妊娠状態を維持するための生理現象のひとつなのです。無理にその眠気に抗うより、仮眠を取ったり、散歩をするなどして、その眠気と上手に付き合っていくことを心掛けましょう!