ドライアイにも効果的?目にうるおいを与えるアントシアニンとヒアルロン酸の働き
目の健康成分アントシアニンとヒアルロン酸の主な働き
目のピント調整機能をサポートすることで知られる「アントシアニン」。
ルテインと並び、代表的な目の健康成分として幅広く活用されていることは、当「Re:コラム」でもご紹介してきたとおり。人間の目のピント調整は、目の中にある水晶体の厚みを変えること、その厚みを変える役割を担うのが毛様体筋、これらが何かしらの理由によって
・水晶体の柔軟性が低下して厚みが変わりにくい
・毛様体筋の緊張や筋肉疲労で機能が低下する
こうしたプロセスを経てピントが合いにくくなり、目が疲労してくるというメカニズムは、過去記事「▼目に良いとされる成分・アントシアニンとルテインの違いは?」でもご紹介してきたとおりです。
視覚機能の疲労症状においては、疲れ目や眼精疲労、ドライアイなど様々な種類があり、多くの方が「目の疲れ」や「老眼」で、一括りに捉えてしまう傾向にありますが、
目の酷使による機能低下と加齢による柔軟性低下は全く別物
またドライアイにおいては、目の酷使に起因するものではありますが、その原因はコンタクトレンズの長時間着用やエアコンによる乾燥、心身のストレスなどが挙げられますので、疲れ目や眼精疲労とは、若干要因が異なる部分かもしれません。
「目が疲れたな~」と感じた際には、まずは
自身の目が今どのような状態なのか?!
を把握することが重要で、例えばパソコンの長時間使用によってピント調整機能が疲労している状況で、目の水分補給の点眼薬を用いても十分な効果が得られないことは言うまでもなく、その逆も然りです(全く効果がない訳ではありませんが・・・)。
そこで今回は、目の健康成分アントシアニンとドライアイ時に処方されることの多いヒアルロン酸の両成分の役割にフォーカスし、
そもそもの役割の違いと症状にあった使用方法
についてご紹介していきます。
単に「目の疲れ」と言っても、比較的軽度な疲れ目から、疲れ目が重症化した眼精疲労、ドライアイによる角膜の損傷など、様々な要因が潜んでおり、それら症状に合わせた的確な対応が必要であることは言うまでもありません。この記事で目の疲労に対する知識を深め、いつまでも健康的な視覚機能を維持できるよう心がけましょう。
至近距離の長時間凝視の解消と眼球表面の保湿がポイント
視覚機能の疲労においては、疲れ目もドライアイも同じような症状が出ることで、その判断が難しいのが実情です。主な症状としては
・目が疲れる
・目が乾燥する
・目がシバシバ・ゴロゴロする
・目が充血する
といった具合に、疲れ目もドライアイもある程度症状が共通するため、多くの方が「目が疲れている」で片づけてしまうのが実情です。疲れ目においては、上述のとおり目の酷使によってピント機能が低下することで、より周辺組織を酷使することで疲れ目に至るわけですので、基本的にはパソコン操作や細かな作業など
至近距離の長時間凝視をやめて目を休ませる
ことが重要です。
目を休ませるとは、1分間目を閉じるとか、ホットタオルなどで毛様体筋の緊張を和らげるなどが効果的で、目の健康成分アントシアニンもこうした症状のサポートになります。ちなみに、疲れ目が重症化すると眼精疲労に至るわけですが、疲れ目が休めば改善するのに対し、眼精疲労は休んでも改善せず
目以外の不調や症状が継続的に現れる
のが特徴です。
一方のドライアイですが、その名称の影響もありますが
「目が乾く・涙が少ない・出ない」といった症状だけではなく
眼球を覆う涙(涙液膜)が一定でなくなったり、涙の表面がデコボコになってしまう状態を指し、その影響で目がゴロゴロしたり、瞬きすると痛みを感じたり、光がまぶしく感じたり、目が疲れやすくなったりする症状を指します。
ドライアイの詳細については過去記事「▼ドライアイとただの乾燥は違うの?症状を知って正しいアイケアを行おう」も参照していただきたいところですが、ドライアイの状態になる主な原因には
・加齢
・コンタクトレンズの着用
・モニター画面の長時間凝視
・乾燥などの生活環境
・喫煙習慣やストレス
などが挙げられ、こちらは主に生活習慣に関連した要因が大きいのが特徴です。
日常的にコンタクトレンズを使用している方ならお分かりになるかと思いますが、コンタクトを長時間利用していると、目の水分が吸い上げられて目に張り付いてしまいます。つまり
涙液膜が崩れて乾燥しやすくなる
のがドライアイの典型的症状。
そのほかにも、目の酷使による瞬き回数の減少、ストレスによる自律神経の乱れ、エアコンによる空気乾燥などが挙げられますので、目の表面を乾燥させないよう涙の表面を覆う油層を補うヒアルロン酸点眼薬が用いられることが多いのです。なお、ヒアルロン酸点眼薬は、眼球表面の保湿の役割を担い
涙量そのものを増やす効果はありません
ので、基本的には目の定期的な休息が重要だということを覚えておきましょう。
ドライアイに関する人気記事
ストレスも原因?!ドライアイにならない生活習慣の心得
これらのように、疲れ目や眼精疲労とドライアイは一定の相関性があり、
眼精疲労の方の多くはドライアイの症状もみられる
というのが実態です。
特にストレスにおいては、自律神経が乱れてドライアイの要因になりやすく、涙は副交感神経が優位な時に分泌が促進されますが、ストレスや緊張によって
交感神経が優位な時間が長いほど涙の分泌が抑制
されてドライアイになりやすくなってしまう傾向にあります。
つまり、目の疲れによってピントが合わなくなることで知らず知らずにストレスを感じ、そのストレスによって涙の分泌がより抑制されてしまうため、目の疲労もまた間接的にドライアイの要因となりうるのです。こうしてみると
ストレスって本当に厄介・・・
というのが本音で、ストレス社会とも言われる現代においては、いかにストレスを感じさせないか、いかにストレスを解消させるかが健康維持のカギと言っても過言ではありません。ただ、そのストレス解消法のひとつとしての飲酒・喫煙あったりもしますので、そのバランスが非常に難しいところではありますが、目の健康維持における重要なポイントとしては
・パソコンやスマホは30~40cm以上離す。
・時折休憩を挟み、目を温めて緊張をほぐす。
・コンタクトレンズより眼鏡を使用する。
・度の合わないコンタクトや眼鏡は使用しない。
・ルテインやアントシアニンを意識的に摂る。
・部屋の湿度を60%以上に保つ。
・遠くの山の景色を眺めてストレス発散する。
といったことを意識した生活習慣を心がけると良いでしょう。
ストレスの感じ方は個人差が大きいところではありますが、疲れ目が進行して眼精疲労に至ると、頭痛やめまい、吐き気、肩こり、倦怠感など目以外にも様々な不調を来してしまいます。ドライアイもまた、目が疲れやすくなったりモノが見えにくくなったりと、
生活の質を下げてしまう
決して軽視できない疾患です。
疲れ目とドライアイの症状の違いを理解し、そしてアントシアニンとヒアルロン酸のそれぞれの役割を把握することで、日常生活に上手に取り入れていくことが目の健康維持の秘訣とも言えます。「たかが疲れ目・されど疲れ目」の意識を高め、いつまでも健康的な視覚を維持できるよう、生活習慣から見直してみると良いでしょう!