ルテインで視力回復する?視力低下の原理と遮光効果について

視力低下の原理と遮光効果について

視力低下に「ルテイン」は効果的?視力が低下する原理を知ろう

人にとっての「目」はモノを見る唯一の器官。
人は目でモノを見てそれが何かを識別していることは改めて説明の余地はありませんが、目も他の器官と同様、過度の負担や疾病、加齢などにより「モノを見る」という機能そのものが低下したり、失われてしまうリスクがあることは、あまり意識されない傾向にあります。

そんな「モノを見る」という機能のバロメーターとなるのが視力であり、視力の定義としては

目でモノを見た時に、その物体が何かを識別できる能力

とされており、一般的には「C」のマークのランドルト環を用いた視力測定の数値1.0や1.5などで示されますが、それ以外にも近視や遠視といった度数という概念もあり、

視力が良ければ必ずしも遠近ともに視界良好という訳ではない

という点は、覚えておく必要があります。

なお、近視や遠視、乱視などの屈折異常の説明については割愛しますが、人が目でモノを見る原理についてはカメラの構造とほぼ同じで、眼球から入った情報を角膜と水晶体でピントを合わせたうえで網膜に映し込み、その映し込んだ映像が視神経を通じて大脳に伝達されることでモノを認識することができます。カメラに例えると

目で撮影した映像を脳で現像している

わけですが、モノが見えにくくなる、視力が低下するという症状は、目で撮影した映像がぼやけていたり、レンズそのものが曇っていたり、もしくは脳に伝達する視神経に何かしらの問題が生じていたりと、以下のように様々な要因が内在しているのです。

【目の組織とカメラ部品の比較例】
・レンズ(角膜や水晶体)が曇っている
・ピントが合わず(水晶体の調整力)映像がぼやけている
・イメージセンサー(網膜)不良で映像データが出力できない

このように、モノの見えにくさ・視力低下のメカニズムは概ね把握できたのではないかと思いますが、近年ではそうした視覚機能の低下の抑制に役立つ目の健康成分、アントシアニンやルテインなどの天然色素成分に注目が集まっています。今回の記事では、そんな注目の成分

ルテインの摂取で低下した視力が回復するか?

といった内容を主なテーマに、ルテインの役割や習慣的に摂取することで得られる効果やメリットなどを詳しくご紹介していきます。上記でもご紹介したように、単に視覚機能と言っても目の組織それぞれで役割が異なり、アントシアニンやルテインといった

目の健康成分が与える影響範囲もそれぞれ

となりますので、各成分がどのような組織に、どのような働きを促すのかをしっかりと理解する必要があります。早速ですが、ルテインの働きと効果について見ていきましょう。

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ルテインの役割は有害な光から水晶体を守る遮光効果と抗酸化作用

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早速ですがルテインの働きについて見ていきましょう。

ルテインの体内での役割については、過去記事「▼目のピント調整をサポートするルテインの役割と眼精疲労の関連性」でも触れておりますが、ルテインは主に目の水晶体と黄斑部に存在しており、これら組織に対して

紫外線やブルーライトなど有害な光をフィルター

しています。

また、フィルター機能だけでなく高い抗酸化作用を持つため、

水晶体や黄斑部を酸化ダメージからも守っている

のが主な役割になります。

カメラで言うレンズの機能を担う水晶体が酸化ダメージを受けると、水晶体の柔軟性が失われて目のピント調整力の低下につながったり、白濁化して白内障の原因になったりと、

特に老眼が始まる40~50代からは無視できない目の疾患

につながる可能性があります。

また、黄斑部とは目の角膜の中心にある組織で、上述のとおり目から入った情報を脳に送る重要な組織のひとつではありますが、黄斑部も紫外線などで酸化ダメージを受けることで、視野の中心が見えにくくなる加齢黄斑変性などの疾患の原因となります。

上記のとおり、ルテインの主な役割は

・水晶体や黄斑部を有害な光から保護
・水晶体や黄斑部に対する酸化抑制

となり、同じ目の健康成分であるアントシアニンとは働きが異なります。

加齢黄斑変性の詳細については、「▼ルテインに予防効果!目の老化「加齢黄斑変性」の基礎知識」も合わせてご覧いただければと思いますが、中高年に起こりやすい目の疾患においては

緑内障についで加齢性黄斑変性が多く見られる

ため、視力低下どころか失明リスクすらありますので、日常的にルテインを摂取することはもちろん、日ごろからUVカットのサングラスをかけたり、モニター類にブルーライトカットのフィルターを付けるなど、紫外線やブルーライト対策を心掛けることが肝要です。ちなみに、

水晶体はなぜ年齢と共に濁ってくるのか?

という点については、水晶体の主成分であるたんぱく質、

・α-クリスタリン
・β-クリスタリン
・γ-クリスタリン

が、それぞれ相互に正しい構造を取ることによって透明性を維持していますが、加齢による酸化、紫外線など外部からのストレスによる酸化などによってその構造が崩れ、水晶体の白濁化を引き起こします。

基本的には酸化の蓄積によるもので、80歳以上にもなると誰しもが白内障を発症しますので、避けることができない加齢症状のひとつでもあるのです。

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今回の記事における本題でもある

「ルテインの摂取で視力は回復するか?」

という点においては、これまでご紹介してきたように、ルテイン自体はピント調整機能を高めて、視力そのものを改善させるような働きではありません。また、ルテインにせよアントシアニンにせよ、栄養素のひとつであって医薬品ではありませんので、

回復効果を期待するものではありません。

ルテインは、元々水晶体や黄斑部といった体内に存在する成分でありますが、

・自身の体内で生成ができない
・加齢、紫外線、喫煙などにより減少していく

ことから、言うまでもなく日々の食事から継続的に摂取するしか方法がありません。

ルテインの効率的な摂取方法については、「▼ルテインの王様「小松菜・ほうれん草」を使った習慣化野菜レシピ」でご紹介しているとおりですが、上記のとおり「視力回復目的でルテインを摂ろう!」という間違った認識で始めてしまうと

効果の実感が沸かずに継続が難しくなる

という結果に陥ってしまいます。

白内障の多くが自覚症状のないまま進行するように、ルテインの摂取もまた抗酸化効果という実感の沸きにくい効果を高めるものでありますので、決して目先的な実感を求めるのではなく、あくまで長期的な観点でルテイン摂取の習慣化を心掛けなければなりません。

ルテイン摂取の習慣化のポイントとしては

1、ほうれん草や小松菜など緑黄色野菜を中心に摂る
2、加熱しても成分は失われないため鍋やお吸い物も◎
3、脂肪と一緒に吸収される性質を持つため炒め物に最適

ルテインを最も多く含むケールは、独特の苦みや調理の幅も狭く、手に入りにくい点なども考慮すると、やはりほうれん草が最も身近な食材であり、調理の幅も広く、飽きずに日々摂取できます。冷凍食品のほうれん草でもルテインは摂取できますので、これらをフルに活用して、ルテイン摂取の習慣化を身に付けるようにしましょう。

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