ストレス起因の頻尿「心因性頻尿」の原因とその対策

老化だけが原因とは限らない~心因性頻尿の原因とメカニズム

老化だけが原因とは限らない~心因性頻尿の原因とメカニズム

中高年における体の変化と悩みのひとつとして挙げられる「頻尿」。
当Reコラムでも様々な頻尿トピックを取り上げてきましたが、今回ご紹介するのが心理的要因からくる頻尿「心因性頻尿」についてご紹介していきます。

心因性頻尿については「神経性頻尿」とも呼ばれ、過去記事「▼尿漏れはなぜ起こる?尿漏れのメカニズムとその原因」でも紹介しております中高年に多い加齢性の頻尿とは異なり、

精神的・心因的原因で起こる頻尿

日常生活においても、トイレに行けない・行き辛い状況は多々あり、例えば

・長時間の会議・商談中
・映画館の上映中
・新幹線や飛行機での窓側席

などなど、トイレに行くのが困難と思えば思うほど、尿意が我慢できなくなってくるのが特徴です。もちろん、この心因性頻尿は40~50代以上の中高年に限らず、

すべての世代において罹患する可能性があり

相対的に若い世代の女性に多い傾向にあります。
加齢による頻尿においては、膀胱をはじめとする泌尿器組織の柔軟性の低下や、尿道を締めて排泄をコントロールする骨盤底筋群の衰えなどが原因として挙げあれますが、心因性頻尿の直接原因においては

不安や悩みといったストレス起因

となるため、心理的な緊張や不安がある限りは「頻尿状態が解消されにくい」といった厄介な症状です。上述の老化以外の頻尿については、膀胱が過敏になる過活動膀胱も挙げられますが、心因性頻尿と過活動膀胱の違いについては

心因性頻尿:ストレスが主な原因で環境に依存する
過活動膀胱:ストレスは関係なく環境にも影響しない

といった特徴があります。

今回は、そんな心因性頻尿にフォーカスし、心因性頻尿の特徴や普段の生活における対策などをピックアップし、心因性頻尿を改善すべく日常の心がけをご紹介していきます。特に生真面目で神経質な人ほどなりやすいと言われる心因性頻尿と、どのように付き合っていくべきかを検討してみましょう。

仕事や人間関係が要因?!まじめで神経質な人ほどなりやすい理由

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上述のとおり、ストレスが主な原因となる心因性頻尿においては、幾つかの特徴があり

・多尿などの尿量に異常はない
・夜間頻尿はほとんど伴わない
・尿漏れや尿失禁なども伴わない
・膀胱トレーニングなどが効かない

といった具合に、泌尿器の機能に特段異常は見られないという傾向にあります。

一方、急に尿意を覚えるタイミングや場面においては

・トイレに行きにくい状況
・トイレが近くにない状況
・強いストレスや不安を感じる状況

の時などに、尿意が強まって我慢できなくなってくるのが特徴。
言わば、メンタル起因の症状と言っても過言ではなく、ストレスを感じやすい几帳面な
性格の方や、過去にお漏らしなどで辛い記憶(トラウマ)がある方などが心因性頻尿になりやすい傾向にあります。心因性頻尿は

性格や環境に左右される部分も多い

ため、まじめで神経質な人ほどストレスを抱えやすいだけでなく、証券トレーダーなど日々プレッシャーの掛かる仕事や業務に携わっている方、タクシー運転手なども「トイレに行けない状況」を生みやすい職業かもしれません。

個人差はあれど、まじめで几帳面な人ほどストレスを感じやすく、心因性頻尿の要因となりやすい傾向にありますが、一方で心因性頻尿は

何かに夢中になっている間は症状が出ない

といった特徴もあります。
つまり、緊張や不安といったストレスから解放されている状態であったり、トイレのことを気にする必要がない状態であれば、強い尿意を催すことがないため、

自分自身でも心因性頻尿であることに気づかないケース

も少なくないのです。

もちろん、人によっては日常生活に支障をきたすほどの頻度で尿意に見舞われる方もおり、よほど症状が強い場合は心療内科や精神科にて、心因的要因の緩和ケアを受ける必要がある場合もありますが、

根本的には自身のメンタルコントロール次第

で、緊張や不安を取り除くための環境変化を合わせ、ストレスを溜め込まない、ストレスを解消するために適度な運動習慣を取り入れるなど、メンタル不調を改善することを念頭に、生活習慣そのものを見直しすることが大切です。

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心因性頻尿の対処法については、

常にトイレに行ける(行きやすい)環境を作る

ことで、尿意に対するストレスをなくすことはもちろん、尿意そのものを忘れることが何より重要です。「トイレ行きたくなったらどうしよう・・・」という思考そのものが尿意を招いてしまうため、心因性頻尿においては

自分自身で行動を抑制してしまう

という点が最大のデメリットとも言えるでしょう。

しかしながら、逆に

尿意が来てもいつでもトイレに行ける

というのが分かっていれば、心因性頻尿を原因とした急激な尿意に見舞われることは少なくなる傾向にあります。例えば、新幹線の窓際席に座るのと、通路側に座るのとでは、

精神的なプレッシャーはまったく違ってくる

ことは説明の余地がなく、こうした心構えひとつで多少の対策は可能なのです。

また、心因性頻尿の方の多くは「バス旅行なんて無理!」と思われるかもしれませんが、それが「トイレ付の長距離バスなら安心」となるのは、まさに心因的要因であり、すぐにトイレに行ける状況ほど、尿意はさほど感じないことも多いのです。

もちろん、尿量そのものを抑制することも意識する必要があるので、長時間の移動時前後に水分を摂りすぎたり、お茶やコーヒーといった利尿作用の高い飲み物を控えるなど、こうした対処方法が頻尿対策への自信につながり

ストレスを感じても尿意に見舞われることは少なくなる

可能性は十分にあるのです。

心因性頻尿の対策においては、上記のような「行動療法」がメインとなりますが、やはり他の頻尿同様に膀胱訓練や骨盤底筋トレーニングは大切で、直接的に効果がなかったとしても、自分自身のなかで

トレーニングしてるから大丈夫だ!

という自信につながりやすくなることは、心理的要因として大きいのです。

このように、心因性頻尿はメンタル面での要因が強いため、個人差もさることながら、その置かれた環境次第といった側面が非常に強い傾向にあります。常にトイレに行ける状況を作ること、事前準備をしておくことで、尿意に対する自信を持つことが大切だということを覚えておくようにしましょう!

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