40代以降に気をつけたい骨密度の低下と生活習慣
普段あまり意識することのない「骨密度」とは?
人間の身体は水分でできている
ということは良く耳にしますが、実際に人間の身体の約60~70%が水分であるのに対して、身体の骨格を構成する「骨」の割合については、あまり良く知られていないのが実情です。
人間の骨については、
・成人で約206本。
・身体に占める骨の割合は5~10%程度
と言われていますので、体重70kgの成人における骨の重さは、単純計算で4~7kg前後ということになります。骨って、皆さんがイメージしているより意外と軽い一方で、身体の筋肉や臓器を支える重要な役割を果たしているのです。
ただし、骨も加齢と共に衰えるため20代の方の骨と70代の方の骨では、その骨の強さも当然異なります。特に高齢女性においては「骨粗しょう症」と呼ばれる骨の中がスカスカになる疾患になりやすい傾向にありますが、骨がもろくなる原因については加齢のみではありません。
この骨のもろさに直接関係するのが「骨密度」です。
若い人でも強い衝撃で骨折することがありますが、若い人にくらべて高齢者が骨折しやすいのはこの骨密度が低下しているからで、高齢者に限らず何らかの原因で骨密度が低下すると、骨折しやすくなる以外にも、動脈硬化などになりやすくなる傾向にあります。
今回の記事では、この「骨密度に」スポットを当てて、その原因や対策について見ていくことにしましょう。
骨密度低下の原因と様々なデメリットを知ろう
上記で軽く触れたように、骨密度については主に
加齢が要因
となることが多い傾向にあります。
骨や歯を強くするためには、一般的に「カルシウムを多く摂る」ということが知られていますが、高齢になるにつれ、そのカルシウムを体内に取り込む吸収力も低下することから、骨がもろくなりやすくなります。加齢が主な原因とされることが多いのはこのためです。
しかしながら近年では30~40代でも骨密度が低下傾向あり、その背景には
・無理なダイエット
・不規則な生活習慣
・喫煙や飲酒
・運動不足
・閉経による女性ホルモンの低下
といったような現代社会ならではの要因により、骨がもろくなりつつあるようです。
特に、10代からのダイエットによって成長に必要な栄養素が不足したり、運動不足による筋肉や骨の衰え、そして女性においては骨密度を高める女性ホルモンの閉経による低下など、丈夫な骨を作る環境は年々悪化傾向にあります。
骨密度が低下することで、肩の痛みや腰痛、さらには骨折しやすくなったりと様々な悪影響が考えられます。さらに骨密度の低下が進み、成人正常値の70%以下になると骨粗しょう症と診断されます。
ちょっと躓いたり、転んだりしただけで骨折してしまうと、日常生活にも支障を来たしてしまいますので、骨密度の低下は思っている以上に重要なのです。
骨密度は意識すれば高めることができる?!
では、骨密度を維持させるにはどのようにすれば良いのでしょうか?
もちろん加齢による骨密度の低下は避けられませんが、上記でもご紹介したように加齢以外の骨密度低下の要因は、女性ホルモンの減少と生活習慣が主要因となります。女性ホルモンの減少については、過去記事「女性に嬉しい!大豆イソフラボンの様々な魅力と働き」でもご紹介していますが、特に女性の閉経後はエストロゲンが大きく減少してしまうので、自身で容易にコントロールできるものでもありません。
となると、
日頃から自身で気をつけることができるのが生活習慣
になります。
骨密度は、長い時間を掛けて様々な複合的要因で骨に変化を与えますので、仮にカルシウムを多く摂っていたとしても、ストレスが多かったり、お酒やタバコの量が多かったりすれば、骨密度の変化に悪影響を及ぼしてしまいます。また、日頃からの運動により骨に負荷を掛けることで骨自体が強くなりますので、骨密度の低下を避けるには適度な運動も欠かせません。
食事の面では、牛乳やチーズなどの乳製品、煮干やシシャモなどの小魚などがカルシウムを効率的に摂取することができます。ただし、塩分の摂りすぎは、せっかく摂取したカルシウムが尿として排出されやすくなってしまうので、塩分を控えることも忘れないようにしましょう。
今の自分の骨密度はどのような状態なの?
という点が気になるようでしたら、骨密度測定が可能なクリニックや整形外科で一度測定してみると良いでしょう。