めまいやフラつきを感じたら要注意!覚えておきたいすぐ効く貧血対処法
貧血による「めまい」や「立ちくらみ」が起こるメカニズム
普段の生活のなかで、何かの拍子に起こることの多いめまいや立ちくらみ。
しゃがんだり、立ち上がったりした拍子に、血の気がひくようなふらつきを経験したことがある方も多いかと思いますが、こうした症状をなぜか「貧血」と判断し、
一時的な症状だからあまり気にしない
という方が少なくありません。
特に女性は、生理などの兼ね合いもあり、慢性的に血液量が不足しがちで、こうしためまいや立ちくらみが起こりやすいと認識している方が多いのですが、過去記事「▼更年期世代に多い「隠れ貧血」と日常的な鉄分補給の心がけ」でも詳しく取り上げているように、貧血は血液量が不足しているのではなく、
赤血球に結合するヘモグロビン量(Hb)が不足している状態
ヘモグロビンは、赤血球に含まれるタンパク質の一種ですが、全身に酸素を運ぶ重要な役割を担っておりますので、ヘモグロビンが不足すると
全身の酸素共有量が欠乏し、脳へも十分な酸素が届かなくなる
ことで、めまいや立ちくらみが起こるというのが基本的なメカニズムです。
女性にとって、貧血は比較的身近な症状なだけに、貧血自体をあまり深刻な健康リスクとして捉えていない節がありますが、ヘモグロビン値での貧血判断は
・成人男性の基準値13g/dl以下
・成人女性の基準値12g/dl以下
数値だけみると、あまりピンとこないかもしれませんが、このヘモグロビン値が
6~7g/dl以下で心不全を引き起こすリスクが高まる
という点を踏まえると、
貧血は決して健康リスクの低い一時的な症状ではない
ということをご理解いただけるのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな身近な体の症状のひとつである「めまいや立ちくらみ」の原因となる貧血にフォーカスし、貧血となる原因や貧血における様々な健康リスク、そして貧血を改善すべく日常生活や食習慣についてご紹介していきます。
上述のとおり、貧血症状は赤血球内のヘモグロビン量の低下が主な要因ですが、
では、なぜヘモグロビン量が低下してしまうのか?
とう点については理解に乏しいだけでなく、貧血に対する具体的な対策を取ることはもちろん、日常生活のなかで改善を意識することも少ないのが「貧血」の実情ではありますので、この機会に貧血の理解を深め、貧血気味のかたはぜひ対策を講じていくようにしましょう。
そもそも貧血とはどのような状態?貧血の基礎とその原因
貧血=女性特有の症状
といった認識をお持ちの方も多いかもしれませんが、上述のとおり貧血は、赤血球内のヘモグロビン濃度が基準値より減少している状態で、全身に必要な酸素が運ばれにくい状態。症状的には、めまいやふらつき、脱力感や血の気が引くような顔面蒼白になったりします。
赤血球内のヘモグロビン濃度が低下する要因については、
・ヘモグロビンを生成するための栄養素が不足している
・何らかの疾病が原因で新たな赤血球が作られなくなる
・大量の出血によって赤血球やヘモグロビンが不足する
といったことが考えられますので、女性の生理のように必ずしも出血を伴って貧血が起きるのではなく、赤血球やヘモグロビンを生成するために必要な
鉄分などの栄養素が不足しているといったケースも多い
ということを認識しておく必要があります。
貧血においては、さまざま要因が考えられるほか、世代によって貧血の原因が変わってきますので、「貧血=〇〇が原因」と断定するのではなく、その時々の状況や生活習慣、食生活などの要因を定期的に見直し、それに見合った対応が必要になるのです。例えば
【10~20代の貧血】
成長期においては、摂取する栄養より消費する栄養が多くなるため、必然的に栄養不足となって貧血気味になります。女性においては生理の兼ね合いもあり、特に赤血球を生成するために必要な
葉酸やビタミンB12、鉄、亜鉛、タンパク質が不足
すると貧血になりやすくなります。
この年代は、無理なダイエットや栄養の偏りなども貧血原因となり、生理不順なども起こりやすくなります。
【40~50代の貧血】
閉経に近づくにつれ、月経周期が不規則になったり、不正出血などで出血量が増えることで貧血を起こしやすくなります。10~20代同様、赤血球やヘモグロビンを生成するための栄養素をしっかりと摂ることが肝要。また、出血を伴うその他の疾病(胃潰瘍や痔、血尿など)が原因で貧血になることもあります。
これらのように、貧血は体質的な問題ではなく基本的には
栄養不足で赤血球やヘモグロビンが生成されにくくなる
ことが要因として挙げられるため、日々の食事や栄養素の管理がとても重要になってくるのです。
貧血の対処法に関する人気記事
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貧血のメカニズムと要因を理解したところで、
この貧血が引き起こす様々な健康リスク
についても見ていきましょう。
冒頭でも軽く触れましたが、赤血球内におけるヘモグロビン濃度が6~7g/dlを下回ると、心不全を引き起こすリスクが高まるとお伝えいたしましたが、貧血によって全身に必要な酸素が十分に送り届けられなくなるため、めまいや立ちくらみだけに限らず、運動機能の低下、倦怠感など、様々な症状が出やすくなります。
また、貧血によって全身に酸素が行き届かなくなるため、そのぶん
心臓がより多くの血液を運搬しようと活発になる
ことで、心臓への負担も大きくなり狭心症や心筋梗塞のリスクも高まります。
貧血原因の約7割は「鉄欠乏性貧血」であり、体内の鉄分不足が直接的な原因となるため、短期的な症状として、外出先などで貧血に見舞われたら、
・その場でしゃがんで落ち着くまで安静にする
・リラックスして体の酸素消費量を抑える
・足を上げ上半身に血液が集中するような体制を取る
といったことが緊急の対処法となりますが、当然その場しのぎではありますので、中長期的に取り組みたい内容としては、上記でご紹介した
赤血球の生成に必要な栄養素を習慣的に摂る
という点を日常的に意識することが肝要です。
特に、貧血の大半を占める鉄欠乏性貧血は、その名の通り鉄分不足が原因となりますので、鉄分を効率よく摂取できる「豚レバー」などはよく知られていますが、鉄分を効率よく吸収するためには、
亜鉛や銅といったミネラルも併せて摂る
ことがポイントとなりますので、亜鉛や銅を多く含むカキやマイタケ、ホタルイカなども習慣的なレシピとして取り入れると良いでしょう。なお、厚生労働省が推奨する「1日鉄分摂取量摂取量」は、
・成人男性では7.5mg、
・月経のある女性で10.5mg
・月経のない女性:6.5mg
とされておりますが、
貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information
/food/e-02-008.html
鉄分豊富な食材=牛レバー=味が苦手
という方も多いのが実情・・・・
ただし、長期的に赤血球やヘモグロビンが生成されやすい食事を習慣化させるという観点では、レバーだけにこだわらず、シイタケやパプリカといった鉄分豊富な食材も取り入れることも重要。過去記事「▼ルテインの王様「小松菜・ほうれん草」を使った習慣化野菜レシピ」でもご紹介しているように、
食生活の習慣化は「身近・美味・飽きない」
という点を念頭に、食事の面から無理なく貧血対策に取り組むことが効果的です。
いかがでしたでしょうか?
低血圧や貧血といった症状は、身近すぎてあまり疾病としての認識が薄い傾向にありますが、長期的には心臓や血管に負担を掛けて、大きな健康リスクにつながる可能性があるということを再認識し、まずは食生活から貧血対策を心がけるようにしましょう!