たんぱく質・脂質・炭水化物のPFCバランスを考慮しよう

ダイエットの基礎知識:PFCバランスって知ってますか?

食生活の欧米化によるPFCバランスの変化

日ごろから健康維持を意識している皆さんにおいては、栄養バランスの取れた食事や適度な運動、ストレスの解消など、日々様々な取り組みをされているかと思います。一方、仕事や家事などの忙しさに追われる現代社会においては、

何かと生活リズムや食生活は乱れがち

昨今の新型コロナウィルスの影響による外出自粛で、体重が増えてしまったという方も少なくないでしょう。

特に30代後半から40代以降の加齢を意識する年ごろになると、適度な運動を実施する以上に「食事の量や質」を心掛けないと、個人差はあれどみるみる体型が変化し

・内臓脂肪増加によるぽっこり腹
・筋肉量の減少による高体脂肪の隠れ肥満

という状況になりやすいのも事実です。

近年では、20歳代以上の肥満率も30%を超えてきており※、その背景には主に食生活の欧米化や生活スタイルの多様化などが指摘されておりますが、それに伴って心筋梗塞や糖尿病といった生活習慣病が増加傾向にあるのも実情。

食生活の欧米化に伴って健康リスクも欧米寄りになってきている

と言えます。

※出典:厚生労働省「平成29年・国民健康・栄養調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf

今回の記事では、主に現代社会における食生活にスポットを当て、日々の食事における「たんぱく質・脂質・炭水化物のPFCバランス」の考え方についてご紹介してきます。

PFCバランスの基本情報については、前回記事「▼ダイエットの基礎知識:PFCバランスって知ってますか?」で取り上げていますので、そちらも合わせてご参考ください。

肥満などの生活習慣病のリスクを低減させるためにも、この機会に一度、毎日の食事と栄養バランスについて今一度再確認してみましょう!

脂質や糖質の摂取増による身体への影響を知ろう!

一般的に言われる「肥満」の状態は

・身長に対して体重が多い(BMI値が高い)
・体脂肪が過剰に蓄積された状態

を指すことが多く、肥満においては糖尿病や高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病のリスクが高まることは、当コラムでもご紹介してきているとおりです。では、この肥満の原因について、改めて考えてみると

食べすぎと運動不足

つまり、「摂取カロリー>消費カロリー」の状態が続くと、消化しきれなかったエネルギーが脂肪となって蓄積されていくことで肥満になっていきます。一方、ここで重要なのが「食事は量ではなく摂取カロリーが重要」という点で、

そんなに食べている量は多くないのに太る・・・
食事の量を抑えているのに痩せない・・・

という方の多くは、一度の食事において炭水化物が多かったり、高脂質な食事になっていたりと、栄養バランスに偏りがあることが多いのです。

前回の記事でもご紹介したように、食事におけるたんぱく質・脂質・炭水化物の最適なPFCバランスは

タンパク質:15~20%
脂質:20~30%
糖質(炭水化物):50~60%

という比率が平均的な目安ですので、脂質が多い揚げ物や肉、バターを多く使ったスイーツなどを多く食べていたり、パンやお米などの炭水化物の量が多いようですと、

仮に食事の量を抑えてても肥満や脂質異常を招きやすい

のです。

脂質の摂りすぎは、血液中の中性脂肪と悪玉コレステロールの増加を招き、言うまでもなく肥満の原因となります。また、糖質の摂りすぎも食後高血糖を招き、動脈硬化や心筋梗塞などの要因となりますので、日々の食事においては摂取カロリーだけではなく、PFCバランスを意識することが重要なのです

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減らしすぎによる悪影響と全体のバランスを考慮しよう

ダイエットの基礎知識:PFCバランスって知ってますか?02

健康維持という観点では、内臓脂肪を減らしたり、筋肉量を増やして基礎代謝を上げたりと、その目的に応じて多少PFCバランスをアレンジすることが必要です。

例えば、内臓脂肪を減らして生活習慣病リスクを低減させたいとした場合、脂質や糖質の量を抑えつつ、タンパク質の量を増やさないと、単に筋肉量が低下してしまい、結果的に基礎代謝も落ちて太りやすい体質になってしまう可能性もあります。

特に食事制限によるダイエットは、炭水化物などの糖質をカットすることで

短期的な体重減

を目指すことが多い傾向にありますが、その分脂質が多い食事になってしまう傾向にあり、体重が落ちても筋肉量が減少しただけで、脂肪そのものが減らないということにもなりかねません。

また、食事制限においてはこういう方も多いかもしれませんが

カロリー制限のためにサラダを食べているけど
マヨネーズうやフレンチドレッシングを大量に使っている

参考までですが、一般的にサラダに使用するドレッシングの脂質については

和風ドレッシング:0.1g
フレンチドレッシング:42g
サウザンアイランド:41g

※100gあたり(商品により異なる)

と、これだけの差があります。

仮に糖質だけを抑えても、そのぶん肉中心の食事になってしまったり、脂質の多い食事内容なってしまっては本末転倒。一時的に体重を落とせたとしても、リバウンドしやすい体質になってしまう可能性が高いのです。

また、糖質や脂質だけを減らすことで、身体の代謝能力が低下したり、集中力が低下したりと様々なデメリットがあるのも事実。栄養バランスの偏りによって便秘なども招きやすいため、

体重が落ちるメリット以上のデメリットも多い

という点も忘れてはなりません。

食事における栄養バランスの取り方については、は目的に応じて多少アレンジすることも重要ですが、PFCバランスが大きく崩れるような食生活は、それ以上に健康リスクが高まるということを常に心掛けておきましょう。

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