ストレスホルモンとも言われるコルチゾールとダイエットの関係
40代以降に多い中年太りの原因は代謝の低下だけじゃない?!
30代後半から40代以降、中高年における代表的な老化現象のひとつでもある中年太り。
もちろん、老化現象のなかでも老眼などと異なり、誰しも中年太りになるわけではないため、自己管理の問題という側面もありますが、30歳前後から身体の筋肉量の減少が始まり、代謝能力が低下することで太りやすくなるのも事実です。
太りやすくなる原因は、加齢による基礎代謝量の減少以外にも
・慢性的な運動不足
・食べすぎや食事の質
・生活習慣の乱れ
などが代表的な要因として挙げられますが、なかでも注目したいのが
ストレスを要因とした代謝バランスの崩れ
特に40代以降ともなると、会社勤めの方なら責任の大きなポジションであったり、家庭においては子供も難しい年頃であったりと、何かとストレスが多く掛かる年代です。現代社会においては、
ストレスと向き合って上手に付き合っていく
ことが重要ですが、自分では上手くストレスを解消できていると思っていても、じつは身体には様々な変化が現れており、こうした変化が太りやすさの一因になっていることは、意外と知られていません。
そこで今回は、このストレスを要因とした身体の変化にフォーカスし、ストレスがどのように太りやすさに作用しているのか、そして
ストレスを感じた時に分泌されるコルチゾール
というホルモンの働きについてご紹介していきます。
一般的にストレスというと、仕事が過度に忙しかったり、自分の思い通りにならずにイライラしたりと、心や気持ちの疲労を指すことが多い傾向にありますが、実は身体がストレスを感じてコルチゾールが分泌される場面というのは、例えば
・きつい運動や激しい運動の最中
・重要な会議での発言を控えて緊張している状態
・翌日に楽しみな出来事を控えて寝れない状態
こういったシーンにおいても実は身体はストレスを感じ、コルチゾールが分泌されているのです。実際にこのコルチゾールが分泌されることで身体がどのように変化するのか、そして中年太りやダイエットにどのような影響を及ぼすのかを具体的に見ていきましょう。
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ストレスホルモンと言われるコルチゾールの働きと生活習慣病
上記でもご紹介したように、コルチゾールは主に身体にストレスを感じた時に分泌されるホルモンで、左右の腎臓の上にある副腎で生成される身体にとって必須となるホルモンです。ストレス時に分泌されることからストレスホルモンとも言われ、主な働きは
・ストレス負荷に対抗する
・筋肉でのタンパク質の代謝
・脂肪組織での脂肪分解
・炎症やアレルギー反応を抑える働き
などが挙げられます。
コルチゾールの分泌は、ストレスから身体を守ろうとする自然な働きではありますが、慢性的にストレスにさらされると、コルチゾールの分泌が過多になったり、分泌が過多になることで代謝のバランスが崩れ、
不眠などの心身不良や生活習慣病などを招きやすくなる
ということが明らかになっています。
例えば、うつ病や不眠症などのメンタル疾患は、過度なストレスが続くことで発症しやすくなりますが、そうした状態においてはコルチゾールの値が慢性的に高くなっている傾向にあり、それと同時に肥満や脂質異常症が多く、
糖尿病との関連性も高い
ということが分かっています。
※出典:厚生労働省「糖尿病とこころ」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-05-006.html
つまり、端的に言ってしまうとコルチゾールは生活習慣病の要因でもある
・食生活や栄養バランス
・運動習慣、
・喫煙・飲酒
・休養・ストレス
などと密接に関連しており、コルチゾールがストレスバランスを整える役割を担う一方、そのバランスが乱れてしまうと、
身体の代謝能力や血圧や血糖をはじめとする様々な機能を低下
させ、結果的に太りやすい身体になってしまうということが言えるのです。
自身で感じるイライラだけがストレスだけでなく、良い意味での緊張やプレッシャーもストレスとなって、コルチゾールが分泌されているということを認識しておきましょう。
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コルチゾールの分泌バランスの調整には有酸素運動が効果的!
これまでの記事でも、ダイエットにおいて重要なことは
・規則正しい生活
・バランスの取れた食事と量
・適度な運動
であることはお伝えしてきましたが、ストレスホルモンであるコルチゾールの働きやバランスの乱れが引き起こす身体への弊害を知った以上、ダイエットにおいては
ストレスコントロールも重要
であることは言うまでもありません。
いかにストレスを感じさせない生活を送るか、ストレスを上手く解消し、ストレスに対する耐性を高めるようにするかが、結果的にダイエットにもつながると言っても過言ではありません。つまり
コルチゾール分泌バランスを乱さない
ということが重要なのですが、実際にコルチゾールの分泌バランスを整える・強化するためにはどのようにすれば良いのでしょうか?
結論から言うと、ジョギングやサイクリングなど
多少高負荷な有酸素運動が有効
で、これらの運動自体がストレスになることで、ストレスへの耐性を高め、ストレス慣れをさせてコルチゾールが過度に分泌しないよう抑制させることができるのです。
もちろん、有酸素運動による筋肉量の増加や代謝能力のアップなどもダイエットには有効であることは言うまでもなく、それと同時にストレスに対する対抗力も高まるため、普段の生活におけるストレスを感じるシーンにおいても、
コルチゾールの過度な分泌を抑制することができ
適切にコントロールすることができるようになるのです。
こうした有酸素運動は、ストレス解消という側面からも非常に効果的であり、ストレス解消などのメンタルケアがいかに重要であるかは、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールの働きを知れば明らかなのです。
いかがでしたでしょうか?
ストレスは万病の元と言いますが、そのメカニズムにおいてはコルチゾールの働きが大きく関わり、そしてそのホルモンバランスが乱れると心身ともに様々な不調を来たす可能性があるということを念頭に置いておくようにしましょう。