栄養成分表示を理解して効率的な体重管理を心掛けよう
食べながら痩せる?!食品の栄養成分を理解することの重要性
現代社会における健康管理として切っても切り離せないのが「体重管理」。
厚生労働省「国民健康・栄養調査報告(令和元年)」によると、
40代・50代成人の約4割が肥満
という驚愕な調査結果が出ておりますが、
※出典:令和元年国民健康・栄養調査報告(身体状況調査の結果)
https://www.mhlw.go.jp/content/000711007.pdf
食事も欧米化が進み、働き方や日常生活でも効率化が進められる昨今の生活環境を踏まえると、体を動かす機会そのものが失われていると言っても過言ではないかもしれません。
もちろん、健康維持を意識して習慣的に運動を取り入れている人も少なくありませんが、運動さえしていれば健康的な体を維持することができるか?というと答えはNO!適度は運動や良質な睡眠はもちろんのこと
栄養バランスの取れた食事
という点も日々心掛けなければならないという点はご承知のとおりです。
ただ、実際に痩せようと思って食事制限をする場合、多くの方で「単に食べない・食べる量を減らす」という間違った認識を持っているのも事実。特に断食的な「食べない」という行為については、
筋肉量を減らして代謝を落としてしまうだけ・・・
分かりやすくいうと燃費そのものが悪くなってリバウンドしやすい体になってしまうのです。また、体重管理と言うとサラダだけを食べたり、炭水化物を抜いたりする傾向にありますが、これもまた栄養バランスが偏ってしまってリバウンド要因のひとつ。つまり、
必要な栄養素はしっかり摂り不要な栄養素は控える
ということが重要なのです。
でも、「栄養バランスの取れた食事」と言っても、どの栄養素をどれだけ取ればいいの?、どの栄養素は控えた方がいいのか分からないし・・・というのが本音。そこで今回は、各食品に記載されているカロリーの内訳「栄養成分」に着目し、体重管理に必要な栄養素と控えたい栄養素を具体的にご紹介。摂取カロリーを抑えつつ、
必要な栄養素を確保するための栄養素成分の見方
という観点で栄養成分表示の見方の基礎をお伝えしていきます。
いちいち栄養成分をチェックするのは面倒と思っていた人でも、栄養成分を理解することで、その考えは大きく変わってくると思いますので、この機会にぜひ最低限知っておきたい栄養成分を覚えておくと良いでしょう!
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カロリー(kcal)表示だけでなくカロリーの内訳を確認しよう!
お仕事をされている方の多くが利用するコンビニ。
おにぎりやパン、飲料からお弁当まで、売られている様々な食材に栄養成分表示がされていることはご存じの方も多いと思います。2020年4月1日より栄養成分表示は義務化されておりますので、コンビニの商品に限ったことではありませんが、商品ラベルで栄養素やカロリーをチェックしてから買っている人も少なくありません。
体重管理をしている方であれば、最低限カロリー程度は確認しているかもしれませんが、いくらカロリーが低くでも必要最低限の栄養素は確保したいところ。
栄養成分表示はカロリーの内訳
ですので、単に○○kcalという数値だけで判断するのではなく、どの栄養素がどの程度含まれているかをチェックできるようになると、食事制限の質も変わってくるということを覚えておくと良いでしょう。
過去記事「▼たんぱく質・脂質・炭水化物のPFCバランスを考慮しよう」でもご紹介しておりますが、理想的なカロリーの内訳比率は
炭水化物:50~60%
脂質:20~30%
タンパク質:15~20%
とされておりますが、コンビニ弁当や外食などは相対的に炭水化物や脂質が多い傾向にあることから、
日々の食生活そのものが脂質過多傾向
にあるのです。
ちなみに、総カロリーは下記にて計算することができるので
炭水化物のグラム数×4kcal
脂質のグラム数×9kcal
タンパク質のグラム数×4kcal
例えば下記のような栄養成分表示の場合
炭水化物:19.4g
脂質:7.2g
タンパク質:5.9g
(19.4×4=77.6kcal)+(7.2×9=64.8kcal)+(5.9×4=23.6kcal)=166kcal
総カロリーが166kcalに対して、
炭水化物:46%
脂質:39%
タンパク質:14%
といった割合になり、PFCバランスからすると脂質過多気味であることが分かります。
また、身近で手軽に食べられる食品ほどそうした傾向にあり、特に中毒性の高いと言われるハンバーガーやピザ、甘い菓子パンやケーキなどは、その傾向が顕著です。
ファストフード好きの方、ポテチやチョコレートといった駄菓子好きの方、たくさんいらっしゃると思いますが、こうした食べ物は体重管理中においては大敵。せっかく食事全体の量を減らしても、こうした食事を日々摂っていると、体重が減らないだけでなく筋肉量も減ってしまい、
ますます太りやすい体質になってしまう
という点には留意しておく必要があります。
食材一つひとつに対して、上記のような計算をするのは面倒ではありますが、脂質や糖質の高い食品は極力避けるか量を減らすといった日常の心がけが、健康的な体重管理につながることを認識しておきましょう。
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鍵は低カロリー&高栄養価!代謝を落とさない食べる体重管理
上記のとおり、炭水化物やタンパク質、脂質は日々の活動を支える大切な栄養素。
どの栄養素も必要不可欠ではありますが、その摂取する割合に留意するというのがポイントとなるのです。体重管理においては、
摂取カロリー<消費カロリー
が基本的な考え方となりますが、例えば筋肉を作るタンパク質を摂取しないと筋肉量が減り、結果として基礎代謝が低下することで消費カロリーの減少を招きます。つまり、同じ量を食べていても、基礎代謝の変化によって
食事制限をしていても体重が増えてしまう可能性
もあるのです。
つまり、栄養成分チェックにおいて重要な点は「高タンパク&低脂肪」であり、そういう観点では、脂質制限や炭水化物の一部を形成する糖質制限体重管理は、ある程度理にかなっていると言えるかもしれません。ちなみに、人間に必要な三大栄養素のひとつである脂質は、活動のエネルギー源として必要不可欠な成分ですが、上述のとおり
1gあたりのカロリーが他の栄養素とくらべて大きい
ため、摂取カロリーを抑えるには脂質を減らすのが効率的。
また、糖質については摂取直後に血糖値が上がりやすく、脂質はエネルギーとして使われますが、糖質は脂肪としてつきやすくなりますので、脂肪を減らすうえでの一定の糖質制限は有効だと言われているのです。
高栄養価で低カロリーとは、相反する関係にあるような気がしますが、摂取する総カロリーをコントロールするという意味合いでは、
・タンパク質は積極的に摂る
・適度な運動で筋肉量を落とさないようにする
・脂質の制限で総カロリーのコントロール
・糖質は消費されないと体脂肪として残る
ということを念頭に、食事の組み立てを行うと効率的に体重管理することができるでしょう。
いかがでしたでしょうか?
体質的な部分で個人差こそあるかもしれませんが、各それぞれの栄養成分と特徴を理解しておくだけで、お弁当やパンを買う時の判断が変わってきます。
「美味しそう」と思っても、
「糖質高いやからやめておこう」
といったような意識を持つことを習慣化することが大切なのです。