40代から増える女性の高血圧!知っておきたい原因と対策
更年期に起こる身体の変化のひとつ「高血圧」
高血圧と聞くと、心筋梗塞や脳梗塞など何かとネガティブなイメージを持つことが多いと思います。実際に、脳出血などの脳血管疾患の最大の危険因子は高血圧であり、こうした疾患は主に男性に多い傾向にありますが、
40代以降は女性の高血圧も増える
ことが知られており、「血圧が高い=男性」とは一概に言えなくなってくるのです。
20~30代の女性の多くは、どちらかというと低血圧の方が多く、女性ホルモンの働きによって、生理前や生理中などにめまいなどの症状を起こすことが珍しくありません。よって
自分は低血圧だから心配ない
と思い込んでしまっているのも無理ありませんが、40代以降になると個人差はあれど、
誰しも閉経という身体の変化が訪れる
ことによってホルモンバランスや自立神経が変調し高血圧になりやすくなる傾向にあるのです。これを閉経期高血圧と言いますが、過去記事「女性必見!日常生活でケアする更年期対策」でもご紹介したように、更年期においては様々な身体の変化が変化が現れます。
高血圧もその身体の変化のひとつ
で、女性ホルモンの減少や身体の変化に対する不安や焦りなども、自律神経を乱して高血圧の原因になると言われています。今回は、そんな閉経期高血圧にフォーカスし、その原因や自分でできる日ごろの対策をご紹介していきます。
閉経は誰でも訪れるもの。
閉経後の身体の変化と上手に付き合って、健康な体を維持するようにしましょう!
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閉経期高血圧の原因と身体への影響
冒頭でもご紹介したように、40代以降になると女性でも血圧が高めになる人が増えてくる傾向にあります。閉経を挟んだ前後5年間程度は更年期と呼ばれ、何かと身体の変調を感じる時期で、実際に血圧という数値面でも顕著に現れる人も少なくありません。
女性には、妊娠という身体の変化が起こるタイミングがあり、妊娠時においても高血圧気味になる人がいます。こちらもホルモンバランスの変化に起因する部分ですが、出産と共に正常に戻ることが大半です。
一方、二度目の身体の変化となる閉経においては、徐々に女性ホルモン(エストロゲン)が減少していき、出産時のように
その変化が戻ることはありません
ホルモンバランスの変化が直接的な原因かどうかは明らかではありませんが、40代以降に高血圧の女性が増加し、60代ともなると
高血圧症有病者の割合が男性とほぼ同等
になるのです。
※出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000020qbb-att/2r98520000021c0o.pdf
高血圧が引き起こす疾病においては、脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管障害のほか、心筋梗塞や動脈硬化など、生活習慣病で発症する疾患と同じように、予後不良となりがちなので、
日ごろから血圧変化に対する意識を高め
栄養バランスや生活習慣などにも留意した規則正しい生活を心掛けることが重要です。
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ストレス解消と良質な睡眠が鍵?閉経期高血圧の日常ケア
上記のように、個人差はあれど閉経という身体の変化が訪れる以上、閉経期高血圧は避けられない、という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、40代以降に血圧が高めになる要因については女性ホルモンの減少だけではありません。
その主な要因としては、日常におけるストレスや不規則な生活なども関係していると言われており、特に更年期を迎える年代ともなると
・子供の高校入試や大学入試
・親の介護
・パートなどの仕事に追われる
・自由に過ごせる時間に乏しい
など、毎日せわしなく動かざるを得ず、自身で自由に過ごせる時間を取るのが難しく、適度な運動をする時間もない・・・というのが実情かもしれません。
食事すら子供や夫が優先となり、ゆっくりと食事を楽しむ時間も取れなかったり、睡眠時間も不規則になりがちで
知らず知らずにストレスが蓄積されていってしまう
のも、この年代の女性の特徴かもしれません。
ストレスを軽減する食事については、過去記事「PMS(月経前症候群)対策で注目のセルフケア」で、レシピをご紹介しておりますが、
主にマグネシウムとカルシウムを多く摂れる食事
を心がけつつ、塩分の多い食事を避けるなどの工夫が必要です。
閉経期高血圧の日常ケアにおいては、言うまでもなくご家族の協力も必要で、ストレスを感じさせないよう自身のコントロールも大切です。
更年期による身体の変化と上手に向き合うこと、そしてその変化にストレスを感じないよう、規則正しい生活を心掛けてしっかりと睡眠を取ること。ご家族にも協力してもらって、ウォーキングなど適度な運動をする時間を取ること。
これらを心がけるのと同時に、
定期的に血圧を測定する
ことで身体の変化を知り、より日々の心掛けがしやすくなるでしょう。
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