野菜不足と言われるけど実際にどのくらい不足してるか検証してみた
1日のうちでまったく食べなくとも実感が沸かない野菜不足
単刀直入に「皆さんは毎日野菜を食べていますか?」
と聞かれて、自信を持って食べていると回答できる人はそう多くないかもしれません。過去記事「▼あまり実感の沸かない野菜不足は体に症状や悪影響が出るもの?」でもご紹介したとおり、近年の日本の食生活においては
全世代で野菜の摂取が不足しているといった状況・・・
野菜をそのものを食べる機会がなかったり、サラダなどで多少は食べていても絶対的な量が足りていないというケースも多く、野菜の摂取不足は今や他人事ではなくなってきていると言っても過言ではありません。
・野菜って生で食べても美味しくないし
・調理するのは面倒だし
・そもそも野菜は何もかも高い!
といった声が聞こえてきそうな雰囲気ではありますが、こうした日本人の野菜不足については、単に食生活の欧米化だけでなく、野菜を食べる環境や機会そのものが失われて来ているのかもしれません。一方で、全国の農家さんから
野菜の魅力や美味しさを発信する取り組みも活発化
しつつありますが、実際の日常生活に照らし合わせても
・朝食はパンやサンドウィッチ
・昼食はコンビニ弁当や外食ランチ
・夕食はレトルト食品・・・
といった食生活では、今後も一向に野菜の摂取量が増えることはないでしょう。
もちろん、こうした状況は皆さんも概ね理解しており、ビタミンやミネラルを豊富に含んだ野菜を積極的に食べる必要があることは認識しておりますが、一方で
食事の準備にあまり時間をかけたくない
というのが本音で、このあわただしい現代社会ならではの物理的な問題もまた野菜不足に拍車を掛けていると言えるでしょう。特に一人暮らしの方の野菜不足が深刻で、「自分だけのために調理するのは面倒」という心理的要素のほか、
コンビニやスーパーで買うサラダは高い
という懐事情の問題もあり、一人暮らしで何かとお金がかかる世代において野菜の摂取不足は必然。そして、野菜不足に対する実感も優先度はかなり低いため、ますます野菜不足が深刻化してしまうというのが現状かもしれません。
そこで今回は、そんな実感の薄い野菜不足を改善すべく
実際にどのくらい野菜が不足してるか?
という点にフォーカスし、具体的な数値を挙げて検証していきます。
もちろん、単に野菜といっても様々な種類がありますので、一概にまとめにくい部分もありますが、毎日しっかりとサラダを食べているから大丈夫!という人も、
実は摂取量としては全然足りてない
というケースもありますので、どれくらい摂取すれば良いのかの目安を知っておくことはとても重要なことなのです。そんな野菜不足解消の第一歩となる「現状の把握」と1日摂取量目安まで「どの程度必要なのか?」を具体的に見ていきましょう!
▼野菜不足に関する注目記事
あまり実感の沸かない野菜不足は体に症状や悪影響が出るもの?
各栄養素別・商品別でどれくらい不足してるか検証してみた!
「野菜=サラダ」といったイメージもあるほど、サラダは手軽に摂ることができる生野菜レシピです。サラダの種類には、多彩なアレンジによって様々な呼び名がありますが、コンビニなどで手軽に買えるキャベツやレタスをベースとした
生野菜サラダの内容量は150~200g前後
野菜の1日の摂取量目安は350gとされていますので、単にグラム数だけでみると
1日あたり2~3パックほど食べなければならない計算
になってしまいます。
仮に、日中仕事をされている方ですと昼も夜もコンビニサラダを食べなければならなくなってしまい、正直これは現実的ではなく続く気がしません。コスト面でも、サラダ1パック350円前後だと考えると、とてもコストパフォーマンスが悪いのが実情です。
もちろんサラダにも様々な種類があり、例えば
ポテトサラダのように野菜の栄養素とはあまり関係がないもの
も多数ありますので、くれぐれも”サラダを食べた気にならないよう”留意する必要があります。ちなみに、厚生労働省が推奨する「1日の野菜摂取量目安350g」を栄養素が豊富な生野菜に例えてみると
・トマト:3~4個
・ニンジン:2~3本
・キャベツ:1/4カット強
・ほうれん草:1~2束
・玉ねぎ(L):1~2個
・ブロッコリー:1~2個
といった感じ・・・結構なボリュームですよね。
もちろん、これらをバランスよく食べることが理想で、それを実現しているのが市販のサラダということになりますが、どうしても生野菜ですとかさが増してしまうため、たくさん食べたつもりでも
十分な栄養素が取れていないケースが多いのです
では次に、実際に市販されている一般的なサラダから摂れる栄養素の内訳を見てみましょう。
≪コーン&ツナサラダ≫
・熱量:180kcal
・たんぱく質:13.5g
・脂質:9.0g
・炭水化物:13.5g
・食塩相当量:2.0g
※上記グラム数はあくまでサンプルとなります。
一般的に上記のような成分表記はありますが、ビタミンやミネラルなどの栄養素については、具体的な数値までは推し量ることができませんので、あくまでサラダに含まれる食材の種類とグラム数で判断することになります。
例えば上記コーン&ツナサラダで言うと
ツナ:20g(タンパク質が4gほど)
コーン:30g(カロテンが40mg、ビタミンEが0.3mgほど)
レタス:10g(ビタミンKが4mgほど)
キャベツ:50g(ビタミンCが20mg、葉酸が100mgほど)
※上記数値は理論値です。
サラダに含まれる食材をバラして考えたとしても、取れる栄養素は微々たるもの。また、市販のサラダはその製造過程で多くの栄養素が失われてしまうとも言われていますので、少なく見積もってもコンビニ等で買えるサラダでは
必要な栄養成分が十分摂れるとは言えない
かもしれません。
こうした市販のサラダを食べることで「野菜は十分摂っている」というつもりになってしまうことが、日本の食生活における野菜不足の原因を作っているのかもしれませんが、野菜を毎日350g食べることだけでなく
健康を維持するために必要な栄養成分がしっかり摂れてるか?
という点も十分に意識して、日々の食生活を改善していくことが肝要です、
▼野菜不足に関するオススメ記事
秋の野菜を食べよう!秋野菜の簡単作り置きレシピ
青汁やスムージーも効果的?!日常的に野菜を補う簡単アイデア
これまでご紹介したように、近年の食生活においては野菜の摂取が圧倒的に足りていないというのが現実ですが、実際にまだ「あまりピンと来ない」という方も多いかもしれません。
厚生労働省では、世代別・男女別に主な栄養成分における1日に必要な摂取量目安を策定しており、下記は30~49歳における主な栄養成分の摂取量目安になります。
≪栄養成分別・一日摂取量目安≫※カッコ内は女性
食物繊維:21g以上(18g以上)
ビタミンA:900μg(700μg)
ビタミンC:100mg(100mg)
ビタミンD:8.5μg(8.5μg)
ビタミンE:6.0mg(5.5mg)
ビタミンK:1.4mg(1.1mg)
ビタミンB2:1.6mg(1.2mg)
ビタミンB6:1.4mg(1.1mg)
葉酸:240μg(240μg)
カルシウム:750mg(650mg)
※出典:厚生労働省・日本人の食事摂取基準(2020年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
先の例で取り上げた「コーン&ツナサラダ」で摂れたビタミンCが20mgだったとすると、このサラダを5個食べて、ようやく一日に必要とする量を摂取した計算となるわけです。
もちろん、一日の食事のなかで様々な食材を取り入れるため、食事全体で見れば必要な栄養素は摂れているかもしれませんが、現代の肉中心とした食生活においてはビタミンやミネラルといった
野菜から取りやすい栄養成分が不足しがち
であるのは事実。
そこで、この野菜不足を補う方法として思いつくのが青汁や野菜ジュース野菜などを飲む」ということになりますが、こうしたアイテムって
果たしてどの程度の栄養成分を補うことができるの?
というのが本音かもしれません。
難しく考える必要はありませんが、上記でご紹介した各栄養素の一日の摂取目安から、サラダなどの野菜を食べて摂れる栄養素量を差し引けば、
どの栄養素がどれくらい不足しているか?
が見えてきますので、市販の青汁や野菜ジュースなどに記載されている栄養成分と照らし合わせて、不足量を補うことは心がけとしては良いことです。もちろん、
生野菜をそのままミキサーでスムージーにする
のが最も効率的ですが、市販の青汁や野菜ジュースでも決して意味がないということはないので、あまり野菜を食べてないと自覚がある方は、まずは野菜ジュースなどを朝晩に飲むなどの習慣を身につけてみるのも良いでしょう。
そのほかにも、手軽に野菜不足を補うための簡単アイデアをいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
・苦味の強い青汁や野菜ジュースは牛乳で割ってマイルドに
・好きな野菜をザク切りにしてレンジで蒸し野菜
・野菜スムージーはバナナやりんごを入れてフルーティーに
・朝のスープに乾燥野菜を入れればアッという間に野菜汁
・必要に応じてサプリメントなども活用する
いかがでしたでしょうか?
野菜不足を意識したうえで習慣化させるとなると、それなりに手軽さや美味しさが必須ということは言うまでもありません。継続は力なり!ですので、ご自身で無理なく続けられる野菜不足対策を色々と講じてみるようにしましょう。
▼野菜不足に関する人気記事
栄養成分表示を理解して効率的な体重管理を心掛けよう