女性の尿漏れと更年期・閉経との相関性

なぜ漏れやすくなる?更年期・閉経後の体の変化と関係性

中高年女性における体の悩みの一つとして挙げられるのが頻尿。

なかでも、頻尿と同時に多くの女性が一度は経験する傾向にあるのが「尿漏れ」で、くしゃみをしたり、しゃがんだりした拍子にチョロっと出てしまうのが特徴です。こうした尿漏れは「腹圧性尿失禁」とも呼び、過去記事「▼尿漏れはなぜ起こる?尿漏れのメカニズムとその原因」でもご紹介しているとおり、ほとんどの女性に起こる症状であり、女性特有の加齢症状とも言えます。

もちろん、すべての女性に当てはまるわけでもなければ、20~30代でも腹圧性尿失禁の症状がみられる場合もあり、その症状には個人差が大きいのが実情。ただし、腹圧性尿失禁の主な原因においては

骨盤底筋群の衰えによる尿道のゆるみ

であり、特にこの症状が女性に多いのは、出産によって尿道周囲の筋肉が伸び、膀胱や尿道が下がってしまうために起こるためで、腹圧性尿失禁のほとんどが出産経験者と言われています。まぁ、言葉を言い換えれば

加齢によって尿道の締りが悪くなった

ということになりますが、特に女性ホルモンの分泌が大幅に減少する閉経前後は、こうした失禁が多くみられる傾向にあり、女性ホルモン「エストロゲン」の減少が、排尿にまで影響を及ぼすことに驚きを隠せない人も少なくないでしょう。

エストロゲンの減少と尿漏れの関連性については、次項で詳しくご紹介いたしますが、

閉経を迎える前後5年程度は何かと体調不良に見舞われる

傾向にあり、皆さんが良くご存じの更年期症状でもあるホットフラッシュや睡眠障害以外にも、骨盤底支持力の低下による頻尿、血流減少による代謝機能の低下など、様々な体の変化が起こる時期。更年期世代の尿漏れにおいては、特に生活に影響を及ぼさないから気にしないという方も多いかもしれませんが、

歩くなどの日常的な動作だけで尿が漏れてしまう

ケースもありますので、更年期を背景とした腹圧性尿失禁においては、

・減少するエストロゲンに対する対処
・緩んでしまう骨盤底筋群に対する対策
・更年期症状に対する生活習慣の心がけ

などをトータル的に考えて対処していく必要があります。

今回は、そんな女性特有の尿漏れである腹圧性尿失禁と、減少する女性ホルモン「エストロゲン」の相関性にフォーカスし、エストロゲンが減少することでなぜ尿漏れを起こしやすくなるのかを考察していきます。尿漏れは言わば老化現象ではありますが、その症状を和らげるためにも、生活習慣が重要となることを認識しておきましょう。

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女性ホルモン「エストロゲン」の減少と尿失禁のメカニズム

上述のとおり、40~50代女性の多くは尿漏れを経験しており、その原因のほとんどが骨盤底筋群の緩みであることをお伝えいたしました。骨盤底筋群が緩んでしまうのは、加齢による筋力低下が主な原因となりますが、

エストロゲンの減少によって骨盤底筋群が緩んでしまう

という点においては避けようがないため、対処としてはこのインナーマッスルを鍛えるしかないというのが実情かもしれません。では、なぜエストロゲンの減少が骨盤底筋の緩みにつながってしまうのでしょうか?

子宮や膀胱、尿道を定位置で支える骨盤底筋群は、

・会陰膜(えいんまく)
・骨盤隔膜(こつばんかくまく)
・内骨盤筋膜(ないこつばんきんまく)

上記3つの線維性の組織で構成されておりますが、加齢によって女性ホルモンの分泌が減少すると、これら組織へのエストロゲンの供給も減少し、組織が薄く弱くなってしまいます。改めて説明の余地はありませんが、女性の骨盤底筋群には、尿道、膣、肛門の3つの穴が開いております(男性は2つ)ので、

そもそもの強度は低く尿漏れが起こりやすい構造

であることは言うまでもありません。
こうしたメカニズムを知ることで、

「エストロゲンを増やせば尿漏れは起こらない?」

という考えにも至りますので、ホルモン補充療法などの医学的なエストロゲン補充という選択肢も考慮されますが、現時点ではエストロゲン投与における尿漏れ防止の効果は確認されておらず、加齢による変化・機能低下を抑えきれないというのが実態のようです。

更年期による女性ホルモンの減少については、「▼エストロゲンに関する記事」も合わせて参照ください。

なお、女性ホルモンに似た成分である「大豆イソフラボン」などの摂取に対して効果がない訳ではありませんが、個人差はあっても

加齢に伴うエストロゲンの減少は不可避

ではありますので、日常生活のなかでこの弱まった骨盤底筋群をいかに維持させるか、そのためにどのような運動を心がける必要があるか?などを意識していくことが肝要です。

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なお、加齢を要因とした女性特有の尿漏れ「腹圧性尿失禁」においては、その言葉が示すようにお腹に力を入れた時になど、腹圧が高まることで尿が漏れやすくなる症状です。つまり、エストロゲンの減少以外にも、日常的にお腹に力を入れる荷重作業が多かったり、

腹圧を高める慢性的な便秘など

は、尿漏れの原因になりやすいということを認識しておく必要があります。

また、更年期を迎えて女性ホルモンが減少することで、主に中年男性の加齢変化でもある内臓脂肪の増加(メタボ)が女性にも見られるようになります。体質的に男性に近くなると言ったら言い過ぎかもしれませんが、閉経と共に食欲が増して

男性のようなメタボ体型になってしまう

ことは珍しくありません。当然、内臓脂肪が増えることで膀胱や尿道を圧迫して尿漏れが起こりやすくなることは想像に難くないため、閉経前後は運動習慣とエネルギーの過剰摂取に留意することも大切です。そのためにも、

・メタボを予防する生活習慣の見直し
・便秘を防ぐ栄養バランスの取れた食事
・骨盤底筋群を鍛える適度な運動習慣
 など、

多方面で日常生活の見直しが必要になることは言うまでもありませんが、更年期世代においては、ホルモンバランスの変化によって睡眠の質が低下したり、疲れやすくなったりと、何かと不調に見舞われやすいのが実情。「尿漏れ対策だけのために・・・」というのが本音かもしれませんが、40~50代女性に多い体の悩みとして挙げられる

・体型変化
・便秘
・貧血&めまい
・睡眠の質低下

などもまた、こうした生活習慣の見直しによって改善できる部分ではありますので、更年期前後における食生活や運動習慣の見直しは、尿漏れ対策だけに限らないのです。

骨盤底筋群のトレーニングにおいては、▼中高年に多い尿の悩み・そのメカニズムと予防対策の記事でも詳しく取り上げておりますが、尿漏れ対策としての膀胱トレーニング以外にも、腹圧を高めないための便秘解消運動、メタボを回避するための有酸素運動など、

取り組むべき生活習慣の改善は多々あるのです!

加齢に伴う体質・体型変化と同じように、エストロゲンの減少に伴う尿漏れもまた上手に付き合っていくことが大切です。加齢対策と同様、衰える筋力を維持するよう心掛けること、運動習慣のみならず食生活など生活習慣そのものを見直すことが、尿漏れ対策になりますので、日ごろからこれらの習慣づけを意識するようにしましょう。

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