中高年女性に多い更年期からのいびきと甲状腺機能の関連性

中高年女性に多い更年期からのいびきと甲状腺機能の関連性1

いびきは無縁と思っている女性に多い更年期からのいびき

いびきなんて自分には関係ないと思っていたのに、最近になって家族からいびきを指摘されてショック…

というご経験をされた方、いらっしゃいませんか?
今までまったくその兆候はなかったのに、急にいびきをするかくようになった・・・などの悩みは、40~50代の女性に多い傾向があります。

いびきの原因としては、過去記事「▼パートナーのいびきで眠れない!いびきを止める簡単な方法」でもお伝えいたしまいしたが、習慣的にかくいびきの主な原因として

・肥満や生活習慣病
・就寝前のアルコール摂取
・顎が小さいなど体の特性

などが挙げられますが、上記以外にも40~50代の更年期に該当する女性の場合には、女性ホルモンの分泌量が減少することによって、就寝中に気道を広げる働きが弱まって、気道が塞がれることで、いびきをかきやすくなります。

女性ホルモンにはそんな働きもあったの?!

と思われる方も多いかもしれませんが、過去記事「▼一番寝れない年代は40代?ストレスと睡眠時間の関連性」でも取り上げたように、2種類ある女性ホルモン「エストロゲンとプロゲステロン」のうち、

プロゲステロンは呼吸中枢を司って気道を広げる働き

があり、特に閉経後はプロゲステロンが大幅に減少することで、いびきをかきやすくなるのです。その他にも、女性ホルモンが減少することでホルモンバランスが乱れ、代謝が悪くなって脂肪がつきやすくなることも、いびきの一因として挙げられるでしょう。

加齢による老化現象だから仕方ない・・・と諦めてしまいがちですが、上記の要因以外にも、特に女性に多いのが

甲状腺機能の低下によるもの

40~50代の女性には、健康診断などで指摘された経験がある方も少なくないのではないかと思いますが、甲状腺は体温調整や新陳代謝を促す甲状腺ホルモンを作り出す、体の健康を維持するうえで重要な器官。

更年期と共に甲状腺の機能が低下することで、いびきはもちろん、睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害が出やすくなる傾向にありますので、特に40代以降の女性においては、こうした症状といびきの関連性の知識を高めておく必要があります。

今回は、

いびきと甲状腺機能の関連性について

焦点を置き、加齢とともに身体にどのような変化が起こり、どのように対処していくべきかをご紹介していきます。いびきに関しては本人は気づきにくいのはもちろん、ご家族の協力や理解が欠かせない部分ではありますので、ご家族みんなで理解を深められるよう心掛けましょう。

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いびきで分かる?!身体の疲れやストレスのバロメーター

中高年からいびきをかきやすくなるのは甲状腺機能の低下が原因?

中高年女性に多い更年期からのいびきと甲状腺機能の関連性2

さて、甲状腺異常によるいびきの原因は更年期の症状とよく似ているとお伝えしましたが、まずは甲状腺にはどのような働きがあるのか見ていきましょう。

甲状腺とは、いわゆる「喉ぼとけ」のすぐ下にある小さな臓器のこと。蝶が羽根を広げたような形をしており、ここから甲状腺ホルモンが分泌され、全身の新陳代謝や成長を促している私たちの体にとって大事な器官の一つです。

更年期と共に何らかの甲状腺異常を指摘されることが多い傾向にありますが、冒頭にご紹介した甲状腺機能の低下のほか、何かしらの原因で甲状腺が腫れてしまうと、気道を塞いでしまい、いびきをかきやすくなります。

なお、甲状腺機能の低下や異常は、

主だった自覚症状がないのも特徴

で、個人差こそありますが、疲れやすくなったり、動悸がする、汗をかきやすい、イライラして落ち着かないといった精神的な症状と思われがちです。即座に命にかかわる病気ではなく、老化現象のひとつでもあるので、友達同士でも「更年期が始まった」と、笑い話程度に捉えることも多いのですが、

それに合わせていびきをかいている可能性がある

という点は覚えておく必要があります。

これまで、いびきをかかなかった人が急にいびきをかくようになった、どこか身体が悪いのかも?と心配する必要もありませんが、疲れやすくなったり、体温調整がうまくできなかったり、やる気がでないなどの更年期障害に加え、いびきに伴う睡眠時無呼吸症候群などで、脳に十分な休息を与えられなかったりすると、

日常生活に支障を来たすことにつながります

ので、気になる症状が長く続くときには、更年期という言葉で片付けることなく、早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

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一番寝れない年代は40代?ストレスと睡眠時間の関連性

女性に多い甲状腺ホルモンの疾患と日常ケア・心がけ

中高年女性に多い更年期からのいびきと甲状腺機能の関連性3

ここまで見てきた通り、甲状腺に関わる病気の症状は、他の病気と間違われやすいものだということが分かりました。最近よく名前を耳にするようになった「バセドウ病」や「橋本病」も、この甲状腺ホルモンの働きが変化して起こる病気の代表的なものです。

≪バセドウ病≫
甲状腺ホルモンが多く分泌され過ぎて甲状腺が腫れたり、汗をかきやすくなったりといった症状が出ます。

≪橋本病≫
バセドウ病とは逆に、甲状腺ホルモンが減って甲状腺の機能が低下する病気。甲状腺の炎症によって腫れたり、全身がむくんだりといった症状が出ます。

これらは、甲状腺異常の代表的な病名ではありますが、甲状腺異常が必ずしも上記に当てはまる訳ではありませんし、治療が必要かどうかは専門医の診断が必要な部分ではあります。

更年期における日々のケアについては、過去に色々とご紹介いたしました▼更年期に関する記事一覧などもご参考にしていただければ思いますが、多忙な日々を過ごす現代社会においては

ストレス解消と良質な睡眠が何より重要

であることは言うまでもありません。

良質な睡眠な睡眠を取るためにも、いびきの問題は解消する必要がありますが、良質な睡眠には、まず睡眠環境を整えることも重要。枕や布団、マットレスなどの外部要因を見直し、規則正しい睡眠時間が取れるよう、生活リズムや習慣を見直すことから始めましょう。

また、ストレス解消・軽減においては、甲状腺異常に関わらず、

健康維持のための必須条件

と言っても過言ではありません。
ストレスの解消方法においては人それぞれではありますが、基本的にウォーキングなどの適度な運動、栄養バランスの取れた食事、日々の入浴など、毎日の生活のなかで特別意識しなくても、心がけひとつで実践できることばかりです。

甲状腺機能の低下抑制などを意識するのであれば、甲状腺ホルモンの主原料となる

昆布などのヨウ素を多く含んだ食品

を多く摂るよう心がける必要がありますが、冒頭でご紹介したバセドウ病や橋本病などは、ヨウ素の摂り過ぎで甲状腺が腫れたり、甲状腺機能をさらに低下させるリスクもありますので、必ず医師の診断および指示を仰ぐようにしましょう。

いかがでしたでしょうか?

女性に多い更年期からのいびきは、女性ホルモンや甲状腺の働きが関係していることが少なからずあります。更年期だからと言って自分ひとりで悩みを抱えるのではなく、何か身体の変調を感じるなら、家族に相談したり、早めに専門医に受診するよう心がけましょう。

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