中高年からの抜け毛にヘアケアは効果的?女性の髪の悩みあれこれ

中高年女性の髪の悩み抜け毛・パサつき・コシ低下はなぜ起こる?
主に30代後半から40代以降の女性における加齢症状の悩みのひとつである髪質変化。
白髪や毛量の減少に限らず、ハリやコシの低下、ツヤの減少から縮毛まで、個々人によってその症状は様々ではありますが、いずれの髪質変化も年齢を感じさせることから、女性にとっては少々受け入れがたい老化現象のひとつかもしれません。
もちろん男性においても老化による毛髪の変化は顕著で、ご承知のとおり「薄毛・抜け毛」はその典型ではありますが、
綺麗な髪は女性の象徴で髪に対する意義が男女で異なる
ということを考えても、加齢による女性の髪質変化は、できる限りケアで抑制することが理想。40代以降ともなると、実際に多くの女性が髪質の変化を実感するわけですが、単に「髪が傷んでいる」程度の判断にとどまり、市販のトリートメントやヘアパックを使用するといったアウターケアに留まるのが実情。老化による髪質変化は、言うまでもなく髪の毛を生成したり、髪の毛の水分量が減少したりと、
体内部の変化要因の方が大きい
ため、アウターケアよりインナーケアの方が重要とされているのです。
加齢による髪質の変化は、
- 白髪-加齢によってメラニン色素の生成が減ることが原因
- 毛量の減少-毛髪の成長を促す毛母細胞の機能低下
- まとまりにくい・広がりやすい-加齢による髪の水分不足や髪密度の低下
- ツヤやコシがない-髪を成長させる女性ホルモン「エストロゲン」の減少
- パサつきやうねり-髪の栄養不足や頭皮の血行不良
などが挙げられ、いずれも髪の毛自体の傷みではなく体質変化が大きな要因となっています。
女性にとって髪は、大きな外見要素であり、魅力であり、精神的な支えと言っても過言ではありませんが、それほどまでに重要な体の一部であるにもかかわらず、
ヘアケアの重要性はスキンケアに遠く及ばない
というのが実情で、習慣的にヘアサロンでトリートメントなどのアウターケアを実施している人はいても、加齢による機能低下に対する栄養面でのケアや生活習慣の見直しなど、
インナーケアを実施している人は少数に留まっている
のが事実です。
この記事では、そんな中高年における髪のエイジングケアにスポットを当て、40代以降でも艶やかでハリのある髪を維持するための対策についてインナーケアを中心にご紹介。髪質を大きく左右する女性ホルモン「エストロゲン」の減少は避けられないことから、それを補完すべく積極的に摂りたい栄養素や、日常生活・生活習慣での留意点などを取り上げていきます
「加齢によってなぜ髪質が変化するのか?」という点をしっかりと理解し、そのメカニズムを知ることで効果的な対策が取れるようになるため、これまでアウターケアばかりに頼っていた方は、この機会にぜひ毛髪のインナーケアを意識してみてはいかがでしょうか?
誤解の多い中高年のヘアケア~年齢による髪質変化の鍵は「習慣」

個人差こそあっても、40代以降ともなると誰しも加齢による髪質の変化が生じます。ボリュームがなくなり薄毛感が目立ったり、いかにも傷んだ髪のようにパサついたりと、髪質変化には当然個人差がありますが、全体的に貧相に見えてしまう点では女性にとって相当にネガティブになってしまうのも事実。
ただし、こうした変化の原因や要因を把握する前に
シャンプーやトリートメントを変える
という思考に走りやすいため、実際に高いトリートメントを使っても効果が出なかったり、多少の変化が感じられても根本原因の解消にはつながらなかったり、というケースが多いのではないでしょうか?
加齢による髪質変化の代表的な症状と原因を幾つか取り上げますと
1,うねり・パサつき
髪の毛の水分量の低下による乾燥が主な原因で、女性ホルモンの分泌量が減少することで、髪の水分保持力が低下して乾燥しやすくなります。「うねり」においても、水分バランスの乱れ、髪の内部組織の加齢変化などが影響していると考えられています。
2,ハリ・コシ・ツヤの低下
こちらも女性ホルモンの減少によるホルモンバランスの変化や、腸機能の低下による栄養吸収効率の低下、運動不足などでの血行不良による頭皮環境の変化などが原因として挙げられます。その他、生活習慣の乱れや飲酒・喫煙なども要因のひとつになります。
3,細毛・薄毛・抜け毛
加齢に伴うヘアサイクルの変化や乱れ、女性ホルモンの減少、髪の毛を作る毛母細胞の機能低下などが挙げられ、髪の毛が成長しきる前に抜け落ちたり、そもそも髪の毛が作られなくなったり、ペースが遅くなることで薄毛や抜け毛が広がります。
4,白髪、その他
加齢によって髪の毛に色を付けるメラノサイトの働きが低下することで白髪が増えます。メラノサイトは、毛髪を包む皮膚組織の根元近くに存在しメラニン色素を作っていますが、加齢に伴う栄養吸収効率の低下のほか、ストレス、生活習慣の乱れなどもその働きを低下させる要因となります。
これだけ見ても、いかにアウターケアよりインナーケアの方が重要であるということは言うまでもありません。つまり
- 加齢に伴う体の機能低下や変化をインナーケアで抑制する
- それと併せて頭皮やトリートメントなどのヘアケアを同時に行う
といった習慣的な意識を持つことが肝要です。
特に女性においては、加齢によって女性ホルモンの減少は避けられないだけでなく、筋量減少などによって毎日食事から取る栄養全体量も減少する傾向にあります。加齢による体の変化や毛母細胞の機能低下は避けられませんが、バランスの取れた食事や適度な運動習慣など、
食生活や生活習慣は意識次第で変えられる
ことから、まずは毛母細胞の活性化に必要なタンパク質やビタミン類といった栄養素をしっかりと摂ることや、規則正しい生活リズム、質の高い睡眠、さらには血行促進という観点での適度な運動などを習慣化することから始めてみると良いでしょう。
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前段では、食習慣や生活習慣などのインナーケアを中心にご紹介いたしました。
特に、髪の毛の成長に不可欠な毛母細胞を活性化させるためには、
- 良質な睡眠を十分に取って規則正しい生活を心がける
- 適度な運動で血流を促進し、頭皮に栄養を届ける
- 毛母細胞の活性化に必要なタンパク質やビタミンB群などを摂る
という意識を持って、習慣化させることが重要だとお伝えしました。
では、一方のアウターケアはどのようなことを行えば良いのでしょうか?
中高年におけるヘアケアの主要テーマは「地肌の保湿」
であり、加齢によって皮脂の分泌が減り、無条件で頭皮が乾燥しやすくなるという点が一つ。もう一つは、女性特有の冷え性などを背景に血流が悪化して、頭皮の栄養が不足しがちになる点。この2点を押さえたアウターケアを意識すると良いでしょう。
まず1点目の乾燥対策ですが、基本となるのが
頭皮が乾燥しやすいシャンプーを避ける
という点が挙げられ、洗浄力の高い「ラウリル硫酸Na」が主成分となっているものや、香りの強い香料やアルコール成分が多く含まれているもの、頭皮がスースーするメントール系シャンプーは、泡立ちや洗い心地も良いのですが、頭皮が乾燥しやすいという点は留意しておく必要があります。
少し皮肉的な話になってしまいますが、中高年ともなると水分も油分も不足がちとなりますので、
シャンプーにおいては高い洗浄力は必要ない
と割り切り、価格的には少々高めとなりますが、保湿性の高いアミノ酸系シャンプーや、ヒアルロン酸やハチミツなどが含有されているシャンプーを選ぶようにしましょう。なお、保湿に特化したシャンプーかどうかの見極めポイントは、シャンプーボトルの成分表示において
「水」の次にアミノ酸系界面活性剤が記載されているかどうか?
を確認し、水の次にラウリル硫酸Naなどが記載されている製品は、洗浄力重視であると判断できますので、頭皮の乾燥が気になる方や敏感肌の方は避けた方が良いでしょう。
続いては、洗髪後における頭皮ケアについてです。
頭皮ケアも同様、「保湿」を意識する必要がありますが、頭皮ケアの場合、さらにそこに血行を促すマッサージという点も加わってきます。冒頭でもお伝えしたように、各体の部位に栄養を送り届ける血流は非常に重要な役割を担っており、頭皮においては、
必要な栄養が不足することで毛母細胞の働きが低下
こうした機能低下が、抜け毛や髪質の低下の要因となるのです。
加齢と共に血管の柔軟性は低下し、毛細血管も細くなることから、嫌でも頭皮の血流は悪化するもの。血流を促進して十分な栄養を行き渡らせるためにも、頭皮をマッサージして柔軟性を高めることはもちろん、頭皮用の保湿ローションなどを活用することで、保湿+毛根への栄養供給も促進できます。
なお、頭皮用の保湿ローションについては、ヒアルロン酸やセラミドのほか、その他
天然由来成分が多く配合されたもの
を選ぶようにし、生活習慣や食習慣の改善であるインナーケア、頭皮の保湿と柔軟性の維持であるアウターケア、両方を習慣化して、いつまでの艶やかでハリのある髪の毛をキープできるようにしましょう。