睡眠不足が招く仕事のパフォーマンス低下と性格の変化
もはや現代病とも言える慢性的な睡眠不足
人間にとって欠かすことのできない活動のひとつに挙げられる睡眠。
食事や運動など、普段から健康に気をつかっている方でも、睡眠においてはそれほど深い知識がある訳ではなく、慢性的に寝不足気味という方も少なくありません。
睡眠については、
体の疲れの回復や脳の休息という重要な目的
があり、しっかりと睡眠を取らなければ、一日の疲れを十分に回復することができず、日中に眠気を感じたり、体がだるかったりと、日常生活にある程度支障を来たしてしまうこともありますが、時間に追われる現代社会においては、
十分な睡眠時間を取れていない人が多い
のも実情です。
適正な睡眠時間においては、科学的な根拠があるわけではなく、また個人差こそありますが、平均すると6~8時間程度が平均で、逆に9時間以上の睡眠は健康リスクが高いと言われています。もちろん健康リスクだけではなく、日常生活における睡眠不足の影響は
・慢性的な眠気
・疲労感や倦怠感
・集中力の低下
・もの忘れ
・食欲不振や過多
・ストレスやイライラ
など様々な状態を引き起こし、生産性やパフォーマンスが低下することは言うまでもありません。
今回は、この慢性的な睡眠不足が引き起こす生産性の低下や、ストレスなどから来る性格の変化などに焦点を当て、睡眠不足における身体への様々な影響について検証していきます。
たかが睡眠不足・されど睡眠不足
現代社会においては、睡眠時間を犠牲にしなければならないことも多い傾向にありますが、いかに睡眠が重要であるか?ということを再認識し、睡眠という観点からも健康リスクを考えるよう、睡眠の重要性を再認識しましょう!
▼関連記事
慢性的な睡眠不足が高血圧や糖尿病の原因に?
眠気や集中力の低下に留まらない睡眠不足の影響
上記でもご紹介したように、睡眠不足においては日中の活動のパフォーマンスを低下させることで、直接的な健康リスクは低かったとしても、間接的には様々な悪影響を及ぼす恐れがあります。
・車の運転中の居眠り
・作業現場などでの事故
・デスクワークでの作業ミス
これら全てが睡眠不足に起因するわけではありませんが、集中力や記憶力が低下することで作業ミスが多くなることは事実で、その作業ミスが大きな事故を招き、ケガやストレスの原因になる可能性があることは言うまでもありません。
また、集中力やパフォーマンスの低下以外にも、不規則な生活リズムから身体の新陳代謝のリズムや自律神経が乱れ、
食欲を増やすグレリンというホルモンが増加
して肥満の原因にもなります。寝る時間を削る一方で、活動する時間が長くなることからお腹が空いてくるのは当然ですね・・・
これらのように、睡眠不足の影響をひと言で言えば
効率が悪くなる
ということですが、その効率悪化がストレスの要因になり、そのストレスがスパイラル的に身体に大きな負担をもたらすということも忘れてはなりません。ストレスによる体重の増減などはもちろん、慢性的にイライラして怒りっぽくなることで、
対人関係にも影響を及ぼす可能性
もあるのです。
・あの人はいつも一人でイライラしている
・部下へのあたり方がいつもキツい
・どうして思い通りに事が進まないんだ
など、自分では気付かないうちに性格そのものが変わってしまっているかもしれません。
いつもイライラすることが多いという人は、一度睡眠時間や睡眠環境を見直してみると良いでしょう。
▼関連記事
肥満の原因?!慢性的な睡眠不足と生活習慣病
思い通りにならないストレスから、キレやすくなる場合も?!
ストレスの要因については睡眠不足だけに限ったことではありませんが、過去記事
「▼一番寝れない年代は40代?ストレスと睡眠時間の関連性」でもご紹介しているように、ストレスによってさらなる睡眠不足を招くことにもなりかねません。
例えば、
寝坊をしてしまって約束の時間に間に合いそうにない
といったストレス状況下では、冷静な判断を下すのも難しいですし、周りの人に対しても「この人遅いなー」といった具合に攻撃的になる傾向にあります。緊張状態が続き、自律神経における交感神経の働きが優位となってアドレナリンが分泌されているような状態です。このように、睡眠不足が続くと
身体が常にストレスを感じた状態となり
怒りっぽくなったりキレやすくなったりする傾向があるのです。その他にも、加齢によって大脳の感情コントロールの働きが低下し、些細なことで怒りっぽくなったりするケースもあり、高齢者においてその傾向は顕著です。
何事にもストレスを感じてイライラする
こんな状態が続けば、ご夫婦でもケンカが絶えなくなりますし、会社の上司部下、友人知人などの人間関係においても、性格が変わってしまったと思われても致し方ありません。言うまでもなく周りの友人知人は、あなたと距離を置くようになるでしょう。
これらのように、単に慢性的な睡眠不足によって
・体調不良など身体への直接的な影響
・日常生活における効率の悪化
・ストレスによる性格の変化
・職場や家庭における人間関係の悪化
などのリスクが考えられ、決して軽視できる問題ではありません。
睡眠不足自体は自覚症状があったとしても、知らず知らずにストレスを溜め込んで周りの人にキツく当たってしまっていることも珍しくありませんので、特に時間や気持ちに余裕がないメンタル状態であれば、
なおさら睡眠時間に時間を割く
ということを重視して、運動や入浴でストレスを発散しつつ、質の高い睡眠を取るよう心掛けると良いでしょう。寝不足を解消して、生活そのものの「質」を改善してみてはいかがでしょうか?
▼関連記事
睡眠は時間よりも質が重要と言われる要因は?