リコピンはトマト、ではルテインは?~ルテインが多く含まれる食材
緑黄色野菜は知ってるのに意外と知られていないルテインの存在
健康を意識するうえで毎日の食卓に欠かせないのが緑黄色野菜。
その言葉どおり、緑や黄色の野菜をイメージされる方が多いかと思いますが、実は緑黄色野菜には明確な定義があり、厚生労働省の基準では
原則として可食部100g当たりカロテン含有量が600μg以上の野菜
を指しています。
主な野菜としては、ほうれん草や小松菜、青ねぎ、ピーマン、トマトやニンジンといった身近な野菜が多いのも特徴で、その調理方法も多彩にあることから比較的手軽に食べられるといったメリットがあります。
緑黄色野菜に含まれる栄養素については、その定義にも含まれるカロテンのほか、
・ビタミンCやビタミンK
・カリウムや葉酸
・カルシウムや食物繊維
など、健康維持には欠かせない栄養素が豊富に含まれていることから、特に健康を意識していなくても積極的に摂取したいとこではありますが、厚生労働省が公表する令和元年の国民健康・栄養調査報告によると、
緑黄色野菜の1日あたりの平均摂取量は40代で69.8g
※出典:厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査報告」
https://www.mhlw.go.jp/content/000710991.pdf
となっており、同省が理想とする摂取量目安・1日120gを大きく下回っていることが明らかです。
多くの方が「野菜不足」を感じている昨今の日本の食生活ですが、
数値としても明らかに野菜の摂取が不足
しており、健康を維持するために必要な栄養素が不足しているのが実情です。
そこで今回ご紹介するのが、摂取不足が懸念される緑黄色野菜に含まれる栄養素のなかでも、意外と知られていない栄養素「ルテイン」にフォーカスし、そもそもルテインとはどんな栄養素で、どのような野菜から摂取できるか?など、様々な視点でルテインの魅力についてご紹介していきます。
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緑黄色野菜には、カロテンのほかビタミンCやビタミンKが豊富に含まれることをご紹介しましたが、そもそもカロテンとは天然の色素カロテノイドの一群の総称であり、代表的な色として黄や橙、赤などが挙げられます。トマトが赤いのも、ニンジンが橙色であるのも、枯れ葉が赤いのもカロテノイドの着色です。
色素成分というだけでは、人間の体に必要な栄養素だと考えにくい部分もありますが、β-カロテンやリコピンといった色素成分は
人間の体内でビタミンAに変換される
という点がポイント。ビタミンAは体内の抵抗力を強める役割を持つほか、目の粘膜を健康に保ち、暗いところでの視力を保つ働きがあることで知られています。なお、余談ですが色素成分カロテノイドには、
カロテン類とキサントフィル類の2種類に分類され
カロテン類にはα-カロテンやβ-カロテン、リコピンなどがあり、キサントフィル類には、今回の主役であるルテインやアスタキサンチンといった成分が含まれます。体内でビタミンAに変換されるのはα-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチンの3つで、ルテインやリコピンなどはビタミンAには変換されませんが、
冒頭にもありますが、
リコピンと言えばトマト
β-カロテンと言えばニンジン
といった具合に、一部のカロテノイドにおいては、その成分が多く含まれる野菜の認知が広まっておりますが、ルテインと聞いても???となってしまうのが現状。目の健康成分であるルテインを多く含む主な野菜は
・ケール:20.7mg
・ヨモギ:12.6mg
・パセリ:10.2mg
・ほうれん草:8.5mg
・小松菜:7.2mg
(可食部100gあたりの含有量)
※出典:文部科学省・日本食品標準成分表
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/index.htm
などが挙げられ。
ただ、上記のとおりルテインを多く含む野菜の難点としては
身近な野菜とは言いがたく苦味や渋みも強い
という点が挙げられ、もちろん個人差がある部分ではありますが、ケールという野菜をご存じない方も少なくありませんし、ヨモギも日常の食卓で並ぶ野菜ではないかもしれません。また、1日の摂取目安量は明確な定義こそありませんが、日本人の食事摂取基準の策定に関する基礎的研究によると、1日あたり30mg程度の大量摂取でも人体に害がないとしています。
出典:日本人の食事摂取基準(栄養所要量)の策定に関する基礎的研究
http://www.shc.usp.ac.jp/shibata/H16-18.I-09.pdf
ルテインを習慣的に摂る場合、例えばケール原料の青汁を飲んだり、小松菜やほうれん草のおひたしを食べるなど、ある程度の選択肢はありますが、いずれも苦味や渋みがありますので、その点をどのように克服するかを次の章で見ていきましょう。
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上記でご紹介したとおり、ルテインを日常的に摂取するためには、ケールやよもぎ、小松菜などの緑黄色野菜を食事に取り入れる必要がありますが、
そもそもケールは一般的なスーパーに並んでいないことも多く
単体では苦味も強いので、なかなか食卓に並べるのが難しい食材なのが実情。ほうれん草や小松菜のおひたしなどは手軽に作れますが、ケールやパセリなどを積極的に使った調理レシピを幾つかご紹介いたします。
ルテインの摂取を意識しなくても美味しく食べられる
というのが継続できる秘訣ではりますので、これら緑黄色野菜を美味しく食べられる絶品レシピを試してみてはいかがでしょうか?
≪たっぷりほうれん草とベーコンのキッシュ≫
ほうれん草を丸々1束使ったルテインたっぷりのキッシュ。
キッシュレシピの定番ではありますが、オーブンがない場合はパイシートを使わずにオムレツ風にしてもOK。作り方も簡単で、ほうれん草、卵、ベーコンがあれば30分程度で作ることができます。オリジナルでアレンジしたレシピも多数紹介されているので、自身でお気に入りのレシピを色々と試してみると良いでしょう。
≪ケールとパセリの和風パスタ≫
こちらも時短で手軽に作れるルテインたっぷりレシピ。
ケールの葉はお好みに応じて3~4枚程度使用、事前にケールと豚肉などをフライパンで炒め、ニンニクなどで香り付けを行うと食欲も増すでしょう。あとは茹で上がったパスタを加えて軽く炒め、刻んだパセリをふりかければできあがり。お好みの応じてしめじなどのキノコ類などを加えても良いでしょう。
≪小松菜と鶏肉のクリーム煮≫
野菜の苦味が苦手な方にオススメなのがこのレシピ。
寒い冬にもってこい!のあったかクリーム煮で、柔らかく煮込んだ小松菜と鶏肉の相性が抜群。お好みでベーコンやしめじを加えてボリューム感を出せば、夕食のメインディっシュにもなります。材料は、小松菜、鶏肉、牛乳、コンソメ顆粒だけ。煮込んだ小松菜と鶏肉に玉ねぎなどを加え、牛乳とコンソメで煮詰めたクリームソースに加えるだけの簡単レシピです。
こうしてみると、意外と身近なレシピでもルテインが摂れるんですね!
苦味の強い食材でも、調理次第では毎日美味しく食べられ、さらには習慣的にルテインを摂取することができるので、特に40代以降、老眼が気になり出したら、意識的にこれら緑黄色野菜を取るよう心掛けましょう!
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