激痛は前触れなくやってくる?急な膝痛の原因と対処法
激痛は突然やってくる!?急な膝痛の主な原因
肩こりや腰痛とは異なり、普段の生活を送るうえでそれほど大きな悩みを抱えることが少ないのが「膝」。職業的に激しいスポーツなどを行っている人以外は、膝が痛いとか、膝が曲がらないとか、そういった不自由を強いられている人はそれほど多くないかもしれません。
ただし、高齢者はもちろん40~50代の中高年ともなると決して他人事ではなくなってきます。
前回記事「▼高齢者の3割超が膝痛に悩み!加齢と膝痛との因果関係」でも取り上げているように、加齢と共に膝の柔軟性が失われていくことはもちろん、
関節を支える軟骨や周辺筋肉も衰えてくる
ことから、多くの方が膝に対する何らかの不安や違和感、痛みなどを抱えてくることになるのです。もちろん、膝の痛みは中高年や高齢者に限ったことではなく、10~20代の若年層でも発症することがありますが、これら年代における膝痛の多くは
体の衰えではなくスポーツや怪我などによる外傷
であり、中高年における「変形性膝関節症」のような典型的な膝痛とは痛みの種類が異なるという点は理解しておく必要があります。変形性膝関節症については、上記前回記事にて詳しく紹介しておりますが、
その痛みは得てして急に来ることが多い傾向
にあり、健康を意識してのウォーキングの最中だったり、日常生活のなかでちょっと小走りした時や駅の階段を降りている時に、急に激痛が走るということも決して珍しいことではないのです。膝痛の場合、痛みが出てしまうと多くの場合で歩行が困難になったり、痛みで寝れなくなったりと生活に支障を来してしまうケースがほとんど・・・
そんな恐ろしい膝痛においては、
誰しもその痛みにさいなまれる可能性がある
ということを認識しておく必要があります。
そこで今回は、そんな膝痛のメカニズムを理解すべく、膝痛の原因と対処法にフォーカスし、特に中高年からリスクが高まる膝の痛みの対策についてご紹介。まずは痛みの原因を知り、正しい対処を行うことの大切さは膝痛に限ったことではありませんが、
少しでも違和感を覚えたらすぐに専門医を受診する
ということを念頭に、その痛みの原因について詳しくみていきましょう。
健康維持のための運動習慣が、逆に膝への負担になっているかもしれない、膝痛を引き起こす原因になっているかもしれませんよ。
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種類と原因は様々~若年でも起こりうる膝痛のメカニズム
体には肩や肘など様々な関節がありますが、「膝関節ほど構造が複雑な関節はない」と言われるほど、骨や筋肉、靭帯、軟骨など様々な組織がそれぞれの役割を担っています。単に膝が痛いと言っても、
膝関節を構成するどの組織に問題が生じているのか?
という点が明らかでないと、その対策も取りようがないことは言うまでもありません。
中高年以降の膝痛においては、膝関節の軟骨がすり減ることによって生じる
変形性膝関節症の痛みであることが大半
で、その他にも関節リウマチといった炎症性疾患の場合もありますが、この両者が圧倒的に多い傾向にあります。
一方の若い世代の膝痛においては、転倒などによって靭帯を痛めてしまったり、走ったりジャンプしたりと、膝を曲げる動作を伴うスポーツのアスリートなどに多く見られます。例えば、ランナーズニーと呼ばれる「腸脛靭帯炎」や、格闘家などに多い「半月板損傷」など、いずれも
膝関節を構成する組織の炎症や損傷などが痛みの原因
言うなれば、中高年からの膝痛は加齢の要因が強い一方、若い世代の膝痛は怪我という傾向が強く、中高年の膝痛は「長い月日を経て徐々に状態が悪くなった」とも言えるため、特に骨や軟骨のすり減りなどによる痛みは、なかなか治癒にくいというのが実情なのです。
中高年以降、特に膝痛を引き起こしやすい方の特徴としては
・BMIが高く肥満気味の人
・普段から運動をしていない人
・激しい運動をしている人
・O脚の女性の方
などは、普段から膝への負担が大きいため、ある日突然痛みが出るリスクが高い傾向にあります。特に中高年ともなると筋肉量も減少し、代謝能力が低下することで肥満になりやすい傾向にありますが、
体重が1kg増えるだけで膝への負担が4~5倍にもなる
ことから、まずは食事制限等で体重そのものを増やさない心がけが大切です。
もちろん、ウォーキングやジョギングなどの運動によって体重を減らすことも重要ですが、それによって膝を痛めてしまう方が多いのも実情。まずは軽めのウォーキングで、膝への負担をサポートする筋力をつける程度の運動を心掛けるようにしましょう。
次の章で、その膝関節の強化について詳しくご紹介いたします。
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中高年の膝痛は体重減と膝の筋肉強化で関節負担を軽減しよう
中高年以降に多く発症する変形性膝関節症は、加齢と共に何年と長い年月をかけながら徐々に関節にダメージを与えていきます。特に膝への負担が掛かるのは、下り坂や階段を降りる動作で、
40代以降に体重が大きく増えたりするとその負担もより大きくなります。
上記でもご紹介したように、膝関節は太ももの骨となる大腿骨(だいたいこつ)と、すねの骨である脛骨(けいこつ)、膝の皿と言われる膝蓋骨(しつがいこつ)で構成され、その骨の間にある軟骨と半月板が、膝の動きに伴う摩擦や衝撃を吸収しています。
当然、長い年月を経ることで軟骨が擦り減りますが、自重が重いほど負荷が掛かることは言うまでもありません。また軟骨自体は再生しないことから、
一度膝が痛み出すと慢性的に症状が出やすい
のも特徴です。
膝関節への負担を軽減するための運動が、逆に痛みの原因になってしまうことも多いため、特に中高年における膝痛においては
無理のない範囲で体重を減らす
ことが効果的で、食事制限によるダイエットはもちろん、有酸素運動においては膝への負担が少ないウォーキングがおすすめです。でも、「膝が痛いなら無理して動かない方がいいのでは?」という疑問も生じますが、膝への負担軽減においては、体重減と同時に
太ももや膝周辺の筋肉量を増やす
といった運動療法が一般的になりつつあります。
水中ウォーキングや自転車なども、膝への負担が少ないもののしっかりと太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えられるため、膝関節を労わりつつ、膝をサポートする筋肉を維持することができます。もちろん、痛みを感じている状態での運動は症状を悪化させる恐れがあるのでNGですが、膝に不安を抱えている状態であれば
膝サポーターやテーピングなどを活用
するのも効果的です。
膝痛の難しいところは、完治させることが難しいことはもちろんですが、
・体を動かさないと痩せない
・体を動かすと膝が痛んで長続きしない
・膝が痛くて体を動かなさいと太ってしまう
というスパイラルに陥ってしまうことにあります。
膝が痛むからといって体を動かさいと、足の筋力そのものが落ちてしまい、結果的に膝への負担が軽減されない・・・ということも起こりうるので、水泳や自転車など
膝への負担が少ない運動を習慣的に取り入れることが大切
ということを覚えておくようにしましょう!
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