2023年後半の健康テーマは「ロコモ対策」~そもそもロコモとは?
近年話題の「ロコモ対策」~そもそもロコモって何?
健康意識の高い方なら今や常識?!というくらい認識が高まっているのが「ロコモ」。
大手携帯キャリアの名称によく似ておりますが、正式にはロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)の略称で、日本語としては「運動器症候群」と言われています。
シンドロームと聞くだけでちょっと抵抗が・・・
そうですね、たしかにシンドロームの代表格とも言える「メタボリックシンドローム」などは、最も身近な健康リスクとして認知されるなか、さらに「○○シンドローム」と言われてしまうと、もうシンドロームのオンパレード(汗)。
○○症候群にはうんざり気味というのが本音かもしれませんが、ロコモティブシンドロームとは、身体を動かすための骨・筋肉・関節などの器官や組織が、何らかの障害のためにその機能が低下した状態を指します。少々まわりくどい言い方かもしれませんが、端的に言うと
立ったり歩いたりといった移動能力が低下すること
をロコモティブシンドロームと言います。
日本の平均寿命は、男女ともに80歳以上になっていることは皆さんもご承知のとおり。
それに伴い健康寿命も約72~74歳と、日常生活に支障を来たすことのない期間の平均も年々伸びている状況ですが、長寿になればなるほど体を動かすための
骨・筋肉・関節などの組織を健康に保つ必要
があることは言うまでもありません。
高齢者における要介護・要支援となる要因の多くが、転倒による骨折や関節疾患であることを考慮しても、やはり多くの方が何かしらの運動器の障害が起こりやすいのが現実ですので、若いころから適度な運動習慣を身につけることの重要性を改めて認識する必要があります。
いつまでも介護の必要がない明るい老後人生
というと少々大げさかもしれませんが、いつまでも自分の足で自由に歩き回れるための心構えのひとつとしての「ロコモ対策」の重要性の認識、そしてロコモティブシンドロームを抑制するための生活習慣などを具体的に見ていきましょう!
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生活に支障を来たす膝の痛みの原因と日常的に取れる対策
要支援・要介護の約25%が人間の基本動作「立つ・歩く」の低下
年を重ねるごとに、筋力の低下であったり、関節の軟骨のすり減りだったりと、様々な老化現象に見舞われることは、個人差こそあれど誰にも避けられない部分ではあります。過去記事「▼膝を強化するために必要な栄養素とサプリメントの活用法」でもご紹介しているように、
老化現象とは上手に付き合っていく
という考え方が浸透しつつありますが、とは言え「ロコモ」のように、自分で立ち上がる・一人で歩くといった人間の基本動作に支障を来たし、要介護・要支援の状態なってしまうのは避けたいところ。実際に
要介護者の約25.0%は運動器障害が原因
※出典:日本老年医学会「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」
https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/publications/other/pdf/review_geriatrics_49_393.pdf
となっており、おおよそ4人に一人の割合で「立つ・歩く」という動作が困難になっているのが現実。
当然、食事、トイレ、お風呂などの日常生活に支障を来たすことになるので、本人だけでなく介護者となるご家族などにも影響を及ぼすことになるのです。
でも、年を取る以上ロコモは避けられないのでは?
と思われるのも自然なことではありますが、一般的にロコモになりやすい人の特徴として
・変形性膝関節症
・変形性腰椎症
・骨粗しょう症 など
骨に関する疾患との関連性が高い傾向にあります。
例えば、40代以降ともなると多くの方が筋肉量が低下し、膝などの関節に掛かる負担が大きくなってきます。また、40代以降に多い肥満やメタボなども言うまでもなく膝などの下肢に負担を掛ける要因ですし、逆に痩せている場合も
骨がもろくなったり、筋力不足を背景に機能低下
を起こしやくなってしまいます。
言うまでもなく肥満は論外ですが、筋力を維持しようと過度な運動を習慣化させると変形性膝関節症などを起こしやすく、逆に痩せすぎは骨がもろくなりやすい・・・
実はロコモ対策って思っている以上に難しい
という点を認識する必要があります。
毎日運動しているから自分は健康!っという方は、今一度ロコモのリスクを再認識して、下肢に過度な負担が掛かっていないか、下肢の関節は本当に健康なのかを見つめなおしてみると良いでしょう。
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ロコモ対策の鍵は下肢筋力!日常の心がけで健康寿命を延ばそう
上記でもご紹介したように、
・「ロコモ」とは、立つ・歩くといった基本動作の機能低下
・若い頃から運動習慣を身につけることが重要
・ただし、運動の「し過ぎ」や「しなさ過ぎ」もロコモリスクを高める
言うなれば「どっちつかず」かもしれませんが、40代以降に筋力が低下したり、骨が弱くなってしまうリスクが高まるのは避けられないところではありますので、ロコモ対策の意識を持つこと、それに対応すべく運動習慣であったり、食生活を意識することが大切なのです。
ここでは、ロコモリスクを低減する取り組みたい3つの対策をご紹介します。
1,下肢の筋力維持でのロコモ予防
まず、第一に行いたいのが下肢筋肉の維持・強化で、膝や足首などの関節に負担が少ない水中ウォーキング、バイク、スクワットなどで大腿四頭筋などの大きな筋肉を日々動かしておくことが肝要です。ジョギングなどのハードな運動は、変形性膝関節症などのリスクを高めますので、特に高齢の方は無理のない範囲で行うことが肝要です。
2,適切体重を管理するうえでのロコモ予防
年齢問わず、適切な体重の維持・管理は重要であることは言うまでもありませんが、特に40代以降ともなると、筋肉量は低下する一方で、内臓脂肪などが増えるメタボのリスクが高まります。当然、体重が増えることで膝をはじめとする下肢への負荷が増加し、関節疾患のリスクを高めます。また、痩せすぎも筋肉量の減少のみならず、骨粗しょう症など骨がもろくなりやすいので、しっかりと栄養を摂る必要があります。
3,筋肉を減らさない食生活でのロコモ予防
皆さんもご存じのとおり、骨を形成するカルシウム、筋肉を作るタンパク質など、ロコモのリスクを低減するのに必要な栄養素を意識的に摂ることもロコモ対策には重要です。骨の強化にはカルシウムとビタミンD、筋肉の強化にはタンパク質、ビタミンD、ミネラルなど、大幅な体重増につながらない範囲で筋肉量を増やす、維持させることを心掛けるようにしましょう。
冒頭でもお伝えしたように、ロコモは立つ・歩くといった運動機能の低下、つまり
中高年の定番フレーズ「足腰が弱る」
という状態であり、そのまま何も対策をしなければ要介護・要支援の可能性が高まるという状態です。寝たきりとまでは言わなくとも、日常生活に支障を来たすことのない老後を迎えるためにも、今後ますますロコモ対策の重要性が認識されるようになることは間違いありません。
何事も物事を始めるのに遅いことはありません
ので、この機会にぜひロコモ対策をより理解し、日々の生活に取り込んでいくようにしましょう!
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