あなたのロコモ度は?足腰にガタが来る前に手軽にできるロコモチェック

実は意外と難しい?手軽な立ち上がりテストでロコモ度チェック

年齢を重ねるごとに、機能の衰えを如実に感じる点のひとつが運動機能。
駅の階段を昇るだけで息が切れる、荷物を持ち上げると腰が痛い、肩が痛くて腕が上がらない・・・などなど、運動機能と言っても、歩く・走るといった日常生活に深く関わる動作以外にも様々な部分で衰えを感じてくるのが40代以降の中高年の傾向でもあります。

前回記事「▼2023年後半の健康テーマは「ロコモ対策」~そもそもロコモとは?」でも触れましたように、日本の平均寿命が伸びると同時に、健康寿命も70代前後と飛躍的に伸びつつありますが、一方で

要支援・要介護者の約25%が立つ・歩くの機能が低下

というのも現実であり、4人に1人の割合で歩行が困難になったり、一人で起き上がれなかったりといった障害に悩まされているのが現代の日本の実情ではあります。そこで近年注目しているのが「ロコモ対策」であり、中高年以降に顕著となってくる筋肉量の減少や骨密度の低下といった老化現象を少しでも抑制するためにも、

立ちあがる・歩くといった重要な役割を担う下肢組織の強化

を心掛け、若い頃から適度な運動習慣を身につけることの重要性をピックアップしました。また、膝や足首といった関節に負担を掛けないためにも、肥満にならないための体重管理や、骨や筋肉を減らさないために摂りたい栄養素などもご紹介しました。

ただし、1点気になるポイントとしては

現時点でどの程度運動機能が低下しているの?

という点に尽きるのではないかと思います。
そりゃ誰だって知りたい内容だとは思いますが、実はこれ

意外と簡単なテストでロコモ度のチェックができるんです!

今回の記事では、「足腰が弱った」との自覚が深まる多くの中高年の方を対象に、自分自身の下肢能力がどの程度低下しているかをチェックする簡単ロコモ度チェックの方法をご紹介しつつ、足腰といった下肢機能を衰えさせないための生活習慣についてご提案していきます。この機会にぜひ、

いつまでも健康的に活動できる運動機能の維持の大切さ

について見なおしていただきたいと思います。

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ロコモ度判定から見える移動機能低下と生活習慣

それでは早速ですが、「あなたのロコモ度を測る!簡単ロコモ度チェック」
の方法をご紹介していきます。

ロコモ度チェックにおいては、幾つかの方法がご紹介されているのですが、ここでは厚生労働省が提案するロコモチャレンジ推進協議会の公式ロコモ度テスト(※)をピックアップします。

※出典:厚生労働省「ロコモ度テスト」
https://www.mhlw.go.jp/content/000656490.pdf

■ロコモ度テスト~その1「立ち上がりテスト」

立ち上がりテストでは、下肢の筋力の衰えをテストする内容。
テスト方法は至って簡単で、40cm程度の台に両腕を組んで腰かけ、反動を付けずに立ち上がることができるかどうか?をテストします。最初は両足をついて立ち上がり、次に片足で立ちあがることができるかどうかを試します。

テスト内容自体は至ってシンプルで、場所を選ばず手軽に試すことができますが、

片足で立ちあがるのって意外と難しくない?

しかも、片足で立ち上がったあとはそのまま3秒間姿勢をキープする必要があり、高齢者でなくても、中高年の方でもすでにできない人が結構いるのかもしれません。ちなみに、両足でも立ち上がることができなければ「ロコモ度2」という判定となり

既に移動機能の低下が進行している状態

片足で立ち上がれない人は「ロコモ度1」という判定で

移動機能の低下が始まっている状態

と判定されます。

■ロコモ度テスト~その2「ステップテスト」

続いては歩幅を推し量るテストです。
できる限り大股で2歩踏み出して、その距離を測るといったテストで、その踏み出した2歩幅の長さを用いて「2歩幅(cm)÷身長」の値を計算し

その値が1.3未満だとロコモ度1、1.1未満だとロコモ度2

という判定になります。
できる限り足を開いて歩幅を稼ぐ必要がありますが、バランスを崩したら失格とするため、あくまで普段歩く歩幅+αくらいにしておかないと、正しく測定できなくなってしまいます。ちなみに、2回行って距離が長かった方を採用してください。

ちなみに、40代後半の筆者の数値は

2歩幅:240cm
身長:173cm
値:1.38

という結果で、ロコモ度1には辛うじて該当しませんでしたが、意外とギリギリといった水準で、あと数年もすればロコモ度1判定になってしまうかもしれないという結果に、テンションだだ下がり・・・でした。

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運動による負荷とバランスの取れた食生活がなにより重要!

その他にも、ロコモ度チェックにおいては、

・片足で立った状態で靴下が履けるか?
・15~20分程度、継続的に歩くことが辛い
・階段を昇る際に手すりが必要 など

簡易的なチェックもありますが、何より日常的な心がけや意識も大切です。
例えば、階段の昇り降りについつい手すりに頼ってしまう、エスカレーターやエレベーターを使ってしまう、座っているイスから立ち上がる時に「よっこらしょ」と無意識に言ってしまうなど、気持ちの持ち方によって心理的な衰え方にも違いが出てくるでしょう。

40代以降ともなれば加齢によって筋力が低下し、

嫌でも運動能力は低下

してしまいますが、それを少しでも抑制するのであれば、やはり重要なのは適度な運動習慣となります。ただし、加齢によって低下するのは筋力だけに留まらず、関節における軟骨の擦り減りや骨そのものの脆弱化なども伴ってきますので、

過度な運動による負荷もまたロコモの要因

となることを念頭においておく必要があります。
つまり、ロコモ対策で考慮しなければならない点としては加齢を背景とした活動低下による筋肉量の減少のほか、中高年からリスクの高まる変形性関節症などの骨や関節の疾病など、

運動量とその質とのバランスが重要

であると言えます。

そうした観点からも

・極力骨や関節に負荷の掛からない運動を習慣化させる
・スクワットなど下肢の筋肉を強化する運動を選ぶ
・筋肉をつくるための栄養素をしっかりと摂る

ということが必要で、単に筋肉をつけるために激しい運動をしてしまうと膝関節などに負荷が掛かったり、そもそも筋肉の増加で体重そのものが大きく増えてしまっても、あまり好ましい状態とは言えません。また、運動の質の向上以外にも食事の質も考慮し、太らないことはもちろんのこと

体重に変化がなくても加齢によって筋肉量が減ってくる

ということを念頭に、しっかりと栄養バランスの取れた食事を習慣づけることが大切です。筋肉を減らさないロコモ予防の食生活と栄養素については、前回記事でご紹介しているので、改めて参考にしていただきたいと思いますが、ロコモ度チェックはとても簡単で手軽に行えても、

ロコモ対策は総合的に取り組む必要がある

ということを意識して、本腰入れて向き合うことが大切だということを覚えておくようにしましょう!

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