古来、眠りに導いてくれると言い伝えられてきた食材の実力!
諦めていませんか?!眠りの浅さ食生活面から見直そう!
年齢と共に寝つきが悪くなる
就寝中、何度もトイレに起きる
まだ寝たいのに早朝に目が覚める・・・
すべて加齢のせいだと諦めていませんか?
たしかに個人差はあれども、多くの方が加齢によって睡眠の質が低下し、眠りが浅くなったり、夜中に何度もトイレで目が覚めてしまったりする傾向にあります。実はこれ、一部は自然な老化現象のひとつであり、加齢に伴い基礎代謝も低下するため、睡眠によって回復すべくエネルギー量が減るからなのです。分かりやすく言えば
年を取るごとに必要な睡眠時間が短くなる
ということでもありますが、過去記事「▼寝つきの悪い人にオススメする「午前中にやっておきたいこと」」でもご紹介しているように、
加齢と共に睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が減少
することもまた眠りが浅くなる要因でもあります。
眠れない、眠りが浅いなどといった俗にいう睡眠障害においては、
・寝つきが悪い入眠障害
・熟眠ができない熟眠障害
・何度も目が覚める中途覚醒
・朝早く目が覚める早朝覚醒
に分類されますが、睡眠の良し悪しは日中の活動内容や、心配事や悩みといった心理的な要因にも影響されますので、良質な睡眠が取れないからといってすべてが睡眠障害という訳ではありません。ただし、十分な睡眠が取れない状態が続くことで
日中の倦怠感や集中力低下といった不眠症を引き起こし
日常生活にも支障を来すようになるため、決して楽観視できるものではないのです。
そこで今回は、そんな中高年の多くが悩むと言われる睡眠障害にスポットを当て、その眠りの浅さを食生活面から見直すうえで積極的に摂りたい栄養素やその食材についてご紹介。これまでの不眠関連の記事では、特に日中の活動内容にフォーカスしてきましたが、
毎日の食事から良質な睡眠をサポートする
という観点で、睡眠の質を高める代表的な栄養素と積極的に摂りたい食材をご紹介していきます。「布団に入ってから1時間は眠れない・・・」、「最近、目覚ましが鳴る前に目が覚めるようになった」といった中高年のみなさん、一度食生活から見直してみてはいかがでしょうか?
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体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう
快眠食材のイロハ~睡眠ホルモンを作り出す栄養素とその食材
普段の食生活のなかで
良く眠れるようになる食材なんてあるの?
というのが本音かもしれませんが、良質な睡眠を取るための基本は
1,体内時計のサイクルを一定に保つ
2,朝日を浴びて活動ホルモン「セロトニン」を増やす
3,入浴などでしっかりとリラックスする
4,睡眠ホルモン「メラトニン」を増やし副交感神経を優位に保つ
というリズムを整えることにあります。
一般的な体内時計のサイクルでは、朝目が覚めてセロトニンが分泌されてから約14~16時間程度でメラトニンが分泌され、副交感神経の働きが優位となって眠気がやってきます。つまり、この睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が睡眠の鍵を握っていると言っても過言ではありませんが、このメラトニンは残念なことに
加齢とともに分泌量が大幅に減ってしまう
ことが明らかとなっており、60代以降ともなると微量しか分泌されないというのが現実。中高年以降は、この睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を促す栄養素を意識的に摂るといったことも大切になります。そこでご紹介するのが
必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」
トリプトファン・・・?と思われた方も多いかもしれませんが、トリプトファンは、体内で合成することができず、食べ物から摂取する必要がある必須アミノ酸のひとつで、ある程度聞き馴染みのあるロイシンやイソロイシンといったアミノ酸などと同じ9種の必須アミノ酸に含まれます。このトリプトファンは
セロトニンを作り出す唯一のアミノ酸
であり、直接的にメラトニンを増やす訳ではありませんが、日中の活動ホルモンであるセロトニンがしっかりと分泌されることによって、
眠りを促すメラトニンの分泌もサポートする
という仕組み。
日中、陽の光をしっかり浴びなければならないのは、単に活動ホルモンのセロトニンを分泌させるためだけではなく、14~16時間後に分泌されるメラトニンの働きを活発化させるためでもあるのです。
トリプトファンは、元来牛乳から発見された栄養素であり、牛乳などの乳製品に多く含まれるのはもちろん、バナナや卵、納豆や大豆などにも豊富に含まれます。また、鶏ささみや青魚系にも多く含まれるため、
料理のバリエーションとしては比較的お手軽
例えば、朝食に納豆と焼き魚、ヨーグルトにバナナといった組み合わせだけでも、トリプトファンを多く摂取できますので、これらを意識したレシピを考えてみると良いでしょう。ただし、
トリプトファンは朝食で積極的に摂るのが鉄則
活動ホルモンであるセロトニンがしっかりと分泌されなければ、睡眠ホルモンメラトニンも分泌されなくなってしまうため、セロトニンの働きを活発化させるためにも、朝7~9時くらいまでを目途にトリプトファンを摂るよう心掛けましょう。
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眠りにいざなう食材と適度な運動・入浴によるリラックスも忘れずに
上記でご紹介したように、トリプトファンの摂取においては、普段から口にしているような食品・食材が多いので、意識的に摂取を心掛けなくても、いつも通りの朝食で摂取できているかもしれません。もちろん、「朝食抜き」が最も良くない選択肢ではありますが、
トリプトファンの摂取だけで良質な睡眠が得られる訳ではなく
やはり一日の活動内容や就寝環境の整備など、睡眠の質を向上させるためには様々な要素をトータル的に考慮する必要があります。
例えば日中の活動内容については、いうまでもなくデスクワークと屋外の仕事とでは体の疲労度合いも違ってきますし、就寝前にアルコールやカフェインを多く摂取してしまえば、睡眠の質は低下してしまいます。
また、就寝前の入浴によってしっかりと心がリラックスできているか?という点も重要な要素で、ぬるま湯程度の入浴によって副交感神経の働きを優位にし、脳をリラックスさせることで、寝つきを良くさせるといったことも大切です。
それ以外にも寝室の環境、寝具の状態、そして近年問題視されているのが
就寝直前の「寝る前スマホ」
スマホ画面から発せられるブルーライトはメラトニンの分泌を抑制してしまうため、眠気が弱まってしまうことはもちろん、眠り自体も浅くなってしまう可能性があるため、就寝1~2時間前までにはスマホの使用をやめておくのが理想。
これらを簡単にまとめると
・トリプトファンを含む食事は朝食に摂る
・日中はできる限り体を動かして疲労させる
・就寝前にぬるま湯のお風呂でリラックス
・就寝前の飲酒やコーヒーなどのカフェインを避ける
・寝室の空調や寝具など就寝環境を整える
・寝る直前までスマホやパソコン画面を見ない
これらを意識するだけでも睡眠の質は大きく違ってくるでしょう。
今回は、良質な睡眠を得るために摂りたい栄養素やその食材についてご紹介してきましたが、睡眠の質はその時々の心理状態にも左右されやすく、また高齢者になるほど眠りが浅くなるのは致し方ないことでもあります。
日ごろからトリプトファンの摂取を意識するのであれば
・朝コップ一杯の牛乳を飲む
・朝食にパンとチーズを食べる
・納豆&焼き魚定食を食べる
といった身近なところから始めてみることで、その違いが徐々に体感できるようになってくるかもしれませんので、できる限り習慣化させて長期的に続けられるような環境を整えるようにしましょう!
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