いびきが原因で眠りが浅い?!いびきと眠りの深さについて

自身では自覚に乏しい「いびき」をかく原因と体への影響

自身では自覚に乏しい「いびき」をかく原因と体への影響

中高年のおける加齢症状のひとつとして挙げられる「いびき」。
いびきを漢字で書くと「鼾」(鼻を干す)という字になるそうですが、いびきをかいている本人はまったく無意識、まわりの人は大迷惑といった具合に、いびきに対して良いイメージを持つ人はほとんどいないのではないでしょうか?

就寝中のいびきは、特に中高年に限った話ではなく、その日の体調次第では若い世代でもかくことがある生理的なものですが、やはり全身の筋力低下が始まる中高年以降ともなると、男女問わずいびきをかきやすくなる傾向にあります。

皆さんのなかでは、

中年太りの男性ほど大きないびきをかく

といったイメージがあるかもしれませんが、いびきの原因においては、就寝中に喉を支えている筋肉が緩むことによって気道が狭くなり、

呼吸によって喉や鼻が振動していびき音が出る

というのがいびきのメカニズム。よって、男女問わずその可能性があり、中高年になるほどいびきをかきやすくなるのは、加齢による筋力低下で気道を広げる筋力が衰えること、さらには仰向けに寝ることで、

舌が喉の奥に落ち込んで気道を狭くしてしまう

ことが背景にある点は、過去記事「▼いびきで分かる?!身体の疲れやストレスのバロメーター」でもお伝えしたとおりです。このように、多かれ少なかれ、加齢によっていびきはかきやすくなりますが、それ以上の要因となりうるのが

食生活の乱れや運動不足を背景とした生活習慣病!

肥満や高血圧といったメタボの人は、内臓脂肪のみならず首の周りにも脂肪が増えるため、必然的に気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。ゆえに、「中年太りの男性ほど大きないびきをかく」というイメージが先行しているのかもしれませんが、こうした中高年のいびきにおいては

睡眠時無呼吸症候群(SAS)などによって睡眠の質の低下を招く

ことはあまりよく知られておらず、逆に

いびきをかきながらグッスリ寝ている

などと勘違いされがち。

実際のところグッスリどころかまったく逆で

いびきをかいている状態では脳に十分な酸素が行き渡らなかったり、呼吸が苦しく途中で何度も目が覚めたりと、自身ではちゃんと寝ているつもりでも、

睡眠の質を極端に低下させてしまうのです。

そこで今回は、いびきと眠りの深さ・睡眠に質という点にスポットを当て、いびきをかくことによる身体への弊害と、眠りの深さにどのように影響を及ぼすのかを詳しく掘り下げ、いびきをかかずに快適な睡眠を取るための対策などをご紹介していきます。

いびきは、自身によってもまわりの人にとってもデメリットしかないことを再確認し、生活習慣の改善や就寝環境の整備に役立てるようにしましょう。

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いびきをかくほど眠りが浅い?ノンレム睡眠といびきの関係性

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それでは早速ですが、いびきと眠りの深さとの関連性を見ていきましょう。

上述のとおり、いびきをかく原因においては、睡眠によって喉の筋肉や舌まわりの筋肉が緩むことで気道を塞いでしまうことにありましたが、睡眠によって全身の筋肉が緩む状態、つまり体が休息している

ノンレム睡眠の状態の時にいびきをかきやすくなる

といった傾向にあります。

レム睡眠とノンレム睡眠の役割やそのサイクルにおいては「▼睡眠は時間よりも質が重要と言われる要因は?」をご参考いただければと思いますが、睡眠中にもっとも脳が休息できるノンレム睡眠時において、喉の軌道が塞がり酸欠状態になることで脳が覚醒しやすくなってしまう・・・、つまり

深い眠りが減って浅い眠りが増える

という状態に陥ってしまうのです。

このように浅い眠りが増えることで、十分な睡眠時間を取っているにも関わらず日中に強い睡魔に見舞われたり、注意力や集中力の低下、活動意欲の低下を招いたり、さまざまな悪影響が容易に想像できるところ。これが睡眠時無呼吸症候群(SAS)の代表的な症状で、強い睡魔や集中力の低下以外にも

脳の酸欠によって高血圧や動脈硬化が進行

しやすくなったりと、様々なデメリットが挙げられます。

ちなみに、睡眠のサイクルについては

レム睡眠:浅い眠り(脳は活動)
ノンレム睡眠:深い眠り(脳は休息)

のそれぞれが約90分の周期で訪れます。

入眠直後はレム睡眠で始まり、直後に一気に深い眠りであるノンレム睡眠に移行しますが、この時点で喉の気道が塞がっていびきをかいた状態ですと、脳に送る血液の酸素濃度が減少し、結果的に

脳が呼吸を行うよう指示してしまう

ため、ノンレム睡眠への移行が阻害されてしまうのです。

一般的な健常者の睡眠の内訳は、

・約75%がノンレム睡眠
・約25%がレム睡眠

となりますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの症状においては、いびきによる一時的な呼吸停止によって

ノンレム睡眠の周期が多く失われてしまう

ため、睡眠の質の低下は避けられないのです。

このように、いびきをかくことでノンレム睡眠が阻害され、睡眠時間は確保できても、脳が休まらないレム睡眠状態となり、結果的に深い眠りを得ることができなくなってしまうリスクがあるという点は、覚えておくと良いでしょう。

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いびきに関しては、自身でコントロールしにくいという点が最大の課題となりますが、特に筋力が低下する中高年以降においては、喉の気道を塞がないための意識やいびき対策グッズなどの活用も視野に入れる必要があります。

そんなことしなくてもちゃんと寝られてるし・・・

と思われる方が大半かもしれませんが、実際に自身が寝ている時の状況をご家族などに確認してもらい、

・いびきをかいていないか?
・呼吸は止まっていないか?

などを一度チェックしてもらうことも大切です。

冒頭でもお伝えしたように、個人差こそあれど中高年におけるいびきは加齢症状のひとつでもありますが、就寝中におけるいびきの発生を少しでも抑えようとするのであれば、まずは以下のような項目を習慣化することから始めてみましょう。

ここでは、ご自身でできる「いびき対策&良質な睡眠を取るための生活習慣」をご紹介します。

≪肥満を解消する≫
こちらは先述のとおり、肥満によって首や喉に脂肪が増え、気道を狭くしてしまう原因となりますので、まずは食事制限を中心にダイエットを心がけるようにしましょう。

≪飲酒習慣を減らす≫
いびきは、口や喉の筋肉が緩むによって引き起こされますが、アルコールもまた筋肉を緩めて気道の閉塞を起こしやすくするため、特に就寝前の寝酒などは避けるようにしましょう。

≪横向きで寝る≫
仰向けで寝ることで舌が喉の奥に落ち、気道を閉塞してしまうため、横向きで寝るといびきが抑えられる場合があります。いびき対策用横向き枕なども市販されているため、こうした便利グッズを活用するのも良いでしょう。

≪部屋の湿度を高める≫
就寝環境の整備という点では、寝室を乾燥させないことがもっとも重要です。いびきをかいている間は口呼吸になっているため、喉が乾燥しやすくなり深い眠りの阻害要因となります。

≪マウスピースや鼻呼吸テープ≫
こちらはいびき対策グッズではありますが、いびきを抑えられることで睡眠の質が改善する可能性があります。就寝中に無意識に外してしまう可能性がありますが、最近では外れにくい鼻呼吸テープ(口封じテープ)を活用する方も増えております。

≪舌まわりの筋力強化≫
就寝中、舌の付け根が下がる(舌根沈下[ぜっこんちんか])ことで気道を塞ぎ、いびきが発生するため、舌の筋力強化はいびき対策として有効。舌を前後左右に動かしたり、口の中で回転させたり、アッカンベーをしたりと、舌トレーニングを意識しましょう。

これらのように、いびき対策においては「不快な音」ばかりにフォーカスしがちですが、その不快な音以上に深刻な問題なのが睡眠の質の低下。特にいびきを要因とした睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの症状によってノンレム睡眠が減少すると

・日中の活動意欲や「やる気」が低下してしまう
・強い眠気による居眠り運転で大きな事故を起こす
・ぼーっとして物を忘れたり、失くしたりしやすくなる

といった生活の質が低下するリスクがあることを理解し、いびき対策の重要性を今一度認識するようにしましょう。

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