隠れ肥満の定義を認識して日頃の運動や食生活に役立てよう
見た目は肥満体型ではないのに事実上の肥満
これまでの記事でも、中年太りやメタボについては多数取り上げてきましたが、その多くは見た目的にも体型変化が明らかで、人からも「ちょっと太った?」と言われることも多いので、本人もある程度の自覚があるケースが多い傾向にありました。
ところが、一部の肥満においては体型的な部分に大きな変化はなく、自分自身も肥満だと認識していない肥満が増えてきているのです。そうした肥満のタイプを
隠れ肥満(痩せ型肥満)
と呼び、現代社会においては男女4人に一人は予備軍と言われるほど身近な肥満になりつつあるのです。
え?!20代のころから体型も体重もそんなに変わってないのに・・・
と思われる方も多いかもしれませんが、過去記事「効果的にダイエットするなら自身の基礎代謝を知ろう」でもご紹介しているように、加齢と共に筋力などが衰えるため、筋肉量の減少に伴い基礎代謝も低下していくのが一般的です。つまり、20代の頃と比較すれば、本来体重は減少してく傾向にありますので、仮に体型が変わっていなかったとしても
筋肉量の減少=脂肪の増加
という点を疑う必要があります。
体型の変化があまり見られないこの「隠れ肥満」は、
身長・体重から導きだすBMI指数では判断できない
のが特徴で、実質的に体内の脂肪が多い状態に気付きにくいという肥満です。もちろん、肥満における成人病などの健康リスクが高まることは体型問わず変わりませんので、「自分は肥満とは関係ない!」と思っている人も、一度自身の体の状態を確認しておくと良いでしょう。
今回は、そんな隠れ肥満について詳しくご紹介していきます。
成人病リスクが高まる高体脂肪率の状態
まず、BMIによる肥満基準については
・低体重(痩せ型):18.5未満
・普通体重:18.5以上~25未満
・肥満(1度):25以上~30未満
・肥満(2度):30以上~35未満
・肥満(3度):35以上~40未満
※日本肥満学会の肥満基準
となりますが、体脂肪率から見る肥満基準については、
男性で20~25%・女性で30%を超えると肥満
とされています。
つまり、BMIが25未満の普通体重であっても
体脂肪率が26%以上であれば隠れ肥満
だということになります。
もちろん、脂肪が多い人ほど見た目的にもぽっちゃりタイプが多い傾向にありますが、体型的にスリムだからといって、必ずしも肥満における健康リスクが低いわけではないので、その点は心に留めておく必要があります。
アスリートなどは体脂肪率が一桁台であることが珍しくありませんが、
体内脂肪が増える原因の多くが運動不足
年齢と共に基礎代謝が減る一方、摂取するカロリーが変わらなかったり、増えてしまえばその分脂肪として体内に蓄えられていきます。また栄養が偏った食事や過度な食事制限によるリバウンドなども、体脂肪が増える原因として挙げられます。
上記でもご紹介したように、隠れ肥満は体型問わず肥満の状態ですので、
・糖尿病
・高血圧
・動脈硬化
・心筋梗塞
などの生活習慣病のリスクが高まる点は、これまでもご紹介してきたとおり。
日ごろから規則正しい生活習慣を意識して、栄養バランスの取れた食事やスイーツなどの嗜好品の多摂取を避ける、そしてウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を習慣化させることなどが、隠れ肥満の一番の対策になることは言うまでもありません。
▼関連記事
健康診断の数値結果の見方と改善対策について
内臓脂肪の減らし方と日ごろの習慣テクニック
では、さっそく明日から内臓脂肪を減らしましょう!
と言っても、どのようにすれば体内の脂肪を減らすことができるのでしょうか?そのアプローチは主に2つ
1、筋肉量を増やして基礎代謝を上げる
2、運動をして体内脂肪を燃焼させる
この2つに限ります。
いずれの方法も、一時的なものではなく中長期に取り組む必要がありますので、現代社会における社会人においては、それなりに強い意志を持って取り組む必要がありますし、若い女性などは、現実的に難しい部分もあるかもしれませんが、まずはできることから始めることが何より重要です。
1の筋肉量を増やすという観点では、身近に行うことができる腕立て伏せや腹筋などの筋トレが有効ですし、食事の面では
筋肉の材料となるタンパク質を多く摂取する
ことを心掛けると良いでしょう。
もちろん栄養のバランスが何より重要ですので、塩分や脂分、ご飯などの炭水化物を控えつつ、筋肉の元となるタンパク質を上手に取り入れることで筋肉量を減らさず、新陳代謝を活発にさせることができます。
一方、2の運動とはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動。こちらも皆さんが苦手とする部分かもしれませんが、一般的に言われるのが
脂肪1kg減らすのに必要な消費カロリーは7,200kcal!
個人差こそありますが、これだけのカロリーを消費するには結構な運動量が必要になりますので、一朝一夕で成しうるものではないということを心掛けておく必要があります。
また、筋トレなどの無酸素運動のあとにジョギングなどの有酸素運動を組み合わせることで、体内における脂肪の消費効率が高まる
EPOC(運動後過剰酸素消費)
という状態にさせることにも注目が集まっています。
脂肪を減らすために有酸素運動だけを集中的に行うのではなく、筋トレを行い活動代謝が上がった状態で有酸素運動を行うことで、効率よく脂肪を消費させることができるとされています。EPOCについては、また別の記事で取り上げますが、
無酸素運動と有酸素運動を上手に組み合わせる
ことで、中長期的に効率よく体内脂肪を減らすことが、隠れ肥満対策には重要なのです。
▼関連記事
ぽっこり腹は食事制限だけでは解消できない?!