フリー体・エステル体に分類されるルテインの種類と特徴
目の健康成分の代表格「ルテイン」の2つの種類と特徴
アントシアニンと並び、目の健康成分の双璧をなす成分と言えば「ルテイン」。
過去記事「▼どれだけ知ってる?眼の健康を保つ成分ルテインの基礎知識」でもご紹介しましたが、緑黄色野菜に多く含まれるルテインは、特に眼の組織である網膜の黄斑部や目の中の水晶体に多く存在し、外部からの有害な光や酸化から目の機能を守る役割を担っています。
元々体内に存在する成分なのに認知度が低い・・・
というのが実情かもしれませんが、ルテインはビタミン類などと同様に体内でほとんど生成できない成分のため、言うまでもなく食事から摂取する必要があり、ルテインが豊富に含まれている食品が、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜になります。
そんなルテインですが、他の組織同様に加齢と共に減少していくことで、目の老化現象である老眼や加齢黄斑変性といった眼病を引き起こしやすくなり、個人差こそあれど
多くの方が何らかの視覚の変化に見舞われる
というのが現実。
近くのものや文字にピントが合わなくなる典型的な老眼症状のほか、光が眩しく感じるようになったりと、様々な機能に衰えが見られるようになるのです。目の老化自体は避けることができませんが、その機能の衰えを抑制してくれるのがルテインであり、
目の健康維持という点ではとても重要な成分
であることは言うまでもありません。
視覚を司ると言っても過言ではないルテインですが、上述のとおり緑黄色野菜から摂取する以外にもサプリメントなどで摂取することも一般的になりつつあります。確かに、ルテインを多く含むほうれん草やケール、小松菜やブロッコリーなどは好き嫌いが分かれる野菜ではありますので、
これらの緑黄色野菜が苦手な方も多い
傾向にありますので、サプリメントで補うのも習慣としては効率的ではありますが、サプリメントなどの精製物に含まれるルテインにおいては、
フリー体・エステル体と呼ばれる2種類に分類
され、それぞれに特徴や働きの違いがあることはほとんど知られていないのが実情です。
そこで今回は、この近年注目の成分であるルテインをサプリメントで摂取する際の種別「フリー体ルテイン」「エステル体ルテイン(ルテインエステル)」にフォーカスし、それぞれの種類の違いや特徴について詳しくご紹介していきます。
特に40代以降、急激に視覚にストレスを感じる世代においては、ルテインやアントシアニンを含めた目の健康への意識と重要性が高まってきますので、しっかりと知識を身に付けて、毎日の食生活に取り入れるよう心掛けましょう!
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さて、そんな目の健康成分であるルテインの摂取においては、緑黄色野菜が効果的であることに触れましたが、過去記事「▼野菜不足と言われるけど実際にどのくらい不足してるか検証してみた」でもご紹介しているとおり、現代社会における食生活は
慢性的な野菜不足が深刻化
しているのはご存じのとおり。
一日三食のなかで、まったく野菜を食べなかったという日があることも決して珍しいことではありません。そんななか、野菜不足の解消手段として野菜ジュースを飲んだり、青汁を飲んだりすることもあるでしょう。
ルテインも同様に、サプリメントなどで補うことができる成分ではありますが、サプリメントなどで摂取する場合には、
・フリー体ルテイン
・エステル体ルテイン
の2つの種類があることは上記でもご紹介したとおり。
フリー体ルテインの特徴としては、
元々人の体内に存在するルテインと同じ形のルテイン
一方のエステル体ルテインは
フリー体ルテインに脂肪酸が結合された未精製のルテイン
という位置づけとなり、前者は摂取後そのまま体内に吸収されますが、後者は体内で消化されて脂肪酸が取り除かれてから体内に取り込まれるため、
実際に摂取した量よりルテインの吸収量が少なくなってしまう
という特徴があります。
サプリメントなどで摂取する場合、ルテイン●●mg配合といった表記においても、それがフリー体ルテインなのか?、エステル体ルテインなのかによって
体内に吸収できるルテインの量が異なってくる
という点はチェックしておきたいポイント。
ただし、これだけ見るとフリー体ルテインの方が、ルテイン摂取という観点では優位に見えますが、エステル体ルテインの特徴として、血液中のルテイン濃度の上昇度合いがフリー体ルテインより高いという傾向もありますので、一概に判断しにくいのも事実。
もちろん、ほうれん草やレタスなど、ルテインを多く含んだ緑黄色野菜から習慣的に摂取できるのが理想ではありますが、サプリメントとして摂取する場合には、フリー体ルテイン・エステル体ルテインの含有量などをしっかりチェックして選ぶようにしましょう。
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結局どっちがいい?目のビタミン「ルテイン」の摂り方のコツ!
これまで、2種類のルテインについてご紹介いたしましたが、
結局どっちのタイプのルテインがいいの?
という点については、もちろん継続して摂取するためには価格面も大切な要素となりますし、摂取環境における個人差も大きいため、一概にどちらかを決めるものではなく、ご自身の生活スタイルにあった商品を選ぶことが肝要です。
なお、ルテインは
成分そのものが脂に溶けやすい(脂溶性)特徴
があるため、例えば緑黄色野菜から摂取する場合には油で炒めたり、サラダなどの生野菜として食べる場合には、オリーブオイルなどのオイル入りのドレッシングとの相性が抜群ですので、習慣的に食べやすいというメリットがあります。
上記でご紹介したエステル体ルテインにおいても、脂肪酸が体内で酵素と結合されてフリー体ルテインに変化するため、吸収効率という面ではフリー体ルテインの方に軍配があがるかもしれませんが、
継続前提にコスパ面もよく考慮したうえで製品を選ぶ
ことが大切です。
過去記事「▼リコピンはトマト、ではルテインは?~ルテインが多く含まれる食材」でもご紹介しているとおり、ルテインを多く含むケールやほうれん草、小松菜といった緑黄色野菜の多くは、
生野菜だと苦みが強く食べにくい
という傾向にありますが、ルテインは調理によって体内に吸収しやすくなるほか、ビタミンAやB1、ビタミンEなどのビタミン類と一緒に摂ることで、目の疲労回復や血行促進などの相乗効果が得られます。
・ビタミンA:鶏卵、レバーなど
・ビタミンB1:豚肉、紅鮭など
・ビタミンE:オリーブオイル、うなぎなど
いずれの栄養素も脂溶性で油との相性が良いのも嬉しいポイント。
これら食材を見ても調理の幅は広がりますし、毎日飽きずに食品から摂取できるという点では無理なく続けられるのではないかと思います。
ルテインにおいては、基本的に毎日の食事から摂取しつつも、
食事から取れなかった日をサプリメントで補う
という認識で捉え、多く摂るのではなく10~20mg程度の摂取を継続するということを心掛けて、日常生活に取り入れるようにしましょう。
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