やっぱり「うなぎ」が良いの?夏バテ予防に欠かせないビタミンBの効果

発汗量の増える夏はミネラル不足による不調に気を付けよう!

発汗量の増える夏はミネラル不足による不調に気を付けよう!

うだるような暑さが続く夏場は、何かと体調を崩しやすい傾向にありますが、現代社会においては、暑くても無理をしなければならないのも現実。何事も暑さは理由にならないので、ご自身でしっかりと体調管理を行い、暑さに負けない体づくりを心がける必要があります。

とは言え、連日の猛暑で体力が削られ、倦怠感が増してやる気も低下・・・徐々に食欲も低下して、結果的に夏バテを引き起こす。例年のことでよく分かっているはずなのに、毎年夏バテで体調がすぐれないという方も多いのではないでしょうか?

なお、夏バテのメカニズムにおいては、過去記事「▼夏場のだるさ・ボーっとはビタミンDと脳トレで解消しよう!」でもご紹介しているとおり。厳密にはその原因は明らかになっていない部分もありますが、基本的には

・高温を背景とした多量の発汗によるミネラルの欠乏
・暑さによる睡眠の質低下や寝不足
・室内外の温度差による自律神経の乱れ

などが挙げられ、これらの根本原因が

夏の暑さゆえに、分かっていてもなかなか改善できない

というのが実際のところではないでしょうか。

体力が落ちないようにしっかりと栄養を摂ろう!と思っても、水分ばかり取ってしまって食欲が減退してしまう・・・、水分を控えようと思っても、冷たい水分を欲してしまう・・・などなど、実は夏場の体調管理は考えている以上に容易ではなく、逆に水分補給などを無理して控えてしまうと、熱中症という別のリスクを高めてしまうのでこれもNG。

やはり、効率的に夏バテを回避するためには、暑さによって失われやすい栄養素と体への影響を理解し

失われた栄養素をしっかりと補給する

というアプローチで、暑さに負けない体づくりを意識する必要があります。

そこで今回は、毎年夏バテ気味になってしまう方にオススメな夏バテ予防のアプローチとして、失われやすい栄養素のひとつであるミネラルとビタミンB6、B12の働きについてご紹介。また、これら栄養素が失われることによる身体への影響、欠乏することによって生じやすくなる症状などを踏まえ、

夏バテを引き起こさないための栄養補給

を中心に、夏場に心掛けたい生活習慣や食生活をご紹介していきます。
なお、夏バテのような倦怠感を伴う症状は、生活の質(QOL)そのものを低下させ、仕事のパフォーマンスや不慮の事故なども引き起こしやすくなるリスクもありますので、トータル的に考慮しても、決して侮れない症状だということを理解しておきましょう。

汗で排出されるナトリウムやカリウムが不足するとどうなるの?

汗で排出されるナトリウムやカリウムが不足するとどうなるの?

高温多湿な日本の夏は、嫌でも発汗量が増えることは言うまでもありません。
もちろん、日々の運動習慣がある人であればなおのこと、運動によるエネルギー消費と同時に、発汗に伴ってナトリウムやカリウムが対外に排出され、普段より必要以上のミネラルを失いやすくなります。ちなみにミネラルとは、

タンパク質や炭水化物、脂質などの5大栄養素のひとつ

で、ナトリウムやマグネシウム、カリウム、鉄、亜鉛など、体内で生成できない栄養素の総称。体内で産生できないため、食事から摂取しなければならないことは説明の余地がありません。なお、発汗によってナトリウムやカリウムが失われても、

それが直接的に夏バテを引き起こすわけではなく

あくまで一因として捉えておく必要がありますが、その他にも発汗によって鉄分が失われることで、体全体に酸素が行き渡りにくくなり貧血の症状が出やすくなる点は、前回記事「▼更年期世代に多い「隠れ貧血」と日常的な鉄分補給の心がけ」で詳しく取り上げさせていただいたとおりです。

なお、下記統計は一般社団法人・広島市医師会の調査による広島市の気温と血中カリウム値の平均値の変化を示したデータで、

出典:一般社団法人・広島市医師会「夏場の血中カリウム値について」
https://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/center-tayori/200510/center200510-4.pdf

データ自体は少々以前のものではありますが、やはり気温上昇と共に血中カリウム濃度の平均は、7月下旬から8月上旬がもっとも低下しておりますので、

発汗量の増加とミネラルの喪失に一定の相関性がある

ことがうかがえます。

汗の成分として、最も多く含まれるミネラルはナトリウムとなりますが、汗に含まれるナトリウムの割合はせいぜい0.3~0.4%程度。ナトリウムは塩分であり、塩分は食事のなかで概ね摂取されるため体内の塩分が不足することはあまりありません。

ただし、カリウムやマグネシウム、ビタミンBやCといったその他の栄養素も発汗によって失われ、これらが欠乏しやすることで以下のような症状が出やすくなり、夏バテに近いような状態に見舞われます。

・ナトリウム:血圧低下
・カリウム:脱力感、動悸、息切れ
・ビタミンB1:食欲不振、疲れやすくなる
・ビタミンB6:手足のつり、免疫低下
・ビタミンB12:慢性的な疲労、倦怠感
・ビタミンC:食欲不振、脱力感

ナトリウム(塩分)は摂取しやすい栄養素ではある一方、カリウムやビタミンB群については、それらを多く含む食品を意識的に摂取する必要がるため、夏バテの症状を自覚する前に

・ウナギや豚肉、レバーといったビタミンB群
・ミネラル豊富なひじきや昆布などの海藻類

などを意識的に摂るような食生活を心掛けましょう。
夏場はどうしても食欲が減退し、冷たい麺類などに偏りがちですが、こうした食生活が夏バテにつながる可能性があるということも覚えておく必要があります。

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夏バテ防止の救世主カリウムとビタミンB群を効率よく摂取する方法

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上述のとおり、発汗によって失われやすく、摂取しにくい栄養素がカリウムとビタミンB群となり、これらが慢性的に欠乏することで、夏バテ症状が顕著になってくるほか、免疫力なども低下して、俗に言う夏風邪なども引きやすくなる傾向にあります。つまり、夏バテを起こさないよう、

これら栄養素を習慣的に摂取できる環境

を作ることが大切で、ゆえに古くからウナギを食べる習慣があったり、栄養価の高い野菜を食べやすくするために夏野菜カレーなどが好まれる傾向にあります。特にビタミンB群は、体の代謝やエネルギー産生に必要不可欠な栄養素ですが、

水溶性のため体内に蓄積することができない

ため、日々に摂取することが大切。カリウムは、ある程度肝臓に貯蔵されていますが、ビタミンCなども同様にほぼ蓄積されることはないため、ビタミンB群同様、こまめに摂取できる環境を作ることが大切です。ただ、そうしたことは分かっているけど夏場は何かと億劫になってしまうのも事実・・・

特に食事においては暑いから適当に済ませてしまう

という方も多いので、ビタミンBやC、カリウムなどがどうしても不足がちになってしまう傾向にあります。そこでオススメしたいのが

手軽に食べられるおやつ・間食で栄養素を補う

という点です。

例えば、カリウムを多く含む食材のひとつとして挙げられるのが「ドライマンゴー」。その他、干し柿など市販のドライフルーツに多くのカリウムが含まれるため、調理の必要がなく手軽に摂ることができます。

カリウムを多く含む食品では、ひじきや昆布などの海藻類がもっとも効率的ではありますので、市販のおやつ昆布などもカリウムを補充しやすい食材のひとつと言えるでしょう。

≪可食部100gあたりのカリウム含有量≫
・ひじき:6400mg
・昆布:6000mg
・ドライマンゴー:1100mg
・ほうれん草:690mg
・ブロッコリー:450mg

出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/
mext_01110.html

続いてはビタミンB群です。
ビタミンBにおいては、ビタミンB1、B2、B6、B12とそれぞれあり、効率的に摂取できる食材もそれぞれ異なりますが、特に赤身魚や豚肉、レバー、魚介類に集中している傾向にあります。厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」では、

多くのビタミンB群で平均摂取量が推奨摂取量を下回っており

ビタミンBは特に摂取が難しく、不足しやすい栄養素であると言えます。
ビタミンBを多く含む効率的な食材を個別に見て見ますと

ビタミンB1:豚肉、うなぎ
ビタミンB2:豚レバー、アーモンド
ビタミンB6:ニンニク、ピスタチオ
ビタミンB12:焼きのり、あさり

といったように、ビタミンB1は調理が必要な食材が多い一方、B2やB6を多く含むアーモンドやピスタチオは、間食として手軽に食べることができる食材のひとつ。また、ビタミンB12を多く含む焼きのりなども、おやつ海苔として多く市販されていますので、こうした食材を間食として摂ることで、ある程度は必要栄養素を補うことができるのです

「暑くて調理なんかしたくない!」というのが本音かと思いますが、

冷たい麺類ばかりだと夏バテしやすい体質

になってしまいますので、定期的にビタミンB群やカリウムを摂取できる環境を作ることを意識するようにしましょう。

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