スマホが睡眠の妨げに?就寝前の正しいスマホの付き合い方
分かっちゃいるけどやめられない・・・就寝前のスマホ習慣
現代社会では当たり前のように普及したスマートフォン。
インターネット端末という枠組みを越え、写真や動画撮影のほか、お買い物時の決済端末、公共交通の乗車券、ポータブルゲーム機など、様々な機能をコンパクトな1台の端末で扱うことができる、非常に便利なデジタルデバイスであると言えます。
便利なアイテムほど、その依存度は高まっていくのは致し方ない部分ではありますが、近年では家の鍵や冷蔵庫の中身の管理、留守中のペットの見守りなどもスマホで行えることから、
日常生活に対する依存度はますます高まるばかり
「家に財布を忘れるよりスマホを忘れる方が大ごと・・・」という方のほうが圧倒的に多い現代においては、生活そのものがスマホに管理されているといっても大げさではないかもしれません。
そんなスマホ社会においては、リフレ特集でも取り上げているように「スマホ依存における目の酷使が深刻化」していることは何度もお伝えしてきておりますが、スマホによる目の酷使と並んで深刻化しつつあるのが、
寝る前スマホによる睡眠の質の低下
つまり、就寝前ギリギリまでスマホを見続けることによって、知らず知らずに睡眠の質が低下してしまうこと、さらには睡眠の質が低下するだけでなく、
・根本的に眠りが浅くて体や脳が休まらない
・体内時計が狂って自律神経が乱れる
・脳が休んでいないため夜間頻尿にもなる
・日中の活動意欲の低下や集中力の低下・・・などなど
実は適切な睡眠時間はもちろんのこと、睡眠の質は日常生活を送るうえでものすごく重要であることを再認識し、その
良質な睡眠の阻害要因のひとつとなるのが寝る前スマホ
だということを改めて考える必要があるのです。
今回の記事では、そんな寝る前スマホ、寝ながらスマホの弊害を理解しつつ、現代社会において必須となりつつあるスマホとの付き合い方についてもご紹介していきます。
寝る直前にスマホを見たらホルモンバランスが崩れる
なんて想像もしなかったことかもしれませんが、スマホ社会でもある現代においては、こうした不眠や睡眠障害に直面している人は決して少なくないのです。今回は、そんな寝る前スマホにフォーカスし、健康リスクという観点で詳しく見ていきましょう。
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「何でもアプリ化」が寝る前スマホとメラトニン分泌低下を招く
冒頭でもお伝えしたように、現代社会においてはスマホは切っても切れない存在。
・公共交通機関の乗車券や定期券もスマホ
・コンビニ等での支払いもスマホ決済
・銀行口座から家の鍵まであらゆるものがスマホ
言うなれば、インフラから日常生活まであらゆるサービスがスマホアプリ化されておりますので、「現金よりスマホがない方が生活できない」と言われても決して大げさではありません。ゆえに、スマホ画面を見る頻度が高まるは避けられず、必然的に目の酷使が進み、視力が低下したり、老眼の進みが早くなったりと、
目の機能低下に注目されがち
ですが、一方でこのスマホを見る頻度の高さが、
睡眠の質まで低下させてしまうことはあまり知られていない
ベッドに横になりながら寝落ちするまでスマホを見続けている・・・、といった行動が習慣化している方も少なくないでしょう。
寝る前スマホにおいては、目の負担になることは言うまでもありませんが、人の体内時計においては、夜になれば自然と睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が促され、体温が下がって脳や体が入眠状態になるのですが、スマホ画面を見続けることによって、
脳が入眠状態にならず、メラトニンの生成も阻害されるため
寝つきが悪くなるだけでなく、十分に熟睡できないといった弊害が生じるのです。
特に40代以降の中高年においては、良質な睡眠の阻害要因となる
・就寝時無呼吸症候群(SAS)
・夜間頻尿
・ストレス等による自律神経の乱れ
といった加齢症状も組み合わさってくることは、「▼一番寝れない年代は40代?ストレスと睡眠時間の関連性」でもご紹介しているとおり。そこにさらに
寝る前スマホによる睡眠ホルモンの分泌乱れ
が加わると、もう良質な睡眠なんて言ってられない状況に陥ってしまいます。
生活に関わるすべての行動がスマホアプリ化しつつある現代社会ですが、ものを見る機能の低下だけでなく、
睡眠という脳を休める人間本来の機能も低下
してしまうということを再認識するようにしましょう。
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睡眠は時間よりも質が重要と言われる要因は?
ちゃんと寝てると自覚している人ほど実は睡眠の質が低い可能性
これだけスマホが普及している現代においては、
「じゃ、みんな寝る前スマホで良質な睡眠が取れていないのでは?」
とも考えてしまいますが、個人差はあれど多くの方が
ご自身の睡眠の質の低下に気づいていない
というのが実情で、症状が深刻にならない限りはあまり自覚がないのも、不眠や睡眠障害の特徴とも言えます。これまでは、睡眠の質より時間の方にフォーカスされ、「最低でも1日5~6時間の睡眠時間を取ろう」といったようなことが言われてきましたが、スマホが急速に普及したことによって、
睡眠時間と同じように睡眠の質が重要
という常識が広まってきました。
この睡眠の質を左右させるのが体内時計であり、過去記事「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」でもご紹介しているように、
1,夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」が分泌。
副交感神経の働きが優位となって眠気を誘う。
2,朝になって陽の光を浴びることで、活動ホルモンである「セロトニン」が分泌。
交感神経の働きが優位となり活発化する。
このサイクルを乱れさせないことが重要なのです。
そのような観点で、寝る前スマホは「メラトニン」の分泌を阻害しかねない要因のひとつで、基本的に就寝2~3時間前にはスマホ画面を見るのを控えたり、どうしても見なければならない状況でも、
使用を短時間で済ませたり、画面の明るさを最小限に絞る
といった心がけが大切となります。
自分自身の体と毎日付き合っている以上、なかなか睡眠の質の低下に気づくことは難しいのが実情ですが、朝起きた際のスッキリ度や仕事への意欲・やる気の低下、日中の強い睡魔などを自覚するようであれば、すでに睡眠の質が低下している可能性がありますので、一度就寝前のスマホ習慣について見直してみると良いでしょう。
忙しい現代社会だからこそ、
せめて就寝前くらいスマホを見てストレス解消したい!
というのも理解できるのですが、それによって睡眠の質を低下させ、体も脳も休まらなくなってしまえば本末転倒。さらに、その睡眠によって体が十分に休まっていないということに気付かず、日増しに疲労が蓄積されて、
体の不調やメンタル不調を引き起こしてしまう・・・
寝る前スマホには、そんな健康リスクが潜んでいるということを認識することが重要です。
すでに生活に密着しているスマホは、生活の質を向上させるデジタルツールとして急速に普及しましたが、健康面でのリスクは後回しにされがち。日常生活に欠かせない便利ツールだからこそ、上手に付き合っていくことを忘れないようにしましょう。
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