妊娠中に起こりやすい仕事のミスによる気分の落ち込みや心理変化
仕事でのケアレスミスを誘発?妊娠による体質変化の影響
女性にとっては結婚と同等に大きなライフイベントとなる「妊娠」。
妊娠をするすべての女性が初産を経験するわけで、初めての妊娠においては、生まれてくる子供への期待感や楽しみと同時に、自身の体や生活の変化に対する不安なども大きくなる傾向にあります。
もちろん、先輩ママなどから様々な情報を得ることから、妊娠初期におけるつわりなどの体調変化などは、ある程度知識を身につけることができますが、妊娠によるホルモンバランスの変化は
体調以外にもあらゆる変化をもたらし
そして、その変化も個人差が大きい部分ではありますので、プレママ同士でもなかなか理解し合えない点が多いのが実情です。そんな妊娠による生活の変化の代表が
仕事におけるケアレスミスの増加
自身ではまったく自覚がありませんが、注意力の低下によってイージーミスが増えたり、デスクワークですと、長時間座り続けることが辛くなってくるため、仕事に集中できなかったりと、妊娠による体質変化はこんなところにも影響が出る可能性があるのです。
現代社会においては共働き夫婦が多いのが実情で、産休や育休などの社会的な待遇は整いつつありますが、実際に女性は
出産間際まで仕事をしていることも珍しくありません
ので、女性の負担がいかに大きいかをまわりが理解することも大切です。
特に、自覚がないなかでの仕事上のミスは、
自身のストレス増につながり育児の発育にも悪影響
となりますので、無理して出産間際まで働くより、何かしらの体の変化を感じた時点で産休に入るなど、仕事と出産に対する意識改革も必要な社会になりつつあります。そのためにも、
妊娠を要因とした体の変化の知識を高める
ことが肝要で、見た目や体調の変化のみならず、ホルモンバランスの変化によってどのような影響がでるか?、メンタル面でもどのような変化が起きるかを理解しておく必要があります。
そこで今回の記事では、プレママ&ワーママの基礎知識として知っておきたい
妊娠中における体調以外の変化と心理状態
と称し、妊娠特有の症状と心理変化にフォーカスし、その対策についてご紹介していきます。妊娠においては、味覚が変化したり、ニオイに敏感になったりといった体質変化はよく知られていますが、上記でご紹介したような
注意力が低下してケアレスミスが増える
といったホルモンバランスに掛かる体質変化については、
あまりよく知られていないのが実情・・・
ミスが増えることで叱責され、職場にいづらくなるようなことを避けるためにも、妊娠における様々な体質変化を知っておくことはとても重要です。元気な赤ちゃんを出産するためにも、妊娠がストレスにならないよう自身でも心の準備を深めておきましょう。
集中力や記憶力の低下と女性ホルモン変動の関係性
妊娠によって、女性ホルモンのバランスに変化が生じることは、容易に想像できる部分ではありますが、具体的にどのような変化が起きるかは、個人差こそあれど、推し量ることが難しい部分ではあります。
体型などの目に見える変化や、つわり・味覚の変化といった自覚症状については自身の体験に基づくため、妊娠が要因であることは明確ではありますが、
・集中力や注意力が散漫になる
・やる気が出ずに倦怠感
・落ち込みやすい&涙もろい
・イライラしやすい&焦りやすい
などといった症状は、俗に言うマタニティブルーと呼ばれ、妊婦さんの約半数が体験するとも言われています。
マタニティブルーは、妊娠初期から中期にかけて出やすい症状ではありますが、決して病気ではありませんので、不安になったり悩んだりする必要もありませんが、精神的に辛く、強いストレスを感じるようであれば、
胎児の成長にも影響を及ぼす可能性
がありますので、早めに専門医の診断を受けるようにしましょう。
このように、マタニティーブルーのような症状に見舞われてしまう背景には、初めての出産でとても不安に感じていたり、体がキツイのに仕事を続けなければならない状況であったりと、
主にストレスによって自律神経が乱れる
ことで不調を感じ始めることが多い傾向にあります。
妊娠による体質変化によって、体調がすぐれない、睡眠が浅く寝不足気味など、妊婦さんだけが苦しい状態になりやすい一方で、
・妊娠したんだから体調不良は当然
・体調が悪くても仕事は休めない
・胎児のためにも我慢しなければならない
といった考えで自分自身を追い詰めてしまうと、最悪「妊娠うつ病」といった精神疾患にまで悪化してしまうリスクもあります。特に仕事面においては、冒頭でも触れましたように、「注意力・集中力の低下や物忘れが多くなる」傾向にありますが、実は妊娠によって
脳機能にどのような影響を及ぼすかは未だ明らかではない
ため、どうしてもミスが増えると萎縮してしまったり、仕事に対する自信を失ってやる気が損なわれてしまうといった傾向が強くなります。また、車の運転などにおいても
注意力が散漫になることで事故を起こしやすくなる
といったことが報告されており、車の運転に限らず、製造工場などでの機械操作やクレーン操作なども基本的には行ってはならないよう措置として制定されているのです。
働く女性の妊娠・出産前後に事業主が講ずる措置
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000
/001169780.pdf
このように、女性ホルモンのバランス変化によって体内では
自覚症状がない部分が大きく変化している
ということを自身でもしっかりと認識しておき、職場など周りの人にもサポートしてもらえるような体制・環境作りを意識しておく必要があります。
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上記のとおり、妊娠中は注意力が散漫になることでケアレスミスが増える傾向にあります。もちろん妊娠を理由に集中しなくて良いという訳ではありませんが、
・毎晩眠りが浅くて寝不足気味
・つわり等で仕事に集中しにくい
・腰が痛くて長時間座れない
といったように、非妊娠者にくらべ注意力が散漫になってしまう要素が増えてきますので、可能な限りミスが起きてもフォローができる作業や職種に変えてもらうなどの配慮が職場には必要です。また、ミスが生じることで自信を失い、
そうしたメンタル状態が再びミスを誘発してしまう
ことは言うまでもありません。
ミスが繰り返されると、周りからも「無理しないで産休に入ったら?」といった雰囲気が強まり、そうした空気感もまた妊婦さんにとっては非常に大きなプレッシャーやストレス原因となってしまい、
スパイラル的に体調やメンタルが悪化しやすい
という傾向にあるため、自身でも気分が落ち込まないようなメンタルコントロールが必要となります。もちろん、メンタル面は個人差がとても大きな部分となりますので、すべての妊婦さんに当てはまるわけはありませんが、
妊娠中に気分が沈んでしまわないための対処法
を幾つかご紹介いたしますので、仕事のミス以外でもマタニティブルー対策として、取り組んでみるのも良いでしょう。
≪妊娠中のケアレスミスの対処法・メンタルコントロール≫
1.自身の不安を取り除いて自信につなげる
妊娠初期においては、母になることへの不安や仕事を辞めることによる環境変化に対して非常に不安を感じやすくなります。また、出産準備において分からないことだらけで不安になったり、体調の変化によるストレスも精神面で大きな負担となります。
これら不安をできる限り取り除き、軽減することでメンタル状態が安定し、ケアレスミスも減らすことが可能で、そのためにも出産に対する予備知識を身につけたり、出産における手続きなどを調べておく、いざとなれば親の助けを借りられる状態にしておくなど、不安要素を取り除いておくことはとても重要です。
2,気分転換ができる選択肢を増やしておく
友人知人との会話は、気分転換に非常に効果的。昨今ではLINEなどで済ませてしまう傾向にありますが、重要なのは会話をすること。もちろん、ご家庭では旦那さんと会話することができますが、あくまで仲の良い友達と他愛もない会話で盛り上がることがメンタルの安定につながります。
また、ウォーキングなどの軽い運動もまた気分転換につながり、有酸素運動で体を動かすことはもちろんですが、外の景色を眺めながら、大きく深呼吸(複式呼吸)をすることを日課にしてみましょう。マタニティヨガなども乱れた自律神経を整えるのに効果的です。
3,「妊娠のせいにしたくない」という認識を改める
仕事に限らず、ミスや物忘れが増えても「妊娠のせいにしたくない」という心理が働きやすい傾向にあります。また、その妊娠による変化を受け入れたくないという気持ちが強かったりすると、より一層自分を追い込んでしまい、結果的に妊娠うつ病になりかけてしまうことも少なくありません。
仮に、仕事のクオリティが下がったとしても、自分自身の変化を受け入れて「自分を大切にすることが胎児のためにもなる」という認識を持つことが重要です。妊産婦におけるメンタルヘルスの基本は、母子ともにメンタルが健全な状態であることが前提となりますので、無理をしない・必要以上に自身を追い込まないということを心がけるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
妊娠による体の変化は、目に見える自覚症状以上に、目に見えず自覚症状がない部分の方がメンタルケアとして重要だということを理解し、くれぐれも自分自身を追い詰めないよう、周囲の人たちのサポートも積極的に活用するようにしましょう。