妊娠中はイライラしやすい?!手軽にできるストレス発散方法

妊婦さんはみんななる?~妊娠中のイライラや情緒不安定の原因

妊婦さんはみんななる?~妊娠中のイライラや情緒不安定の原因

女性における大きなライフイベントとなる「妊娠」。
妊娠自体はとても喜ばしいことではありますが、妊娠が発覚してから出産までの約7~8か月程度は、自身の体に様々な変化が起こり、フィジカル的にもメンタル的にも不調・不安定となりやすい傾向にありますので、そのつらさはしっかりと乗り越える必要があります。

ただ、生まれてくる子供への愛情と楽しみなどで、自身の不調に対してはあまり苦痛は感じなかったという先輩ママの声も多いのが実情ですが、妊娠による身体の変化において、男性はもちろん知るすべがありませんが、女性間でも個人差が非常に大きく

すべての妊婦さんで症状が出るというものはない

ため、なかなか人と分かりあえずに一人で抱えてしまうケースも多いようです。
妊娠による身体の変化については、妊娠初期・中期・後期などで様々な症状が見られますが、皆さんが良くご存じの妊娠中の代表的な症状としては

妊娠初期:つわり・眠気・味覚の変化など
妊娠中期:便秘・腰痛・動機・息切れなど
妊娠後期:お腹の張り・頻尿・むくみ・寝不足など

これらが良く知られている一方、メンタル面での不調はあまり取り沙汰されることが少ない傾向にあります。例えば、妊娠中はイライラしやすいとか、妊娠中は不安になりやすいとか、

メンタル不調の情報はあまり定着していない

のが実情で、過去記事「▼妊娠中に起こりやすい仕事のミスによる気分の落ち込みや心理変化」でもご紹介いたしましたが、注意力や集中力が低下して仕事のミスが増えたり、こうした自分を惨めに感じて気分が極度に落ち込んだりと、

メンタル的に病んでしまう「妊娠うつ」という精神疾患

があることもあまりよく知られていません。

そこで今回は、前回に引き続き「妊婦さんのメンタルケア」にフォーカスし、特に妊娠初期はイライラしやすい妊婦さんの体の変化とメカニズム、そしてそのイライラを解消すべく手軽に行えるストレス対策についてご紹介していきます。もちろんこうした症状も個人差があり、妊娠初期の妊婦さんが全員イライラしているわけではありませんが、

イライラやストレスが胎児に悪影響を及ぼす可能性

は十分に考えられますし、イライラを解消するために過食になったり、飲酒や喫煙に向かってしまっては、母子の健康維持という観点からもイライラの原因から対処する必要がありますので、

妊婦さんはなぜイライラしやすくなるのか?

をしっかりと理解したうえで、その対処法や心がけを知っておくだけでも、妊娠うつのリスクを軽減できるということを覚えておくようにしましょう。せっかくの幸せなライフイベントを台無しにしないためにも、家族や知人の方も含め、妊娠時の様々な症状に対する理解を深めていきましょう。

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イライラ抑制ホルモン「セロトニン」と幸せホルモン「オキシトシン」

日常生活において、ストレスが溜まってイライラすることは妊婦さんに限らず誰にでもあること。改めて「そもそも、どうしてイライラするのだろう?」と考える人は少ないかもしれませんが、多くの場合で、自分の意思に反した予想外の出来事が起き、

その出来事が自身にとってネガティブな要素・要因

になることで、ストレスを感じてイライラといった心理状態につながります。
例えば

・道路が渋滞して待ち合わせに遅れそう
・隣の家が夜中までうるさくしてて眠れない
・パソコンの動作が重くてイライラする などなど

イライラするシーンは挙げればキリがないのですが、厳密に言うとストレスが溜まることでイライラするという手順を踏んでおり、ストレスとイライラは相関関係こそありますが、別物と考えておくべきかもしれません。例えば、健康のために行うジョギングですが、

体には疲労感が蓄積されることでストレスを感じる

わけですが、実際にジョギングしている自分はイライラするより爽快感の方が上回るケースの方が多いのです。その他にも、夏の暑さによって体がストレスを受けたり、紫外線によって目にストレスを受けたりと、人の体は常にストレスを受けておりますが、必ずしもそれがイライラにつながる訳ではなく、

自分自身では気付きにくいストレスやイライラもある

ということは覚えておくようにしましょう。

なお、妊娠初期の妊婦さんがイライラしやすくなる要因については、

基本的にホルモンバランスの変化

ということになり、その点は多くの方の想像の範疇かもしれませんが、「ホルモンバランスがどのように変化することでイライラしやすくなるのか?」と聞かれると、ほとんどの方が明確な返答できないかもしれません。実はこの妊娠によるホルモンバランスの変化においては、イライラを抑制するホルモン「セロトニン」が関係しているのです。

え?セロトニンって、あの体内統計を司る?

そうです、当「Re;」コラムをご覧の方なら一度はめにしたことがあるであろう必須アミノ酸から合成される神経伝達物質「セロトニン」は、別名「活動ホルモン」とも呼ばれ、太陽の陽の光を浴びるとセロトニンが増えて体が活発化し、夜になるとメラトニンの分泌が増えて眠くなる・・・といった

体内時計を司るホルモンのひとつです。

メラトニンとセロトニンの働きにおいては、過去記事「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」を参考にしていただければと思いますが、この活動ホルモン「セロトニン」は、そのほかにも

イライラを抑制して精神を安定させ幸福感を得やすくする

といった働きもあり、一部では「幸せホルモン」などと呼ばれることもあります。
妊娠による、つわりなどの体調不良でストレスを感じやすくなることはもちろん、寝不足などで自律神経が乱れやすくなることで、

メラトニンの分泌サイクルに異常を来たす

ことで、ストレスをさらに感じやすくなってイライラ感が増してきます。
また、セロトニン以外にも「オキシトシン」といった幸せホルモンも存在しますが、こちらは別名「愛情ホルモン」と呼ばれ、セロトニンと同様に抗ストレス作用があるほか、出産後も

オキシトシンが分泌されることで母乳の生成が促進される

といった働きがあるため、これらホルモンの分泌サイクルが乱れることで、イライラしやすくなってしまうというのが実情です。その他にも、イライラを抑制するホルモンには、ドーパミン、β-エンドルフィンといったホルモンが脳内で分泌され、

セロトニンとオキシトシンを加えて4大幸福物質

と呼ばれています。

オキシトシンは、出産時の陣痛促進や子供への愛情や優しさといった感情部分にも影響があるとホルモンですが、妊娠出産時期は、女性の一生のうちでもっともホルモンの増減が激しい時期となるため、ストレスでイライラしやすくなるのは致し方ない部分でもあります。

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上記でも触れましたように、妊娠・出産時期の妊婦さんにとっては、

体内の様々なホルモンが目まぐるしく変化する時期

であり、脳内で分泌されるホルモンもあれば、新たに作られた胎盤によって作られるホルモンがあるなど、実質的に非妊娠時のように

自身でホルモンバランスを安定させるのは困難

ですし、妊娠・出産・子育てというフェーズが待ち構えていることを考えるだけで、それが膨大なストレスとなることは容易に想像できます。

よって、日常生活のなかで、できる限りその先行きに対する不安を取り除いてメンタルを安定させるかがカギ!といっても過言ではありませんが、妊婦さんの不安を取り除くといっても

具体的に何をすべきか分からないのが本音・・・

例えばひとつの例として、上記でお伝えいたしました「幸せホルモン」であるセロトニンやオキシトシンを増やすことで抗ストレス作用が高まりますので、「どのようにすればセロトニンとオキシトシンを増やせるか?」というように、シンプルに考えた方が意外と対処法も見つけやすいかもしれません。

日常生活のなかで、セロトニンやオキシトシンを増やす最大の方法は、

パートナーとのスキンシップ

で、特にオキシトシンにおいては、配偶者ではなくとも好意を持った人とのスキンシップやペットとのスキンシップによって自分自身が幸福感を得られることはもちろん、オキシトシンの分泌が促進されることによって不安や恐怖といったストレスの緩和にも効果的です。

セロトニンの分泌促進については、上記「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」の記事内でも詳しくご紹介しておりますが、4大幸福物質であるセロトニンやドーパミンは、タンパク質やビタミンB6を摂取することで分泌が促進されるのに対し、オキシトシンにおいては

食事や特定の栄養素によって分泌が促進されることはない

ため、日頃からパートナーとのコミュニケーションを大事にしたり、犬などのペットとスキンシップを取ることで、自身の幸福感を高め、不安などのストレスを軽減することが重要なのです。

妊娠中は体の不調もあり、何事も面倒になったり、人と接するのも億劫になったりしがちですが、そうすることでより一層ストレスが蓄積されやすくなり、慢性的なイライラや妊娠うつに見舞われやすくなります。こうした状態に陥らないためにも

・毎朝朝日を浴びてセロトニンの分泌を促進させる
・タンパク質やビタミンB6が豊富な食事を心がける
・好意を持つ相手とスキンシップ取りオキシトシンの分泌を促す
・ウォーキングやストレッチなど適度な運動で気晴らしをする

など、自身ではストレス発散の自覚がなかったとしても、こうした日常の心がけが母子の健康につながるという意識を高めることが重要です。ストレスを背景に過食に走るのではなく、パートナーとのコミュニケーションを積極的に取るようにしましょう。

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