貧血の原因は鉄分不足だけじゃない?!さまざまな貧血の種類と症状

貧血=鉄分不足は古い!?鉄分不足だけじゃない様々な貧血要因

貧血=鉄分不足は古い!?鉄分不足だけじゃない様々な貧血要因

男性にはあまり縁のない症状かもしれませんが、女性にとっては日常的な体の不調のひとつに挙げられる貧血。「血が欠乏している」と書いて貧血ではありますが、決して血液量が不足している訳ではなく、血液中に含まれる赤血球の量および、

赤血球内のヘモグロビンの量が不足している状態

を貧血と呼ぶことは、過去記事「▼更年期世代に多い「隠れ貧血」と日常的な鉄分補給の心がけ」でも詳しくご紹介したとおり。特に成長期においては、身長が伸びたり、筋肉量が増えたりするのに伴い、必要となる血液量も増えるため貧血になりやすい傾向にありますが、一方で

閉経を迎える更年期世代の女性も貧血が多い

のが実情。
決して鉄需要が増える世代ではないのに、貧血の症状を訴える人が多い傾向にあります。

なお、貧血においては、主に以下のような種類に分類され

・鉄欠乏性貧血
体内の鉄分が不足することで、赤血球内のヘモグロビンが作られなくなり、全身に十分な酸素が供給されなくなることによって生じる貧血。

・溶血性貧血
血液内の赤血球が何かしらの原因で破壊する(溶血)ことにより起こる貧血で、激しいスポーツやマラソンなどのスポーツによっても起こる可能性。

・悪性貧血
一般的に「巨赤芽球貧血」と呼ぶビタミンB12や葉酸不足による貧血。「悪性」と聞くだけで生死に関わるような印象を持ちますが、名前の割に重度ではないタイプの貧血

世代を問わず貧血症状の大半は「鉄欠乏性貧血」であり、特に更年期世代においては

・閉経前後におけるホルモンバランスの乱れ
・卵巣機能の低下による月経周期の短期化
・エストロゲン減少による経血量の不安定化

などを背景に経血量が増え、貧血になりやすいという傾向があります。

つまり、更年期世代においても

生理が不安定になることで鉄需要が増える

という可能性がありますが、貧血症状と更年期症状に似ている部分も多いため、自身が貧血であることに気づかない女性が多いのが現実。めまいやだるさなどの不調を

更年期や貧血だけで片づけてしまう

のではなく、貧血となる原因やめまい・立ちくらみが発生するメカニズムなどを知り、効率的に貧血対応を取ることが重要なのです。

今回は、そんな更年期世代の貧血症状にフォーカスし、ホルモンバランスの乱れやすい40~50代女性における鉄欠乏以外の要因について詳しくご紹介していきます。貧血気味で「何かしらの対策は取っているけど一向に改善されない・・・」などという方は、一度この記事で貧血のメカニズムを再確認してみましょう。

多量の飲酒も原因!?鉄欠乏以外の貧血の種類と症状の特徴

多量の飲酒も原因!?鉄欠乏以外の貧血の種類と症状の特徴

早速ですが、多くの女性が経験する貧血においては、その要因のほとんどが

鉄需要の増加もしくは鉄分の喪失

となり、その背景には生理であったり、更年期によるホルモンバランスの変化であったりが挙げられるため、言わば「女性の貧血は避けられない」と言っても過言ではないかもしれません。そのような体質的な要因に加え、

習慣的にランニングなどの運動を行っている

といった点も、上記でも触れたような溶血性貧血の原因となります。

激しい運動を要因とした貧血は「動性溶血性貧血」と呼び、ランニングのように足裏の衝撃が継続的に続くような状況で、赤血球が壊れやすくなることで起こる貧血。また、運動による発汗においても、

汗と一緒に鉄分も体外に放出されてしまうため

運動時にめまいや立ちくらみが起こることは決して珍しいことではなく、スポーツ貧血などと呼ぶこともあります。特に夏場など、汗をかきやすい季節は、こまめな鉄分補給を心掛ける必要があります。

もうひとつ、鉄喪失以外の貧血要因として挙げられるのが

ビタミンB12と葉酸不足による貧血

ビタミンB12とか、葉酸不足とか言われても正直「あまりピンと来ない」のが本音かもしれませんが、上記で触れました「巨赤芽球貧血(悪性貧血)」がそれに該当し、ビタミンB12や葉酸が不足することで、

正常な赤血球が作られにくくなる

ことで起こる貧血タイプ。

貧血症状としては非常に珍しいタイプですが、ビタミンB12や葉酸が不足することで未熟な赤血球が増加し、赤血球としての役割を十分に果たせなくなるのが要因。

ビタミンB12や葉酸が不足する原因の多くは、そもそもの摂取不足か、何かしらの病で体内に吸収できなくなっていること、そしてアルコール依存や大酒飲みなどもビタミンB12が不足する原因となります。

ビタミンB12は、動物性食品に多く含まれる成分であり、野菜類の植物性食品にはほとんど含まれていないため、

菜食主義や無理なダイエットによって欠乏しやすい成分

また、葉酸においては、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、鶏や豚レバーに多く含まれているため、日常の食生活のなかで、あまり不足することがないビタミンB群ではありますが、

妊娠中や授乳期は必要量が増える

ので、鉄分摂取以外にもビタミンB12および葉酸の摂取を心がけると良いでしょう。

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鉄需要が増えていないのに欠乏するのはその他の病も疑おう!

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上記のように貧血原因には様々な背景がありますが、貧血に至るプロセスを理論的に考えると

1,鉄分やビタミンB群の喪失
・更年期など卵巣の働き低下による頻発月経 
・激しい運動や発汗に伴う鉄分の喪失
・胃潰瘍や大腸がんなど消化管器系の疾病 など

2,鉄分やビタミンB群の摂取不足
・偏った野菜だけの食事や無理なダイエット
・生理や妊娠などを背景とした鉄分需要の増大
・鉄分やビタミンB12、葉酸などの吸収障害

などが考えられるため、失われる要因と補給する要因の根本原因を見直すことで、対策の取り方も変わってくるのです。ただし、更年期における頻発月経や偏食などにおいては、鉄分を十分に摂取することで自身でも対策が取れるかもしれませんが、

鉄分やビタミンB群を十分に摂取しているのに貧血

という場合には、胃潰瘍や胃がんなどの消化管出血の可能性もありますし、主に十二指腸で吸収される鉄分やビタミンB12が正常に吸収されず、吸収障害が起きている可能性もあるため、言うまでもなくこれらは専門医の受診が必須となります。

ちなみに、鉄分における1日の推奨摂取量は、

成人男性:7.5mg
月経のある女性:10.5mg
月経のない女性:6.5mg

出典:厚生労働省「e-ヘルスネット」
貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html

とされていますが、吸収性が高いヘム鉄で含有量も最も多い豚レバー(生50g)で約6.5mg(そもそも生食はできませんが・・・)となりますので、1日推奨量を摂取するのはそう簡単ではありません。日常的に手軽に摂取できるオススメ食材として

あさりの水煮缶(100gあたり約5mg~8mg程度)

が挙げられ、あさりご飯やパスタなど、調理の幅が非常に広い手軽な食材なので、習慣化するのには最適です。貧血対策の基本は、食生活を見直して必要量をしっかりと摂取すること、そして貧血症状がひどいようなら消化器官系の疾病を疑い、専門医へ受診すること、この2点を念頭に生活習慣から見直すことが大切です。

特に40~50代前後の世代は、体の様々な変化に対して

加齢や更年期のせいにしがち

ではありますので、しっかりとその原因を把握して、その原因に即した対応を取るよう心がけましょう。

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