なぜ疲れ目・眼精疲労にアントシアニン?紫外線と視力低下の相関性

デスクワークが多いほど視力は低下?!疲れ目と視力低下の相関性
「人の体の七不思議のひとつ」とも言えるのが視力のメカニズム。
現代社会において、スマートフォンやパソコンを見ない日はないと言っても過言ではないくらいデジタルデバイスが生活の一部になっておりますが、それを見続けることで視力が低下する人もいれば、低下しない人もおり、スマホやパソコンの使用が視力低下の直接的な原因であるとは言い切れないのが実情です。
特に中高年以降ともなると、加齢の要因も加わることで視覚機能の低下が顕著となりますが、そもそも視力が低下する原因については
・遺伝的要因
・環境的要因
・加齢や生活習慣
・眼の病気や疾患
などが複合的に絡み合って作用するため、〇〇が原因と断定することが難しいのが現実。多くの方が「最近目が見えにくくなってきた」と感じても、適切な診断や治療を受けることが少ないだけでなく、自分自身で「スマホの見すぎ」や「仕事上しかたがない」などと結論付けてしまうため、
視力低下は悪化の一途を辿りやすい
という傾向があることは認識しておくべきかもしれません。
つまり、近年増加傾向にある長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、視力低下のひとつの要因となりうるものですが、どちらかというと近くのものを見続けることで
毛様体筋や水晶体といった目の組織の機能が低下する
というのが直接的な原因であり、このような状態を「疲れ目」と呼びます。
目のピント調整を司るのが毛様体筋や水晶体であること、そしてピントが合わないというのはどのような状態なのかは、過去記事「▼老眼?疲れ目?物が見えにくくなる原因と対策グッズ」でもご紹介しているとおりですが、この目のピント調整力は、
40〜50代で急激に低下して一段と目が疲れやすくなる
という傾向にありますので、結果的に視力も低下しやすくなります。
また、目が疲れやすくなっても、目の酷使環境はすぐに改善できるわけでもなく、その主な要因である長時間のデスクワークを続けることで疲れ目がさらに悪化。そして、慢性的な頭痛や吐き気などを引き起こす眼精疲労まで進行してしまうケースも少なくありません。
なお、人間が目でものを見るメカニズムについては、カメラの撮影原理と同じで
・目から入った情報を角膜と水晶体でピントを合わせる
・入った情報を網膜に映し込み像が形成される
・形成された像を視神経を通じて大脳に伝達する
というフローのなかで、いずれかの機能に異常を来すことで、
脳への正常な伝達ができなくなる、これが視力低下です。
今回の記事では、各セクションごとにその原因や要因を追求し、デスクワークなどの目の酷使以外の大きな要因となる「紫外線の影響」についても詳しくご紹介していきます。特に40~50代ともなると、老眼の進行によって視覚機能の低下が顕著となってきますが、その機能低下を少しでも抑制するためにも
視力低下の様々な要因と原因を知っておくことは非常に重要
視力低下を「疲れ目や老眼だから仕方ない」で片づけないためにも、しっかりと視力低下のメカニズムを対策をこの記事で身に付けるようにしましょう。
視覚機能の大敵「紫外線」~視力低下以外の紫外線起因の疾患

視力低下の要因として、意外と知られていないのが紫外線。
皮膚のシミ・シワなど、紫外線が体に悪影響を与えることは何となく理解している一方、ホルモンバランスを整えるには朝陽を浴びたり、ビタミンDは日光に含まれる紫外線を浴びることで生成されるため、
健康維持のためにも日光浴は重要
という側面もあります。ビタミンDの主な働きとしては
・食物からのカルシウム吸収を促進
・血液中のカルシム濃度を一定に保つ
・骨の成長や骨量の維持を図る
・免疫機能のバランスを保つ
などが挙げられることから、特に筋量・骨量が相対的に低下する中高年以降は、適度に紫外線を浴びることが必要です。ただし、ここで気を付けなければならないのが
紫外線による目の組織への影響
で、特に水晶体や網膜、角膜は紫外線の悪影響を受けやすい組織です。
水晶体が長期間紫外線にさらされることで、水晶体の白濁化を招いて白内障の原因になることは「▼中高年から気をつけたい!加齢に伴う眼の老化と代表的疾患」でもご紹介したとおり。加齢も白濁化の要因となりますので、紫外線の悪影響も含めて加速的に白内障リスクを高める恐れがあります。
続いては網膜ですが、こちらも紫外線による活性酸素の増加で加齢黄斑変性などの疾病リスクを高めます。加齢黄斑変性の詳細については、「▼ルテインに予防効果!目の老化「加齢黄斑変性」の基礎知識」で詳しくご紹介しておりますが、こちらは加齢や紫外線以外にも
飲酒や喫煙、ストレスや運動不足などの生活習慣も大きな要因
となることから、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の方は、必然的に加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などに罹患するリスクが高まります。
紫外線によって肌が日焼けするように、
目も日焼けすることで様々な目の病気を引き起こす
ということを認識しておく必要があります。
さらには、紫外線が水晶体の老化を加速さることで老眼も加速させる。
つまり、目が疲れやすくなり疲れ目の原因になる・・・というプロセスになるため、疲れ目が視力を低下させるという観点も間違いではないのですが、それ以前に視覚機能が衰えて視力が低下し、
結果として疲れ目を引き起こしている
ということを認識しておく必要があります。
特に夏場のレジャーなどでの紫外線対策は、肌だけでなく紫外線透過率の低い(紫外線カット率の高い)サングラスで、目の保護もしっかりと行うことが肝要です。
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疲れ目・眼精疲労にアントシアニン~紫外線を吸収するメカニズム

これまで、主に中高年における視力低下のプロセスと原因について説明してきました。
目の酷使による疲れ目症状などは、多くの方が自覚・意識している一方、紫外線による水晶体の柔軟性低下や白内障、網膜の酸化などを起因とした加齢黄斑変性などのリスクは、ほとんどの場合で意識していないのが現実。
・白内障などの水晶体そのものの異常
・加齢黄斑変性などの網膜の異常
・緑内障などの視神経の異常
これらはすべて、特に中高年以降に起こりうる代表的な視覚機能の障害ではありますので、目に対する紫外線対策が非常に重要だということをアップデートしておくようにしましょう。
ただ、一概に目の紫外線対策と言っても、日差しの強い日中にサングラスをかける、もしくは紫外線カット率の高いレンズの眼鏡を使用する、というくらいしか思いつかないかもしれません。そんな時に活用したいのが、
目の健康成分でお馴染みのアントシアニン
天然色素成分のひとつアントシアニンの効果については、「▼疲れ目?かすみ目?状態別に正しいアイケアを知ろう!」などの記事でも数多く取り上げていますが、アントシアニンは網膜や視神経、毛様体筋の血流を促す働きだけでなく
紫外線から水晶体や視神経を守る効果
もあり、ブルーライトなども含めた有害な光の刺激から目を守る働きがるのです。アントシアニンは元々、植物が紫外線や寒冷、乾燥ストレスから身を守るために産生する代謝物であり、光合成によって生成された糖を原料に合成されます。つまり、アントシアニンが多く含まれる
ブルーベリーなどの植物における生理的機能
であり、アントシアニンを摂取することで紫外線の悪影響を抑制するというプロセスはとても理に適っていると言えるのです。
例えば、紅葉は秋になるとその葉が赤く染まりますが、これは緑色色素であるクロロフィルが分解されると同時に、赤色色素であるアントシアニンが合成されるからなのです。紫外線を吸収するクロロフィルは、有害な活性酸素を生成してしまうため、
秋になるとクロロフィルを捨て、光を遮るアントシアニンを生成する
というメカニズムなのです。
このように、目の健康成分であるアントシアニンは、これまでご紹介してきた目の各組織の緊張を和らげるのはもちろんのこと、紫外線ダメージを軽減することも明らかになっていますので、紫外線対策という観点ではルテインと同様に習慣的な摂取が望ましいと言えます。もちろん、適度に紫外線を浴びることは必要ですが、
サングラスをかけて強い日差しを避ける
ことを基本に、日差しの強い夏場などは特にブルーベリーなどに多く含まれるアントシアニンを習慣的に摂取することで、水晶体や網膜などを紫外線ダメージから守ることを意識すると良いでしょう。結果的に疲れ目予防にもなるということをお忘れなく!