40~50代の更年期世代の女性に多い頻尿とその原因

40~50代の更年期世代の女性に多い頻尿とその原因

決して恥ずかしくない!?閉経後の身体の変化と排尿の関係

中高年における体の悩みのなかでも、特にデリケートな話題のひとつでもある排泄問題。

特に排尿においては、40代以降であれば多くの方が少なからず感じる部分であり、一種の加齢症状と言っても過言ではありません。過去記事「▼中高年に多い尿の悩み・そのメカニズムと予防対策」でもご紹介いたしましたが、尿トラブルにおいては

・トイレの回数が増える頻尿
・我慢しているのに尿が出てしまう尿漏れ
・排尿直後も尿が漏れてしまう残尿
 などなど

個人個人によって様々な症状があるものの、多くの方で

「恥ずかしくて人に言えない」という心理が働きやすいため

健康リスクとして認識する人も少ない傾向にあります。

特に女性においては、40~50代以降ともなると更年期のタイミングでもあるため、体に様々な変化が見られるようになります。▼更年期につきましても、当「Re:コラム」にて数多く取り上げておりますが、代表的な症状であるめまいやストレス、動機などに並び

泌尿器・生殖器系の変調・不調

は多くの女性に見られる傾向にあり、こうした症状を恥ずかしいと感じる側面と、閉経後の女性としての機能の喪失感なども心理的ダメージとなりやすい傾向にあります。これも加齢現象のひとつではありますので、しっかりと向き合って上手に付き合っていく必要がありますが、メカニズムとしては

・加齢によって卵巣機能が低下
・エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が減少
・ホルモンバランスの乱れによる身体の変調
・不安やストレスなどによる自律神経の乱れ

といった流れで尿トラブルに見舞われやすい傾向にあります。

それ以外にも、骨盤内の臓器を支える骨盤底筋群などの筋肉の緩み、自律神経の乱れなどから来る便秘やその便秘を要因として腹圧の高まりなども頻尿の要因として挙げられ、単に「トイレが近い」といった単純な問題ではありませんので、自身の症状をしっかりと認識し、対策を取っていくことが大切なのです。

今回は、そんな40~50代の

更年期世代の女性に多い頻尿症状にフォーカス

し、その原因と対処法について詳しくご紹介していきます。

特に夜就寝中にトイレに起きてしまう夜間頻尿においては、睡眠の質の低下や睡眠不足を招き、日中の活動に支障を来たしかねない由々しき問題。寝室を共にしているご夫婦などは、パートナーへの悪影響が出てしまう可能性がありますので、決して軽視できる問題ではありません。

頻尿を恥ずかしがらず、前向きに向き合えるようにしっかりと知識を高めていきましょう。

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頻尿や尿漏れの鍵を握るのは女性ホルモンと骨盤底筋

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女性においては、男性とは異なり尿道が短いなどの体の特性的な部分や、

・男性にくらべ筋力が低い
・便秘になりやすい
・女性ホルモンの影響を受けやすい

など、加齢による体質変化が男性より大きい傾向にあります。

もちろん男性においても、前立腺肥大症など男性ならではの泌尿器系のトラブルがありますが、40~50代女性の多くが直面する閉経などに伴う更年期障害においては、排尿トラブルに限らず、体の様々な変調・不調を来たします。特に女性ホルモン・エストロゲンの減少は、

自律神経系の失調を招きやすく

尿意のコントロールはもちろんのこと、人によっては関節痛なども引き起こします場合がありますので、自律神経を整えることの重要性は、こうした部分にも影響が出てきます。上記のとおり、女性ホルモンの減少によって、骨盤底筋群が緩みやすくなり、尿失禁なども起こりやすくなるのですが、エストロゲンは

粘膜や被布の潤いを保つ機能もあり

更年期以降にシミやシワなどが増えるのもその影響で、この機能は膀胱や尿路にも及びます。

エストロゲンの減少と頻尿・尿漏れの相関性は、この機能の低下によるものですが、エストロゲンの機能低下は

自分自身でコントロールできるものではありません

ので、更年期時期の頻尿対策は、骨盤内の臓器を支える骨盤底筋群の筋力強化が基本となります。個人差こそあれど、更年期を迎える女性の多くは、

・トイレの回数が増える(頻尿傾向になる)
・排尿を我慢する機会が増える(尿漏れ・尿失禁)
・ホルモンバランスの乱れにより眠れなくなる(夜間排尿が増加)

といった具合に、尿にまつわる様々な障害が出やすくなる傾向にありますが、何かしらの疾病でない限り、

骨盤底筋群を鍛えることと自律神経を整えること

が、頻尿の基本的な対処法となりますので、トレーニング方法の把握のほか、自律神経が乱れないような生活習慣を心掛けるようにしましょう。骨盤底筋群のトレーニングにおいては、「▼頻尿で熟睡できない?!朝までトイレに行かずに眠るには」も合わせて参考にしてください。

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上記でご紹介したように、加齢によって骨盤底筋などの筋力が低下すること、そして女性ホルモンのバランス変化などによって、40~50代以降は頻尿になりやすく、そして尿漏れも起こしやすくなることは理解できたのではないかと思います。では、

インナーマッスルである骨盤底筋群だけを鍛えていれば良いの?

というとそんな単純な話ではなく、中高年の頻尿原因は、前立腺肥大症などの排尿障害によって膀胱が敏感になったり、糖尿病などで水分を多量摂取することによって尿量が増えたり、ストレスなどによって何度もトイレに行きたくなるなど、様々な要因が考えられます。また、特に基礎疾患がないにも関わらず、

加齢と共に頻尿になることも珍しくなく

膀胱に尿が溜まっていないのにも関わらず尿意を感じる「過活動膀胱」や、便秘がちな女性においては、便秘によって腹圧が高まることで膀胱が圧迫され、尿を溜める量そのものが減少してしまうこともあるため、頻尿対策においては

日常生活そのものを見直すことも重要

とされています。

頻尿と聞くと、多くの方が

・水分を摂るのを控えよう
・利尿作用の高いコーヒーやお茶は避けよう
・お酒の飲む量を控えよう

というイメージを持たれると思いますが、これはこれで頻尿対策の一環として大切なことですが、加齢に伴う頻尿は上述のとおり、様々な原因が複合的に絡み合っていることが多いため、生活に支障を来すほどの頻尿を自覚するのでれば、早めに泌尿器科などの専門医の診断を受けることが肝要です。

繰り返しとなりますが、

更年期における頻尿・尿漏れは決して珍しいことではありません。

上記でご紹介した過活動膀胱の原因においては、

加齢による膀胱の伸縮性の衰え

などが挙げられおり、その明確な原因は明らかになっておりませんが、加齢症状のひとつとして捉えて上手に付き合っていく必要があります。

こうした症状を認識したうえで、水分量を抑えたり、アルコール摂取を控えたり、便秘にならないような食生活を意識したりといった生活習慣の見直しをすること。そして、過去記事「▼近年の対策は生活習慣の見直しから~尿漏れと前向きに向き合おう」でもご紹介した膀胱トレーニングも併せて実施していくことが、自分でできる日常的な頻尿対策と言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか?

加齢に伴い頻尿になるというのは、意外と知られていない症状のひとつで、デリケートな話題ゆえに、あまり情報共有もされにくいのが現実です。頻尿や尿漏れは決して恥ずかしいことではありませんので、しっかりとその知識を持って、日常生活のなかで意識・実施できることから対策していくよう心がけましょう!

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