肥満や高血圧を要因とした「いびき」は既に生活習慣病のひとつ?
まずは生活習慣病とは何たるかを再認識しよう!
突然ですが、みなさんは「健康維持のための生活習慣」をどれくらい実行できていますか?
一般的に言われる代表的な健康習慣を挙げると
・栄養バランスの取れた食事
・脂っこいものや脂質を抑えた食事
・適度な運動
・十分な睡眠時間と快適な睡眠環境
・規則正しい生活リズム
・禁煙や適度な飲酒
・ストレスフリーな生活
などなど・・・
言葉では分かっていても、実際に継続するのはなかなか難しいのが実情です。
ひとつくらい改善するのであれば気持ちも楽かもしれませんが、それを長期的に継続するとなると、
意識せずに生活の一部として溶け込まさなければならない
ので、これがなかなかできない・・・。
特に日常生活のなかで無意識に行動していること、つまり
・お腹が空いたら食べたいものを食べる(=お肉中心の食事)
・疲れてるから動きたくない(=運動不足になる)
・ストレス解消のため飲酒や喫煙をする(=お酒・たばこがやめられない)
身体に良くないなと思いつつ、自身の欲求を優先させてしまうことが生活習慣になっている方がほとんどだと思いますが、これがまさに生活習慣病なのです。
例えば、中高年以降に多い肥満や高血圧、糖尿病などは、主に運動不足や偏った食生活によって引き起こされる病気で、健康を意識する人であれば誰しも知っていることではあります。
結局のところ
生活習慣や食生活を改善したくてもできない
というのが本音で、これが生活習慣病対策の難しいところではあります。
喫煙している方の多くが「タバコをやめたくてもやめられない」という点と似ている部分かもしれません。そんな中、近年注目されているのが「いびき」です。
いびきも、特に中高年の男性に多いイメージがありますが、過去記事「▼パートナーのいびきで眠れない!いびきを止める簡単な方法」でもご紹介しているように、いびきの原因には、
・肥満ないしは肥満気味
・飲酒や喫煙
が大きく関わってくるため、加齢と共に肥満気味となり、いびきをかきやすくなり、そして睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの傾向が強まる、といったケースが非常に多いのです。
「いびきも生活習慣病なの?」
と思った方もいるかもしれませんが、いびきは単発性(単純性いびき)のものもあれば、上記でご紹介したような習慣性のものもあるので、疲れやたまたまお酒を飲んだ日など、原因もわかる一時的なものであれば深刻になりすぎることはありませんが、
肥満気味&飲酒・喫煙の習慣がある方
は、言うまでもなく生活習慣を見直す必要があります。
今回は、この生活習慣病を起因とした肥満や高血圧などが引き起こす「いびき」にスポットを当て、日常生活におけるリスクや、その症状を放置することによって引き起こされる別の健康リスクなどをご紹介していきます。
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肥満は高血圧や高脂血症を引き起こす!SASにも要注意!
今や加齢による肥満は、生活習慣病の代表的な症状のひとつとして知られています。
肥満になると、身体への様々な健康リスクが増えていきますが、特に深刻なのは「糖尿病」や「高脂血症」、「高血圧症」などを発症しやすくなること。その他にも、動脈硬化を起因とした脳卒中やクモ膜下出血なども引き起こしやすくなります。
これらは、実際のところ普段の生活のなかであまり自覚症状がないのも事実で、
知らず知らずに健康リスクが高まっている
と考えるだけで怖くなってしまいますが、実際のところ肥満による体型変化以外は自覚症状がなく、
・久々に血圧を測ったら驚くほど上がっていた
・健康診断の内容が大幅に悪化していた
といった具合に、せいぜい1年に1~2度程度知る機会がある程度なのです。
そんななか、こうした身体の変化を知るためのひとつの参考材料として覚えておきたいのが「いびき」です。いびきの原因のひとつである肥満によって、
舌や喉の内側にも脂肪がつき、気道を塞ぐことでいびきをかきやすくなる
というメカニズムがありますので、ある年齢から急にいびきをかくようになったり、いびきがひどくなったという方においては、生活習慣病とまでは言わなくとも、肥満症や高血圧などを疑い、
特に食事の内容や積極的な運動を取り入れる
ことを心掛けた方が良いでしょう。
実際に、いびき自体も本人には気づきにくく、もちろん自覚症状もありませんが、いびきの度合いが進行すると、就寝中に10秒以上呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群(SAS)に進行する可能性もあります。SASの詳細については、▼いびき関連記事一覧を参照いただきたいと思いますが、SASによって
・良質な睡眠の妨げになる
・寝ても疲れが取れない
・寝不足による日中活動への悪影響
・寝不足がさらに高血圧などを招く
・ご夫婦などパートナーへの影響
など、さまざまな悪影響を生じさせる可能性があります
いびきは気道が塞がれることによって生じますが、気道が塞がれることで酸素がうまく取り込めず、血液中の酸素濃度が低下することで、心臓が血液を多く送り出そうとするために心拍数が増え、血圧が上昇します。これを聞いただけでも
とても身体が寝ている状態だとは思えない
ということは理解できると思いますが、この状態が生活習慣となってしまうことがどれだけ健康リスクが高いか?!ということは、改めて説明の必要はないでしょう。このように、加齢による肥満は、多くの人がなるからと言って割り切るのではなく、特に40代以降は、
揚げ物などの脂っこい食事を控えて適度な運動習慣を身につける
ということの大切さを再認識する必要があります。
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食生活の乱れに留まらない生活習慣病リスクと予防の心構え
肥満と生活習慣病、そしていびきの関係をここまで見てきましたが、生活習慣病はいったん発病すると、病気が進んでしまうのを治療で遅くすることはできても、完治するのが難しい傾向にあります。その病気と一生付き合わなければならないとなると、
現実的な医療費の問題や精神的な負担
が常に付きまとい、さらにほかの病気を併発する可能性も高まります。
健康リスクを高める生活習慣を改め、少しでもこうした疾患を減らすことが特に中高年世代の課題と言っても過言ではないのです。一方で、冒頭でもご紹介したとおり、生活習慣病は日常生活と常に隣り合わせである以上、
生活習慣を改めればその多くは予防ができる
ということ。
運動・食生活・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣を見直すことで、それぞれの病気の発症や進行を予防ことができるので、強い意志と生活環境の見直しは必要かもしれませんが、特に取組みやすい食生活と運動習慣から見直してみると良いでしょう。
言うまでもなく、20~30代の頃と同じ食事の内容や食事の量では、40代以降に肥満になるリスクは高まります。特に食生活が乱れているという認識がなくても中年太りは進行するのが現実で、個人差こそありますが、加齢による筋肉量の低下などを背景に基礎代謝が低下してくるため
食べるの量を抑えて、その量に慣れる
ことが大切です。
もちろん、味の濃い食べ物や脂っこい揚げ物、甘い食べ物なども極力控えるのが理想的で、こうした心がけが、糖尿病や動脈硬化、高血圧症などを抑制する要因となります。糖尿病の恐ろしさは説明の余地はありませんが、日本人の三大死因のひとつである心疾患や脳血管疾患は、
いずれも生活習慣病が起因であることが多い
のも現実です。
生活習慣を見直して改めることは強い意志が必要となり、特に40代以降ともなると様々なストレスや社会環境と向き合いながら生活しなければなりません。毎日のように健康を意識した生活を送ることは現実的ではないかもしれませんが、いまの生活を維持するために身体を壊してしまっては本末転倒・・・
いつまでも健康でいることが財産
という認識を持って、定期的にご自身の健康状態を把握し、健康的な生活習慣を維持していきましょう。特に、適度な運動については実施できていない中高年の方が多い傾向にありますので、最低でも週に一度は、何らかの形で体を動かす習慣を身につけるようにしましょう!