寝つきの悪い人にオススメする「午前中にやっておきたいこと」
なかなか寝られず目覚めも悪い・・・寝つきが悪い主な原因
「最近、ちゃんと寝られてますか?」
と聞かれて、毎日ぐっすり寝られていると答えられる人は、恐らく少数派なのではないかと思いますが、現代社会において、肥満などの生活習慣病と並んで改善課題となっているのが
慢性的な寝不足や睡眠障害
改めて説明の余地はありませんが、1日24時間のうち、平均6時間前後は寝る時間だと考えると、日々の生活の1/4をも占める大切な睡眠時間であるのに、忙しい時などに真っ先に削られてしまうのが睡眠時間・・・といったように、 睡眠に対する意識が相対的に低いのが実情です。
現代社会においては、インターネットやスマホの普及によって様々なニーズが24時間対応できるようになっています。例えば、動画サイトでドラマが見たい、通販サイトで買い物を楽しみたいなど、「あれもしたい・これもしたい」といった選択肢が豊富にあることで
活動時間の奪い合いが生じている状況
つまり、無意識に睡眠時間が削られやすい状況にあると言っても過言ではありません。
近年増加傾向にあるのが俗にいう睡眠障害であり、眠れない、寝つきが悪い、眠りが浅い、疲れが取れないなどといった、本来の睡眠が取れていない方が増えているのです。
今回は、そんな様々な睡眠障害に対する症状があるなか、
なかなか寝られない・寝つきが悪い
といった症状にフォーカスし、その原因や対策・予防についてご紹介していきます。
ただし、寝つきが悪い・眠りが浅いといった状況は、心理的な要素でも普通に生じるため、必ずしも寝つきが悪いからといって睡眠障害という判断には至りません。
例えば、翌日に重要な会議がある、年に一度の発表会がある、などといった緊張や心配事などによって眠れなくなることは往々にありますし、生後間もない子供がいるご家庭は、常に気を張っていることもあり、そもそも眠りが浅くなる傾向にあります。ところが近年では、
特にそうした心理的要素が存在しないにも関わらず眠れない
という方が増えているのです。
この記事では、なかなか寝付けない・眠りが浅い・目覚めが悪い原因と改善方法について検証していきましょう。
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体は疲れているはずなのに、横になってもなかなか寝付けない・・・
誰しもそんな経験は一度や二度はあるはずですが、過去記事「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」でもご紹介しているように、人間は基本的に夜になれば自然と眠くなり、朝日を浴びることで覚醒するというサイクル「体内時計」を持っています。
じゃあ、曇っている日や雨の日は覚醒しないの?
と単純な疑問を持つのではないかと思いますが、朝日を浴びると脳内で分泌されるセロトニンは、脳を活発に働かせる活動ホルモンであり、おおよそ2500ルクス以上の光を浴びることで体内時計が整えられセロトニンが生成されやすくなります。
もちろん気象条件にもよりますが、晴れの日の屋外が約10万ルクス、曇りの日の屋外でも約1万ルクスの照度がありますので曇りの日でも体内時計は覚醒します。梅雨時期など曇りや雨が多い日に気分が晴々としないのは、このセロトニンの分泌量が関係していると言われており、体内時計の正常なサイクルを維持するためには
曇りの日こそ積極的に屋外に出て太陽の光を浴びること
を意識することが大切です。
朝になって自然と目が覚め、セロトニンが分泌されることで覚醒し、そして夜になれば睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌されて眠気を誘う。つまり、寝つきが悪いという状態は、このメラトニンの分泌サイクルが乱れているということでもあり、その乱れの原因のひとつとなるのが
パソコン・スマホの画面などを含めた強い照明
で、本来夜になれば自然と分泌が促されるメラトニンの生成が抑えられ、寝つきが悪くなってしまう原因となります。また、加齢も寝つきが悪くなる要因のひとつで、年を取るほど夜中に目が覚めたり、朝早く目覚めたりと睡眠時間が減ったり睡眠の質が低下する傾向にありますが、これも
加齢によって体内時計の機能が低下
することで、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする傾向にあります。
人の体内時計のサイクルでは、睡眠ホルモンであるメラトニンは、朝目覚めてから約14~16時間程度経過すると分泌され、徐々に眠気を感じるようになります。朝7時に起きれば、21~23時には体が入眠体制に入るということですが、そのサイクルを正常に保つためにも
しっかりと陽の光を浴びてセロトニンを分泌させること
はもちろん、陽の光が十分に浴びられないような状況であれば、日中にしっかりと体を動かすことで体を疲労させることも重要です。特にメラトニンの分泌量が減少する中高年以降は、日中の活動次第で、寝つきの良し悪しはもちろん睡眠の質にも影響してきますので、くれぐれも
・寝つきが悪いから少しお酒をひっかけよう
・寝られないから布団のなかでスマホでも見てよう
というような行動は避けるようにしましょう。
睡眠の質低下を招くだけでなく、体内時計のサイクルの乱れの原因となってしまいますので、寝つきの悪さは日中の活動内容で改善するということを意識するようにしましょう。
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上記では、体内時計のサイクルを正常に維持することの重要性をお伝えしましたが、実際にどのような行動を意識すれば、セロトニンとメラトニンの分泌サイクルを正常に保つことができるのでしょうか?
例えば、朝起きて午前中は効率良く行動ができ、昼食を食べた午後になると、疲れと共に徐々にその効率が低下してく・・・ということは多くの方が経験されているかと思いますが、これらも体内時計のサイクルが関係しており、
覚醒度の高い午前中ほど効率よく活動できる
という傾向にあるのは肌感覚でもお分かりいただけると思います。
仮に、朝起きて朝日を浴びるために30~60分程度ウォーキングを行うだけでも、セロトニンの分泌を促し、そして14~16時間後にはメラトニンの働きが優位となる、といった行動も効果的ですし、主婦の方なら午前中にすべての家事を片付け、買い物なども午前中に済ませた方が、陽の光を浴びる時間が増えるでしょう。
繰り返しとなりますが、眠気を誘う睡眠ホルモン「メラトニン」は、朝目覚めてから約14~16時間程度で分泌され始めますので、寝つきが悪いからといって寝る時間が遅くなり
朝起きるのが遅くなるというサイクルは一番避けたい
ところではありますので、眠くてもしっかと朝起きることが重要。正常なサイクルで活動しているにも関わらず寝つきが悪いという状況であれば、運動量を増やして体自体を疲れさせるなど、単にメラトニンとセロトニンの分泌サイクルだけを意識するのでなく、
日中の活動量そのものを見直してみるのも効果的
ただし、寝つきの悪さや睡眠の質においては、精神的なストレスや緊張、不安事といった心理的な要素のほか、「▼一番寝れない年代は40代?ストレスと睡眠時間の関連性」でもご紹介しているように、更年期などの体質変化なども影響してきます。
上記でご紹介した睡眠ホルモンであるメラトニンの働きと合わせ、入浴などでリラックスして、副交感神経の働きを優位にさせることで、
より入眠しやすい環境を整えてあげることが肝要
ストレス社会とも言われる現代においては、仕事や子育てに対するストレスや不安などが尽きず、こうした心理的な負担が寝つきの悪さや睡眠の質低下を招くのは致し方ない部分かもしれません。
ゆえに、可能な限り規則正しい生活を心掛け、セロトニンが多く分泌される午前中に積極的に活動することを意識して、体の中から寝られる体勢が整うよう、就寝環境を整えることも重要だということを覚えておきましょう。
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