睡眠障害ってどんな症状?寝れない時の睡眠障害セルフチェック
現代人の約4割が抱える不眠症~睡眠障害とはどのような状態?
健康な生活を送るうえで、食事と同様に重要な要素のひとつなのが「睡眠」。
現代社会においては、様々なものが便利になるのと同時に、その便利さゆえに時間的概念も薄れつつあるため、睡眠時間を犠牲にしてでも「やりたいことを優先する」という考え方が台頭しつつあります。
そんな現代社会において、現代病として広がりつつあるのが睡眠障害。
睡眠障害とは、その代表的な症状である「不眠症」を筆頭に、過眠症、概日リズム睡眠障害など、
睡眠に対する様々な病気の総称
ではありますが、現代社会における睡眠障害の多くが「不眠症」です。
不眠症においては、入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒のいずれかの問題を抱えており、一般成人の30〜40%が何らかの不眠症状を有している※と言われています。
出典:厚生労働省「e-ヘルスネット」不眠症
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-001.html
睡眠障害のなかでも割合の多い不眠症が、どのような状態かと言うと
1,入眠困難
寝つきが悪く、眠りたいのになかなか寝られない状態。
不安や緊張、過度のストレスといった心理的要因のほか、手足が冷えやすい女性に多い傾向にあります。就寝環境や生活習慣、身体的問題など様々な要因が考えられます。現代ならではの▼寝る前スマホも、入眠困難になる要因のひとつです。
2,中途覚醒
眠りが浅く途中で何度も目が覚める状態。
自身では寝ているつもりでも脳が十分な休息を取れていないため、スッキリとした朝を迎えられず、翌日の日中に眠気に見舞われたり、集中力が低下するなどの弊害が起きやすくなります。▼夜間頻尿もまた、途中覚醒の要因のひとつです。
3,早朝覚醒
言わずもがな、朝早くに目が覚めてしまい二度寝できない状態。
早朝覚醒においては、年齢や生活環境などに起因する部分が多いため、生活に支障がなければ特に問題はありません。早朝に目が覚めてしまう要因として、寝るのが早すぎる、加齢によって睡眠時間が短くなる、夜勤などの不規則勤務などが要因として挙げられます。
なお、不眠症をはじめとする睡眠障害においては、
自身ではあまり気になっていない
という傾向があり、また良質な睡眠が取れていないことや、脳が十分に休息できていないことに本人が気づいていないケースが多いのが特徴でもあります。そこで今回は、そんな睡眠障害を要因とした生活の質低下をさけるべく
寝れない時の睡眠障害セルフチェック
と称して、自身の睡眠障害の進行度合いをセルフチェックできる方法をご紹介。
電車で寝過ごすことが多い、仕事中のミスが多い、運転中に眠くなるなど、日中の眠気においては、あまり深く考える機会は少ないかもしれませんが、実はそれ、れっきとした睡眠障害かもしれません。
不眠症が大事になってしまうまえに、しっかりと良質な睡眠が取れるよう、普段の生活そのものから見直してみるようにしましょう。
眠りたいのに寝れない・・・寝れない時の睡眠障害セルフチェック
睡眠においては、「寝ようと思って寝る」というより、眠くなるから寝るというのが自然な流れではありますが、入眠困難の状態になると寝る時間になっても「眠くならない」、布団入って横になっても「眠れない」という状態に陥ります。こうした状態が続くことで、
眠れないことにストレスを感じて自律神経が乱れる
といった弊害も引き起こしますので、当然ながら体内時計のリズムも乱れ、より一層不眠症が悪化する可能性もあるのです。特に最近の傾向としては、
眠れないと枕元でスマホをいじり始めてしまう
といった節もあり、過去記事「▼睡眠は時間よりも質が重要と言われる要因は?」でもご紹介しているとおり、やっと眠れたとしても寝る前スマホの影響で睡眠の質は大きく低下。結果的に6時間前後寝られたとしても、体や脳は十分な休息を得ることができず、翌日の活動に悪影響を及ぼしてしまうのです。
そんな就寝環境に心当たりのある方は多いはず。
ここでは、布団入って横になってもなかなか寝付けないという方のために、不眠症の度合いをご自身でチェックできる睡眠障害セルフチェックをご紹介していきます。睡眠障害や睡眠の質においては、
寝不足以外自分ではなかなか気づきにくい
のが実情ではありますので、下記セルフチェック項目に多く該当する場合は、何かしら睡眠における弊害があったり、すでに不眠症に陥っている場合があります。これらを踏まえて、日常の生活習慣を見直したり、睡眠の重要性に対する意識を改めて高めるようにしましょう
~睡眠障害セルフチェック~
Q01:睡眠時間がいつも足りていないと思う
Q02:布団に入ってから入眠まで30分以上かかる
Q03:毎晩、夜中にトイレで目が覚める
Q04:就寝中もちょっとした物音で目が覚める
Q05:起床の1時間前に目が覚めて二度寝ができない
Q06:コーヒーやお茶(カフェイン)を常飲している
Q07:寝る前に習慣的に30分以上スマホを見ている
Q08:仕事中に高い頻度で強い眠気に見舞われる
Q09:運動習慣がほとんどない
Q10:寝起きに限らず日中も体が重くダルい
上記で、5問以上「はい」がある場合は、不眠症や睡眠に対する何かしらの問題が生じている可能性があると認識した方が良いでしょう。なお、世界保健機関(WHO)が設立した「睡眠と健康に関する世界プロジェクト」が作成した
不眠症の度合いを判定する世界共通指数「アテネ不眠尺度(AIS)」
の日本語版が、厚生労働省「長時間労働の医師への健康確保措置に関するマニュアル」にてご確認いただけますので、こちらもぜひ試してみてください。
出典:厚生労働省「長時間労働の医師への健康確保措置マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/
10800000/000708162.pdf
睡眠障害・不眠症に関する人気記事
まずは原因を知る!生活の質を低下させない睡眠障害との向き合い方
上述のとおり、睡眠障害・不眠症の多くは、自身ではあまり自覚がなく、日常生活に支障が出ていたとしても、それが睡眠のせいだとは認識しにくいというのが問題として挙げられます。もちろん、仕事など生活面で致し方ない部分もあるため、
生活の質を低下させない程度に睡眠障害と上手に付き合う
という考え方もありますが、多くの場合で日中のパフォーマンスに影響が出てしまったり、寝れないストレスによって知らず知らずに自律神経が乱れ、様々な体調不良に見舞われるリスクもありますので、しっかりと良質な睡眠を取るに越したことはありません。特に不眠症は、生活習慣に起因する部分も大きいため
まずは不眠症の原因となる要因を改善させる
意識を持つことが大切。
例えば、毎晩の飲酒習慣をやめる、就寝前のカフェイン接種を控える、適度な運動で体を疲労させるなど、自身で改善できる部分も多数あるので、上記セルフチェックを参考にしながら、改善すべき点をひとつずつ解決していくと良いでしょう。
また、睡眠においては体内時計の働きも重要で、過去記事「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」で詳しく説明していますが、現代社会における不規則な生活などを背景に、夜になっても睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌量が増えにくく、
リラックス時に働く副交感神経が優位にならずに
就寝時間になっても眠くならないといった点も不眠症の要因のひとつ。
メラトニンの分泌量を増やすためにも、その睡眠ホルモンの原料となる必須アミノ酸「トリプトファン」を積極的に摂ることも対策となります。乳製品や大豆製品などに多く含まれるトリプトファンは、
日中の活動ホルモン「セロトニン」に置き換わり
そのセロトニンは、夜になると睡眠を促すメラトニンに変化しますので、
日中にいかにセロトニンを分泌させておくか
という点が非常に重要なのです。
トリプトファンを多く含む食材には
・きなこや納豆などの大豆製品
・鶏ムネ肉や豚ロースなどの肉類
・マグロやカツオなどの赤身魚
・椎茸などのキノコ類
・牛乳やチーズなどの乳製品
などが挙げられますので、食生活の面からも不眠症対策を心がけることが重要です。
いかがでしたでしょうか?
睡眠障害と言えど、その多くは不眠症であり、その不眠症もまた生活習慣に深く関連していることから、いわば生活習慣病と言っても過言ではないのです。ただが睡眠、されど睡眠ですので、良質な睡眠の大切さを今一度、再認識してみてはいかがでしょうか。