良質な睡眠を得るには良質な入浴?リラックス度を高める入浴剤の活用テク

良質な睡眠に欠かせない入浴~入浴の質を高める入浴剤効果
一日の活動の締めくくりとも言える日本の習慣的文化「入浴」。
もちろん、文化と言っても時代の変化や様々な生活環境を背景に、必ずしも湯船に浸かることだけが入浴とは限りませんが、やはり一日の疲れや気持ちをリセットしたいのであれば「湯船にゆったりと浸かる」というのが、日本に根付いた文化のひとつなのかもしれません。
そんな現代人における入浴という習慣ですが、そもそも入浴の目的って考えたことはありますでしょうか?もちろんその答えとしては
「体を清潔に保つために頭髪や体を洗うことでしょ?」
と思われる方が大半で、そのとおりではありますが、入浴のもう一つの目的としては
心身機能のリセットとリラックス
ということが挙げられ、例えば
・体が清潔になることで爽快感や満足感が得られる。
・筋肉の緊張が和らいでリラックスできる。
・血液やリンパの循環を促進されて疲労感が軽減。
といったように、清潔さを保つといった社会的な意義のほか、代謝促進といった身体的側面やリラックスといった精神的側面も含めた
心身機能の回復・向上という目的もあるのです。
その他にも、毎日決まった時間にお風呂に入ることで、生活リズムが整って体内時計の働きによって自律神経が整うといったメリットもあります。そんな1日のルーティンのなかでも重要な役割を担う入浴ですが、その目的のひとつである心身機能の回復・向上をより効果的に高めてくれる、そんなアイテムがあるのはご存じでしょうか?
それがドラッグストアなどで多く売られている入浴剤です。
もちろん、多忙な現代人においては「普段は湯船に浸からない」という方も多いかもしれませんので、この機会にぜひ入浴習慣を変えてみていただきたいのですが、入浴によって得られる温浴効果をより高めるうえで、入浴剤は一定の効果が得られるものもあるのです。
街のドラッグストアなどで手軽に買える入浴剤だからこそ
「気休め」程度としか思っていない方も多い
かもしれませんが、この記事では、実際に入浴剤を用いた正しい方法から、気分に合わせた入浴剤の使い分け、そしてリラックス効果を高める入浴剤の活用テクニックなどをご紹介。もちろん、リラックス度を高めることで副交感神経の働きが優位となり
良質な睡眠を得ることにもつながります
ので、睡眠の質を高めたい方にもぜひ実践してもらいたい入浴習慣のひとつなのです。
早速ですが入浴剤の効果を詳しく見ていきましょう。
入浴剤なら何でもいい?~市販入浴剤の効果・効能の種類
早速ですが、多くの方が思い描くお風呂に入れる入浴剤のイメージとしては
・湯船が綺麗な色になる
・いい香りがする
といった視覚・臭覚的な効果のみがフォーカスされがちではありますが、一般的に言われる入浴剤においては、以下のような3つの種類に分類され
・入浴剤(浴用剤):医薬部外品
・入浴料:化粧品
・雑品:分類なし
冒頭のような色や香りだけを楽しむだけの入浴剤はバスグッズと呼ばれ、
厳密に言うと入浴剤ではありません。
また、お肌の保湿・潤いといった保湿ケアを目的とした入浴剤は、
入浴料であったり浴用化粧料と表記され
大きなくくりでは入浴剤であっても、分類的には化粧品であり入浴剤ではないのです。
この時点で、
皆さんが入浴剤を選ぶ際に勘違いが生じている可能性
があり、例えば疲労回復を目的としているのにバスグッズを選んでいたり、温浴効果を高めたいのに浴用化粧料を選んでいたりするケースが多いのが実情。もちろん、良質な睡眠を得るうえで欠かせない入浴におけるリラックス効果については、
香りによる快適性が重視される
ので、これらは雑品も含めいずれの入浴剤でも得られるものですが、できれば体の疲労もリセットできる入浴剤(浴用剤)を用いた方が、心身ともにリセット効果が高いことは言うまでもありません。ちなみに、これら入浴剤によって得られる効果については
・保温効果:お風呂から上がった後も湯冷めしにくくなるもの。
・保湿効果:お風呂上りもしっとりと潤いのある肌を保つもの。
・血行促進効果:血行促進によって疲労物質やリンパが流れやすくなるもの。
・清浄効果:毛穴の皮脂汚れを落とす成分を高めたもの。
・清涼効果:メントールなど清涼感を与えるクールタイプ。
・リラクゼーション効果:香りや湯色に特化したリラックス目的のもの。
などが挙げられ、またはこれら効果をミックスしたものが入浴剤として市販されています。
この効果のカテゴライズに加え、最近では
良質な睡眠を得るのに特化した入浴剤
という製品も出てきており、血行促進や疲労回復のほか、高い温浴効果によって深部体温を高め、入浴後90分~120分程度で一気に深部体温が下がることで深い眠りに入りやすくなる、そんな効果を高めた入浴剤もあるので、用途に応じた使い分けが必要なのです。
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副交感神経を優位にする入浴方法と入浴剤活用テクニック
入浴剤の分類や使い分けが大切だということを理解したところで、実際に
副交感神経を優位にして睡眠の質を高める入浴方法
について見ていきましょう。
効果的な入浴方法としてよく言われるのが「湯温」。
皆さんもご承知のとおり、湯温は熱いほど体が温まりそうなイメージがありますが、湯温が高いほど「湯疲れ」や「湯あたり」といった熱疲労を起こしやすいだけでなく、
自身では気付きにくい高温によるストレス
を感じることになります。リラックスするために湯船に浸かっているのに、逆にストレスになってしまえば本末転倒。湯温は38~40度前後が最適です。
続いて入浴時間について見てみましょう。
入浴時間は10~15分程度が良いとされていますが、リラックスという観点では
お風呂の中で好きな曲を聴いたり動画を見たり
という自分ならではのリラックス方法があると思いますので、そういう観点では10~15分という時間はとても短いのが実情。また、湯温38~40度程度で10~15分の入浴時間では、冬場は特に体が温まらないという方も少なくありません。温度の感じ方については個人差も大きいことから、
湯温に比例して入浴時間を調整する
というのが基本となり、30分以上ゆったりと浸かりたい場合は、のぼせない程度の湯温に調整し、そのリラックスタイム時に入浴剤の効果が最大限発揮されるようにしましょう。あまり湯温を高くし過ぎると、
せっかく入浴剤を入れたのに10分でのぼせた・・・
なんてことにもなりかねませんので、体を一気に温めるのではなく、長い時間をかけて徐々に温めてポカポカにするということを重視するようにしましょう。特に温浴効果を高める入浴剤は、自分では低い湯温だと感じていても思いのほか体が温まり、「熱くてもう出たい」と感じるようだと
その時点でストレスを感じていることになる
ため、副交感神経ではなく交感神経の方が優位に働いてしまいます。
副交感神経を高める、すなわちリラックス効果を高めるためには、エッセンシャルオイルやハーブエキスが配合された植物系入浴剤がオススメです。お湯を張った時点で入浴剤を入れておくことで、浴室全体に香りが広がりやすくなりますので、
体を洗う前から入れておくのがポイント。
体の疲労回復に効果的な炭酸ガス系入浴剤も、炭酸ガスが完全にお湯に溶けてから効果を発揮するものなので、入浴剤の固形物が完全に溶け切ってから入浴した方が、体も温まりやすく、疲労物質も排出されやすくなるのでオススメです。
これらのように、単に入浴剤と言ってもその用途によって使い分けが重要ですし、また効果的に作用する入浴時間や湯温調整なども必要になります。自らでもっとも熟睡できる入浴剤や入浴環境を色々試してみて、よりより睡眠の向上を心掛けてみてはいかがでしょうか?