免疫アップで風邪知らず~腸活だけじゃない!乳酸菌を取るべき理由
そもそも体の免疫って?免疫力と体調変化の関係性
寒さや乾燥などによって何かと体調を崩しやすい日本の冬。
近年はコロナ禍ということもありますが、例年であればインフルエンザの蔓延を筆頭に、風邪をひいたり、感染性下痢症など、寒さと乾燥を好むウイルスが猛威を振るう季節でもあります。とは言え
気をつけていても風邪はひくもの
というのが実情かもしれませんが、人の体には「免疫」という防御システムがあることは皆さんもご存知のとおり。外部から進入する細菌やウイルスなどに対抗して、それら病原体から体を守る役割を果たしてくれているのです。
この免疫においては、当然のことながら個人差が大きい部分ではあり、同じ環境下でもまったく風邪をひかない人もいれば、何度も風邪をひいてしまう人もいたりと、
同じ人の免疫でも防御力は異なる
わけで、風邪をひきにくい人は当然免疫力が高いということになります。
ただし、免疫においては環境や体調によって変化しやすい傾向にあり、冬場に風邪をひく人が増えるのも、
寒さによって体温が下がってる免疫力が落ちる
からであり、その他にも冬の乾燥によって喉や気管支の粘膜が乾燥しやすいという点も外部のウイルスなどに感染しやすい原因となりうるからなのです。ただし、免疫力が低下する環境的な要因で言えば条件はみな同じなのですが、免疫力が低下する内部的な要因で言えば
・不規則な生活習慣
・栄養バランスの偏った食生活
・加齢や疲労
・過度なストレス などなど
言わば、生活習慣の乱れや寝不足、慢性的な疲労などによって「体調がすぐれない」といった状態においては、必然的に免疫力も下がってしまい風邪などをひきやすくなってしまう傾向にあると言えます。
そこで今回は、寒さに負けない体を作るという観点でも、ご自身の免疫力を高めることにフォーカスし、
免疫力を高めるために意識したい乳酸菌の働き
についてご紹介いたします。
乳酸菌が体の免疫を高める?っというイメージは全く沸かないかもしれませんが、最近では、整腸作用だけでなく体の免疫力を高める細菌として乳酸菌の働きに注目が集まっているのです。実際に乳酸菌を増やすことで、どのような変化が得られるかなどを詳しく見ていきましょう!
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昔から「寝不足だと風邪をひきやすい」などと言われますが、もちろん個人差はあれど事実は事実で、寝不足によって体の免疫力が低下することで、外部からのウイルスや病原体に冒されやすくなっている状態であると言えます。
一方、普段から健康的な生活を送っているはずなのに、
毎年冬のシーズンは一度は風邪をひく
という方もおり、その判断は難しいところではありますが、免疫力が低いという点は一理あるかもしれません。個人によって異なる免疫力は数値化されている訳ではありませんので、免疫力が高い・低いという判断を自身で行うことは難しいのですが、実は
血液に含まれる成分で自身の免疫機能を測ることが可能
特に血液に含まれる白血球は、外部から進入する細菌やウイルスなどと戦って駆除する働き、つまり対抗免疫機能が備わっていますので、白血球および白血球中に含まれるリンパ球球(NK細胞、貪食細胞、抗原提示細胞)などの強さが、免疫力を左右していると言っても過言ではありません。
一方で、乳酸菌はどのような働きをしているのでしょうか?
まず第一に腸内環境の改善
という点は非常に重要な要素となります。
言うまでもなく、胃や腸は食事などによって取り入れた食物を消化したり、吸収したり排泄を行う器官であり、外部からの細菌やウイルスにさらされる機会が多い器官です。腸内環境が良好であれば免疫力も高くなり、腸内に含まれる善玉菌の割合が高ければ、ひとつの感染症対策となりうるわけです。
もうひとつの効果としては、
免疫細胞を活性化させる乳酸菌の作用
が挙げられます。
ひとつめの腸内環境の改善とリンクする部分ではありますが、腸は言わば病原体の侵入を防ぐ最前線。人の免疫には、
・生まれつき体に備わっている自然免疫
・自然免疫では排除できない細菌を排除する獲得免疫
の2種類が存在しますが、自然免疫に含まれる「マクロファージ」と「NK細胞(ナチュラルキラー)」が外部からの細菌やウイルスに攻撃を行い、自然免疫で処理しきれなかった異物をB細胞やT細胞といった獲得免疫が対処するというメカニズムです。
つまり、最初に対処にあたる「マクロファージ」と「NK細胞」の働きが活性化させることができれば免疫機能全体が強化されることになり
そんな自然免疫を活性化させるのが乳酸菌
ということが分かってきているのです。
「第二の脳」とも言われる腸内環境を整えるということは、単に腸を整えて便通を改善するだけでなく、これらのように体の免疫システムに大きな影響を与えているということを意識することが大切です。
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これまでのお話のなかで言えば、単純に「腸内における乳酸菌などの善玉菌を増やせばいいの?」という考えになりがちですが、事はそう簡単なお話ではありません。過去記事「▼腸内環境を整えるとどうなるの?得られる効果とその方法」でもご紹介しているように、腸内細菌における
善玉菌・悪玉菌・日和見菌が締める割合が重要
であり、それぞれ2:1:7の割合が理想と言われています。つまり、この割合が維持できると腸の免疫細胞も活性化するということです。各細菌の詳細については、上記記事にて詳しく述べておりますが、単に善玉菌を増やせば良い訳でもなく、
悪玉菌のなかでも免疫細胞に役立つ作用をしているもの
も存在しますので、一概に悪玉菌を排除して善玉菌を増やせば良いという訳ではないのです。もちろん、ヨーグルトやチーズといった乳製品のほか、納豆やキムチなどの発酵食品には多くの乳酸菌が含まれますが、それだけを食べていても
腸内が善玉菌だけになることはありません
あくまで、腸内の細菌比率「腸内フローラ」を理想の形に整えることが免疫アップには欠かせないのです。
また、上記で述べました自然免疫に含まれるマクロファージやNK細胞といった免疫細胞を活性化するためには、乳酸菌や納豆菌が多く含まれる
プロバイオティクス食品を摂ること
そして乳酸菌や納豆菌の餌となる食物繊維を多く摂ることで、それぞれの細菌類が活性化してきます。ヨーグルトやチーズなどの乳製品を摂りつつ、大豆などの豆類、芋類、ごぼうなどの根菜類には多くの食物繊維が含まれていますので、
乳製品や発酵食品と合わせて食物繊維を多く摂る
ということを覚えておくと良いでしょう。
いかがでしたでしょうか?
乳酸菌と聞くと、どうしても便秘などの腸の調子の方に目が向きがちですが、実は体の健康を語るうえで非常に重要な役割を担う「免疫」を司る器官でもありますので、「腸の健康=体全体の健康」と捉えて、免疫機能を活性化するような生活習慣を心がけてみましょう!
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