突然の睡魔に負けるな!眠気を吹き飛ばす対処法とは
14時前後の突発的な睡魔~強烈な眠気はなぜ起きる?
人間の三大欲求のひとつである「睡眠欲」。
日常的には眠気や睡魔と表現されますが、睡眠は脳や身体の休息時間でもあり、食欲と同様に人間にとって必要不可欠なものであります。ただ、そうは言えど、睡眠のメカニズムはハッキリと解明されている訳ではなく、日中の活動には何時間は寝れば良いだとか、疲れているのに寝れないだとか、
個人差の大きい睡眠に対する悩みや課題は尽きない
というのが実情かもしれません。
ただ、睡眠においては「加齢」との関係性もあり、歳を重ねると次第に早寝早起きになるという傾向があるほか、60代以降ともなると、日中に消費するエネルギーや疲労度が低下することで、
そもそも多くの睡眠を必要としなくなってしまう・・・
というのも少々悲しい現実。
その他にも、過去記事「▼体内時計をつかさどるメラトニンの働きを理解しよう」でもご紹介しているように、加齢と共に睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が減少してしまうことも、睡眠の質を低下させる要因であると言えます。
とは言え、働き盛りの30代~50代においても日中に眠気を感じるのは誰しも同じであり、特に昼食後の13~15時くらいに強烈な眠気に見舞われるのは決して珍しいことではありません。前日にしっかり寝ていて目覚めも良かったはずなのに、午後になると眠くなる・・・、そこで見直すべきポイントのひとつに挙げられるのは
睡眠時間ではなく睡眠の質という点
就寝中は言うまでもなく意識がありませんので、自身でしっかりと眠れているか?、良質な睡眠が取れているか?などの判断をすることができません。例えば、肥満気味の方に多い「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」。
当コラムでも何度も取り上げていますが、SASは主に首・喉まわりの脂肪が増えることで気道が塞がれてしまい、就寝中に何度も無呼吸に陥ることで睡眠の質が低下する症状で、当然自覚はなくとも寝不足となり、日中の眠気の原因となります。その他にも、働き盛り世代に多いのが
ストレスによる睡眠の質の低下
特にこの世代におけるストレスの原因の多くは仕事関係であることが多く、仕事に対するプレッシャーが睡眠の質を低下させ、朝起きた時の熟睡感の低下や疲れが取れないといった睡眠障害を引き起こしてしまう・・・、こうした状態も日中睡魔の原因として挙げられるでしょう。
その他にも、日中に強烈な眠気に見舞われる「ナルコレプシー」 という過眠症の一種である病気もありますが、主に10~20代くらいの若い世代に多い比較的珍しい疾病で、俗にいう「睡眠発作(寝落ち)」というのがこれに該当します。一般的に眠気においては
病的なものなのか、単に寝不足だけなのかの判断が難しい
のが実情で、社会に出ると「寝不足で集中力がないだけ」といったネガティブに捉えられてしまうことが多い傾向にありますが、実際にこの突発的な睡魔においては、問題の根が深く、
精神論だけでは片づけられない課題
と言っても過言ではありませんので、今回のテーマをきっかけに日中の眠気の問題の根深さについて再認識していきたいと思います。
特に会社の管理職の方などは、「部下が居眠りしていた時にどう対処すべきか?」という点に苦慮されているかもしれませんが、もしかすると多大なストレスを感じていたり、睡眠環境が整っていないかもしれませんので、そうした変化にも気付けるような管理職になるためのバイブルになるかもしれません。
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さて、トイレと同じように普段の生活のなかで催す生理現象である眠気。
その眠気を紐解くうえで重要なポイントが「過眠」です。
え?不眠なら良く聞くけど過眠ってなに?
まぁ、そのままの字を解釈してしまうと、寝過ぎとか、よく寝るといった判断をしがちですが、医学的な「過眠」とは夜寝ているにも関わらず、
日中に強い眠気が生じ起きているのが困難になる状態
を指し、こうした症状を過眠症と呼びます。
この過眠症には3つの種類があり、ひとつは上述した「ナルコレプシー」ですが、残り2つは
・突発性過眠症
・反復性過眠症
といったタイプの過眠症で、いずれも強い眠気を感じて寝落ちしてしまったり、食事中であっても、試験中や商談中といった考えられない状況であっても居眠りをしてしまったりすることがあります。特に気を付けなければならないのが
車の運転中の居眠り
で、特に疲れを感じている訳でもないのに一瞬意識が飛んでしまったり、数秒であっても運転中の居眠りは、大きな事故につながりかねません。こうした一瞬の睡魔を「マイクロスリープ」などと呼びますが、実は車だけでなく、
新幹線の運転手や飛行機のパイロット
などでもマイクロスリープが起こる可能性はあるため、脳内における覚醒機能異常などといった中枢性の過眠症や慢性的な疲れやストレス、SASなどの睡眠障害は単に「自己管理不足」といった言葉では片づけられない問題なのです。
ちなみに、眠気が起こる基本的なメカニズムにおいては、過去記事「▼寝つきの悪い人にオススメする「午前中にやっておきたいこと」」でも取り上げているように、
活動ホルモン「セロトニン」と睡眠ホルモン「メラトニン」の体内時計サイクルが重要
ということをお伝えしてきましたが、時間という概念が薄れつつある現代社会においては、睡眠時間はマチマチ、海外出張などで時差ボケが多い、夜勤や日勤が不定期にある、とにかく緊張やストレスが多い・・・などといった仕事ほど、体内時計サイクルが乱れやすく、突発的な睡魔に見舞われるリスクが高い傾向にあります。
・銀行や証券会社などの金融業
・勤務時間が不規則なホテルマン
・海外出張などが多い商社マン
・交通状況により左右されるトラックドライバー などなど
頭では理解していても、仕事を前になかなか規則正しい生活習慣に整えるのが難しいというのが実情ではありますが、この活動ホルモン「セロトニン」と睡眠ホルモン「メラトニン」の体内時計サイクルをできる限り整え、
活動時間中の覚醒力を維持すること
が、日中の眠気を回避する方法であると言えるでしょう。
※出典:眠りのメカニズム – e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-002.html
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突然の睡魔攻略法!~強烈な眠気を吹き飛ばす対処法
デスクワークなどにおける午後の強烈な睡魔は、上記で取り上げた病的な要因でない限り、ある程度自身で対処することができますが、根本原因の解消にはなりませんので、やはりしっかりと良質な睡眠を取ったり、生活習慣を見直したりといった対処は絶対的に必要です。とはいえ、
会議中は必ず眠くなる・・・
まぁ、眠くなる原因については、心理的に緊張をしていなかったり、退屈であったり、興味がなかったりすれば誰しも眠気に見舞われるわけで、「集中力がない」といった精神論も、まんざら的外れではないのが事実。
とは言え、上司の前で堂々と居眠りする訳にもいきませんので(苦笑)、このくだりでは、「強烈な眠気を吹き飛ばす対処法」として、一時的な眠気覚ましの方法を幾つかご紹介していきます。もちろん、これらの方法も個人差があって当然ですので、
誰しも必ず眠気から覚醒する訳ではありません
が、絶対寝れないシーン・あくび厳禁!といった場面では、やはり脳を覚醒させることが第一となりますので、職場で気づかれずにコッソリできる睡魔攻略法を幾つかご紹介いたします。
1,顔を洗う(覚醒度:★★☆)
どのような状況でもトイレに行くくらいならできるはずなので、女性には難しいかもしれませんが、トイレついでに顔を洗って目を覚ましましょう。
2,コーヒーを飲む(覚醒度:★★☆)
カフェインによる覚醒を狙うのはもちろんですが即効性に乏しいため、どちらかというとアツアツのコーヒーを飲んで舌を刺激し、脳を覚醒させる効果に期待しましょう。
3,数分程度、外を歩く(覚醒度:★★★)
体を動かすことで脳が覚醒され、一時的に眠気を払拭することができます。席に戻るとまた眠気に見舞われる可能性がありますが、体を動かすことは眠気対策の定番です。
4,ガムを噛む(覚醒度:★☆☆)
眠気対策用のガムを噛むことで顎が刺激され、一時的でも眠気を紛らすことができる一番手軽な方法ですが、会議中などでガムを噛めない場合もあるのが難点。
5,体をつねって刺激する(覚醒度:★☆☆)
長距離トラック運転手の常套手段と言われる体を刺激する方法。眠気が酷い場合などは、ライターで自身の体を炙るといった強者もいるそうです。(危険ですのでお止めください。)
6,点眼薬をさす(覚醒度:★☆☆)
こちらも覚醒効果としては短時間で効果も薄い傾向にありますが、職場でも手軽に行うことができる眠気対策。目が乾くと言って点眼するけど、実は眠い人が大半という噂も…
7,誰かと会話する(覚醒度:★★☆)
隣の人などと会話することで脳が覚醒し、眠気が引くというロジック。会議中などに発言を求められると途端に目が覚めるのと同じですが、会話ができない環境だといつまでも眠気との戦いが続きます。
8,こっそり仮眠をとる(覚醒度:★★★)
最強の眠気対策が仮眠です!数分でも寝ることができれば一気に眠気が取れ、脳も覚醒しやすくなりますが、どこで寝るか?という問題が常につきまとうでしょう。
いかがでしたでしょうか?
仕事人にとって、急な睡魔はつきものではありますが、場合によっては重度の睡眠障害である可能性もありますので、毎日のように強烈な眠気に見舞われるようであれば、一度専門医を受診し、的確なアドバイスを得た方が良いケースも少なくありません。
たかが睡魔・されど睡魔
睡眠は日常生活の質をも左右してしまいますので、眠気だから仕方ないなどと軽視せず、日々良質な睡眠が取れるよう、生活習慣やストレス環境を見直すよう心がけましょう。
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